ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

遍路  (81回)

2010年01月24日 | 思い出話
                平成15年5月15日
            第73番札所 出釈迦寺と奥の院  


                             距離:14K ほし川旅館 ~ ~ 73番出釈迦寺と奥の院 74番甲山寺  (3)






                        73番出釈迦寺・奥の院

捨身ケ嶽禅定は太子堂より1.7K山の上にあります。険しいのぼりをバス(旧
暦4月15日のご縁日のみ無料の送迎バスが出ています。ゆっくり歩いて40分
ぐらいだそうです。)は喘ぎあえぎ登っていきます。道幅も狭く、カーブばかりで
す。もちろんガードレールもありません。私は詮無いことながら必死で手すりを
握っておりました。

遍路自体もそうですが、遍路に出るという事は、お大師さんがお呼びくださったそ
うですが、この奥の院もご縁があったといえるようです。私たちにしましても、善
通寺に泊まりたいがために2日間ゆったりとしたスケジュールを組んでおりました。
もし、先を急がなければとまれない日程であれば、奥の院まで上らなかったと思
います。ぜんぜん予定をしていなかったことですが、女の方が声を掛けてくださ
らなければ、いかに時間的に余裕があっても、上っていなかったと思います。本
当にいい経験をさせていただいたと感謝しております。

雨にもかかわらず、大勢の人がお参りしておられました。本堂の内陣の壁に子
供の晴れ着が華やかな彩で掛かっていました。「何故?」聞いてみました「お大
師さんの7歳のときのお話に因んで、檀家さんが、子供が7歳になったときの着
物をお供えして、子供の無事成長を祈るのだそうです。着物の色が美しく、写し
たかったのですが、撮影禁止といわれましたので、あきらめました。私も来年受
験のしょうまのために、「合格祈願」1年生になるまゆうのために「学業成就」の
お祈り(1件200円。安いけれどこの地方の相場でしょうか?)をお願いしました。
こうして、ご縁日に来合わせて、お声を掛けていただいたご縁を大切にしたかった
からです。

ご縁日には泊まれるそうです。金額は忘れましたが、2000円台だったと思い
ます。夜具が本堂の隅につんでありました。ここでも自転車遍路の男の子に会
いました。「食事がとってもおいしいですよ。今は満員ですが、もう少ししてから
いかれたら良いですよ」と声を掛けてくれました。

少し時間を置いていってみました。本堂に沿って右に回って、階段を2~3段下
りたところに、同じようなエプロンをつけたボランティアの主婦5人が働いておら
れました。中央にで~んとすえられたすし桶には炊き込みご飯がおいしそうに
湯気を上げています、その周りを囲むようにおかずが…お煮しめをはじめ、キン
ピラ、高野豆腐、サラダ、豆とチリメンジャコの煮物(この地方の名物だそうです
)わかめときゅうりの酢の物等々あふれんばかりのおかずです。

暖かいたけのこご飯のおいしかったこと。私はたまらずに、遠慮がちにですが、
3杯もいただいてしまいました。サラダは道々で見て「サラダにしたらおいしそ
う!」と思っていた野菜が、目の前に出ていて、お汁もありましたよ。感激の昼
ごはんです。すべてセルフサービスなんですが、なれない私たちのために、ここ
に誘ってくださった女の方がそろえてくださいました。おいしかった!!おいし
かった!!!

弘法さんが身を投げられた場所は、鎖場まで行きましたが、霧のために上れま
せんでした。くだりのバス待ちのとき「声を掛けていただいて、いい経験をさせて
いただきました」とお礼を言いました。「そんなに言っていただくとうれしいです。
言おうかどうしようかと迷ったんですよ」といわれました。この方のお誘いがなけ
れば、できない経験でした。ありがたいことでした。




          うっすらと見える右のお山が弘法さんが飛び降りられた「捨身ヶ嶽」

捨身ヶ嶽の謂れ話:幼少のころから諸仏と語らう夢を良く見ていた大師は、7歳
のとき、仏道に入って救世の大祈願を立てようと捨身ヶ嶽禅定(すてみがだけぜ
んじょう)に上った。「仏門に入って多くの人を救いたい。この願いがかなうなら釈
迦如来よ現れたまえ。もしかなわぬならば、一命を捨てて、この身を諸仏に捧げ
る」と願を掛け、大師は断崖絶壁から身を投げた。すると落ちていく大師の下に、
紫雲がたなびき、蓮華の花に座した釈迦如来と、羽衣をなびかせた天女が現れ
た。天女は雲の上で大師を抱きとめ「一生成仏」を告げたという。一命を救われ、
大願成就を約束された大師は、後に釈迦如来の像を刻み、これを本尊とした。







コメント
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