仕事のプロ精神はささいなことで識別できる

今日、メールではやり取りするものの、仕事で殆ど電話のかかってこなかった方から突然電話があった。
ある情報システム部門の部門長からであった。

私は、就職してから一貫して「管理会計」という業務を行ってきた。
工場勤務時代の２６年間は工場で生産される製品の原価計算、原価管理、事業本部の収支、業績管理などの仕事に明け暮れた。
朝から晩まで数字を扱う仕事である。

今日、その方から、５月で１０百万円ほどのデータ通信料が発生するが、実は予算は１２月で１５百万円計上しているのだという。
残り５万円は１２月に発生するのだという。
だから５月で予算に対し実績が過大に超過するけど、年間では予算通り消化するので、予算外での発生ではないということであった。

彼にはそれまでにもメールで、経費の使用実績について差異理由の回答を求めてきたが、回答期日を過ぎて回答することが殆どで、いつも回答が遅れると連絡してきた。
しかし送られてきた回答はとても詳しいものであることが常であった。

今回、電話による連絡、それも私の方から回答を求めたわけではないのに、彼の方から主体的に連絡してきたので非常に驚いた。
決して話上手とは言えないしゃべり方であったが、重要な情報をリアルタイムに口頭で伝達してくれたことに、驚きつつも、その話しぶりに強い誠実さを感じ取った。

彼とはだいぶ以前に、ささいなことで言い争ったことがあり、それ以来、彼に対していいイメージを持っていなかったが、今日の電話で彼の本当の生の姿を垣間見たように思えた。
仕事に誠実な人は、むしろささいなことに対して真剣に取り組むものである。
大きな仕事だって、ささいな仕事の積み重ねである。
「これ、やって何の役になるの｝、「こんなのやってられるか」といった仕事を浴びるほどやってきて初めて到達できるレベルのプロ意識を感じさせてもらった１日であった。