バスの車窓から(恋人岬あたり)の富士山
奇麗な富士山に出会えるという事の難しさを感じた旅でした。14ヶ月前、富士山が一番美しいという1月に富士の裾野を廻った時の4日間は何処を走っても(レンタカーで)富士山が見え、時間により刻々と変わる色の富士の変化を楽しめた旅でした。今回は1日目だけ美しい富士山に出会いました。2・3日は伊豆半島の東に居ましたから見えません。最後の日は海上からの富士山を見ようと30分のジェット船を予定しましたが、うっすらと存在がわかる程度にしか見えず残念でした。
今回は富士山がメインではありません。松崎の「漆喰鏝絵」を見る旅でした。「長八さんの漆喰鏝絵」を知ったのは10年以上前のことです。でも中々チャンスが無くて、と言いますのは伊豆には2度ばかりマイカーで来ておりますので、修善寺も、石廊崎も、堂ヶ島の蘭も見に行きました。だから「漆喰鏝絵」だけと言うのが、一寸物足りなく実行に移せませんでした。
2回の伊豆半島めぐりは免許取立で、運転することだけが楽しみでしたから、海岸線に近づけば富士山が見えることも、松崎に有名な「漆喰鏝絵」があることも知らずに通過していた事になります。
この度は新幹線、バスの旅です。修善寺までは電車がありますが、それからはバスしか交通手段がありません。嫌と言うほどバスには乗りました。でも良くしたもので大体が乗り継ぎは上手く行っていました。
那賀川の岸の桜並木 なまこ壁との調和が美しい
漆喰芸術(鏝絵)の殿堂 「長八美術館」
壁に掛かっているのは皆「長八の漆喰鏝絵」です
新幹線で三島まで、箱根鉄道で修善寺へ、其処からバスで松崎まで、13時にはホテルに着いておりました。荷物を預けてまず「長八美術館』へ…
美術館に入ると「漆喰鏝絵が細かいので…」とルーペが渡されました。「鏝(左官さんが壁を塗る時に使う)絵」とは、もっと大雑把なものだと思っていた、私の間違いでした。離れてみると「日本画」のように見えるのですが、ルーペでのぞくと、絵はこんもりと盛り上がっています。「鏝先を使う」と言う言葉がありますが、本当に鏝先で描いているのです。写真を写してくるのを忘れましたが、大きいのから小さいのまで、沢山の鏝を使って描かれたようです。
焙烙の静御前 長八が66歳の作品
焙烙:素焼きの浅い土鍋 豆などを炒る道具
焙烙のおかめ 長八が73歳の時の作品
森家の家族 (肖像画の感覚だろうか?) 長八62歳の時の作品
相生(あいおい)の松 長八が62歳の時の作品
龍
みんながガラスの額に入っていますから、影が映ったりして、中々写真に撮り難いです。ここでも「百聞は一見に如かず」とは良く言ったものを実感しました。
近藤家のなまこ壁 江戸末期のもの
明治の商家(呉服店)中瀬邸の表 数代で財を成した大地主
上の写真の右端の倉の扉
中瀬邸の裏手の壁の鏝絵 (運動会のリレーと見物客)
私が目にした「なまこ壁」は数軒で、「なまこ壁の町」にしては少ないな~と思ったのですが、実際は200軒もあるそうです。私の瞳の裏にくっきりと焼きついている家が一軒あります。バスの車中から見たのですが、一軒丸ごと上から下まで「なまこ壁」と言う家がありました。相当古いように見えましたが、道路からは離れた位置に一軒だけポツンと立っていました。吉祥(きっしょう)と言うバス停を出て間もなくの所でした。
浄泉寺のなまこ塀と桜 伊豆三庭園の一つ
「長八美術館」に行く手前にあるお寺なんですが、この度は行き当たりばったりの旅にしましたので、このお寺に美しいお庭があることを知りませんでした。帰ってからネットで知り今悔しい思いをしています。やっぱり、プランはしっかり練って行かなければと思います。
休憩に入ったギャラリーきっさは良い感じでした。入り口はサッシの戸でためらったのですが中に入って吃驚、その名の通り、所狭しと可愛い小物が置いてありました。マダムのお勧めに随い、如何しようかと迷っていた、お花畑と桜並木を見に行くことにしました。
ホテルの窓から見た海に沈む夕日
(09-4-2)