緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

チャイコフスキー作曲 ピアノのための組曲「四季」 Op. 37aより「舟歌」を聴く

2023-12-12 21:51:24 | ピアノ
チャイコフスキーのピアノ独奏曲は数が比較的多いのにあまり演奏される機会はないが、このピアノのための組曲「四季」 Op. 37aは録音もかなりある。
その中でも「舟歌」はシンプルで短いながらも非常に美しい曲だ。

チャイコフスキーは14歳で母をコレラで失い、結婚に失敗し、自殺未遂に追い込まれるほど精神的に追い詰められたという。
また壮年期から長い間うつ病を患っていたらしい。
彼の人生は幸福と不幸、華やかさと絶望という二極性に支配されていた。
作者自身が「この曲は、私のすべての作品の中で最高の出来栄えだ」と評価した交響曲第6番「悲愴」は彼がコレラで死去する9日前に初演が行われたが、そのときの聴衆の反応は好ましいものでなかったとされる。
私はこの「悲愴」を20代半ばの頃、あの古く暗い独身寮の中で何度も聴きまくるなかでうつ病から抜け出すきっかけを得た。
そして2年前、ラジオでたまたま聴いた森正指揮、NHK交響楽団の古いライブ演奏をきっかけに2、3か月で140枚ほどのCDやレコードを買って聴きまくった。

この交響曲第6番「悲愴」は、チャイコフスキーの人生の縮図、生き様そのものであろう。
これほど完成度の高く、精神的な深みに満ち、厳しさを求められるオーケストラ曲はないと思っている。


Tchaikovsky - The Seasons, Op. 37a - VI. June Barcarolle
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