できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

先ほどツイッターでつぶやいたこと。

2013-01-19 10:32:20 | ニュース
さっき、ツイッターでいくつかのつぶやきに分割して書いたこと。こちらでまとめて書いておきます。

よく航空機事故のたとえで今回の橋下市長の桜宮高校での入試停止要求を容認する方いるんですが(それはいわゆるマスコミにでてくる「識者」もそう)、事故の起きた機体と同機種全機の運用を停止しても、減便するとか別の機種をやりくりして航空各社は事故後運行してますよね。少なくともそこには「ある機種の運用停止で、利用客にはできるだけ迷惑かけない」という各社の姿勢が出ているのではないかと。
また、航空各社が事故後ある機種全機の運用を停止するのは、まずはどこにトラブルがあるのかを総点検して、必要な補修などをするためですよね。
少なくとも航空機事故の場合、その事故のあった機体と同機種全機の運用停止・総点検と補修は行っても、別機種をやりくりしたり減便したりして、その路線の運行全体を停止するとか、その路線にお客を乗せないとか、そういう話には、たとえ重大事故があってもならないかと思うのですが。
こういう風に見ていくと、航空機事故のあとの対応をたとえにして、橋下市長の桜宮高校での入試停止要求を容認するようなコメントっていうのは、ちょっと話が飛躍しているようにも思えます。そして、そういうコメントをマスコミでする識者たちには、私は「大丈夫ですか??」と言いたくなります。
もしも航空機事故のたとえで説明するのなら、重大事故後の航空会社によるある機種の運用停止と全機の総点検・補修は、桜宮高校の入試停止ではなくて、今の桜宮高校での授業停止と子どもの自殺の背景にあることの徹底した調査、周囲の子どもへのケアということになるのではないかと。
当該のクラブの子どもや同学年の子どもなどからていねいに事情を聴き、そこで何があったかを調べること。また、当該顧問や同僚教職員から徹底した事情聴取を行うこと。そういうことのために一時的に授業を休むことが、航空機事故後のある機種の運用停止に近いのではないか。

事柄の本質を見据えず、その場の感情や、自分の学校や教育行政への不満、不信感など、勢いにまかせてコメントすることは、私もマスコミにコメントを求められる立場であるので、おおいに慎みたいです。



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