緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

ぐい吞みの楽しみ

2021-11-19 21:23:29 | その他
酒を飲むときの器に関心を持つようになったのは今から5,6年前だっただろうか。
だいぶ昔に姉から旅行のみやげにもらった備前焼のぐい吞みで日本酒を飲むようになってからだと思う。

その時はさほどこだわりはなかった。
日本酒を入れるのに適当な器がこれしかなかったから使っていたというだけだったが、ふと違う器でも飲んでみたいなと思って、緑色の上薬が塗られた小さなぐい吞みをヤフオクで買ってみたのである。
しかしこのぐいのみ、表面がツルツルしていてどうも日本酒には合わない。
人にもよるであろうが、私にはこの感触の器ではどうも日本酒のおいしさが味わえないような気がした。

そんな折、4年前に勤続30年記念の特別休暇とお祝い金を使って訪れた山口県の萩で買ったぐい吞みが当りで、このぐい吞みで日本酒のみならずワインも飲むようになった。



赤ワインもこれで飲んだせいで、ワインを止めてからしばらくの間、赤い染みが付着してなかなか取れなかった。

次に買ったのが昨年の9月下旬に上越・信州方面にローカル列車の旅に出かけたときに、弥彦神社近くの店で衝動買いした弥彦焼きのぐい吞み。



これは大きさと形状、デザインはベストなのだが、これも表面がツルツルしているせいか、やや酒の感触が今一つに感じられ、出番は少ない。

今回、中古品(未使用とのことだが)でわりに有名な作家のぐい吞みが格安で売っていたので手に入れた。
常滑焼というらしい。萩で買ったのと同様、鮫肌でラフな造りだ。





今回買ったのは、さらに白色の上薬はくすんで見える。
一見、表向き、何十年も一度も洗ったことのないような小汚い状態に見える。







しかしぐい吞みはこうした、綺麗ではなく、形はくずれているけれど、自然の成り行きがもたらした造形美が感じられるところに魅力を感じる。
どんなに非の打ち所がないほど綺麗で、美しくても、つまらなく、表面的なものしか感じられないものもある。
やはり作品は使う人の心に深く入ってくるものが無いとだめなのだ。

器によって食べ物や飲み物がいっそうおいしさを引き立てるということを聞くことがあるが、ぐい吞みに関しては当たっていると思う(食べ物はどんな器でも構わないと思っているが)。

やはりこういう器を作った職人さんの魂が作品に込められているから、その目に見えないエネルギーが使う人に放出されて何らかの作用を及ぼしているのかもしれない。

このぐい吞みに合う日本酒はこれかな?

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