緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

アルミ製弦止めを試す

2020-06-21 12:58:58 | ギター
アマゾンでたまたまギターの弦をブリッジに固定する器具を見つけ、買ってみた。
アルミ製、樹脂製の2種類を買った。
今回はアルミ製の固定具を付けた感想などを取り上げることにしたい。

通常ギターの弦はブリッジに開けてある穴に弦を通し、巻き付けることにより固定するが、サドルの頂点とブリッジのサウンドホール側を結ぶ弦の角度が低くなるため、低いサドルのギターの場合は音の伝達に不利に働く。
この弱点を解消するために考案されたらしい。
(だいぶ以前にこのことを記事にしたことがあった)

この手の固定具を最初に買ったのは今から15年くらい前だったと思う。
おにぎりの形をした薄い象牙製のチップで、3つ穴が空いていた。
某楽器店からかなりの高額で購入したが、いざ装着してみたら却って音が悪くなってしまい、もったいないけど1回で使用をやめてしまったことがある。
この商品を今日探したが、どこかにしまいこんだらしく見つからなかった。
次にその5年後くらいに、ヤフオクで安価(1,500円)な象牙製の固定具を見つけて試してみたが、私の楽器には合わなかったみたいで、これもわずかな期間で止めてしまった。



次にしばらくしてから見つけたのが、これもヤフオクで見つけたのだが、象牙製の厚みのあるチップだった。象牙なのにかなり安価(2,000円くらいだったと思う)で、装着もしやすく、音に対する効果も著しいとは言えないが、当りの商品だった。
この商品は10年くらい使っている。



今までは弦の固定具と言えば象牙だけだったと思うが、数年前から金属製(真鍮やアルミ製)のものが出るようになった。
今回試したアルミ製のものは現代ギター社から販売されている商品だ。
価格は税込み2,200円とそんなに高価ではない。

金属製かわからないが、このような固定具を標準装備した楽器も見かけるようになった。
スペインのパウリーノ・ベルナベの楽器がそうだ。
聞いた話では鉄のハンマーで叩いても破損しないほどの強度を持っているという。

昨日、このアルミ製の固定具を早速試してみた。
パッケージは下の写真にあるように弦のパッケージと同じようなものだ(中にビニール袋が入っている)。





固定具は意外に小さかった。



側面と断面に貫通穴が空いている。



弦の装着はいたって簡単。今まで使ったどのチップよりも簡単であった。
説明書では1弦のみ2回巻き付けるよう指示されていたが、昔、弦交換時に弦がブリッジからすり抜けて表面板に痛々しい傷を付けたトラウマを経験しているので、用心深く2弦と4弦は2回、1弦は3回巻きにした。

全ての弦に装着したところ。



肝心の音はどうか。
装着した直後は、高音弦、とくに③弦が鈍かった。
固定具を付けなくても、新しい弦を張った直後は、①~③弦のナイロン弦がこもってしまい、本来の音が出るようになるまでしばらく時間を要するのであるが、今回の場合は新しい弦と初めての固定具の装着による2重の影響が出ているような感じがした。
装着した当日はこのこもりはおさまらなかった。

翌日(本日)、1時間くらい弾いていると徐々に高音のこもりが抜けてきた。
まだもう少しかかるかもしれないが、客観的に効果の度合いを見るために録音してみることにした。

使用楽器:山野輝慈 1972年
使用弦:オーガスチン黒

なおこの楽器はとても張力の強い楽器なので、柔らかい音を期待する人には強すぎて聴こえるかもしれない。
なお音加工等、一切していない。
高性能のマイクではないので、生の音とはだいぶ違って聴こえるがそれはしょうがない。
今練習している独奏曲と1年前の演奏会で弾いたマンドリンオーケストラ曲のギターパートの一部で試してみた。

クリアトーン試し弾き2020年6月21日自宅にて

自分の感触としては、わすかながら、音に芯が加わったかな、という程度のもの。
本当に感覚的なものだ。
今までの象牙のチップがそうだったように、劇的に改善するものではない、ということだ。

音を改善するのであれば、サドルを交換した方が効果が期待できるかもしれない。
今までサドルやナットを何本も自作で交換してきた経験からいうと、サドルやナットの交換でかなり音が良くなったことがある。
プロに頼むと高額な料金を取られるので、細工が好きな人は自分で自作してみてはいかがだろうか。

あと、ブリッジに弦を固定するのではなく、サウンドホール付近の裏側の板に弦を固定し、その弦をブリッジの上部に開けた穴から通してサドルに接触させる、という方式の弦の固定方法を見たことがある。
この方が音が良くなるそうだ。
今後この方法が主流になる時代が来るのかもしれない。

※次回は同時に購入した樹脂製の固定具の感想を記事にする予定です。
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