緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

イエペス5回目の来日記念ラジオ放送録音を聴いた

2021-11-03 14:15:17 | ギター
先日記事にしたナルシソ・イエペス9回目来日公演でのインタビュー放送を見つけた時に合わせて検索で出てきたYoutube投稿動画で、イエペスが1972年に5回目の来日公演をはたした際に記念に録音されたと思われるラジオ放送での演奏を聴いてみた。
1972年といえばまだまだ家庭用のカセット・テープレコーダーが普及されていなかった時代だったはずだ。
このような貴重な録音を現在にいたって聴くことができるのは大変ありがたいことだ。
下記にリンクを貼り付けさせていただく。

No.5 ナルシソイエペス来日記念ラジオ放送録音


・ヴァイス作曲 幻想曲ホ短調
・ヴィラ・ロボス作曲 12の練習曲より、第1番、第8番、第9番、第11番、第12番
・タレガ作曲 アルハンブラ宮殿の想い出
・グラナドス作曲 スペイン舞曲より第5番、第4番

イエペスが10弦ギターによるヴィラ・ロボスの12の練習曲やスペイン舞曲第4番をドイツ・グラモフォンから出したのが1971年だから、丁度その直後での録音ということになる。
この5回目来日時のコンサートのプログラムにもこれらの曲が入っていたのではないか。

貴重なのはスペイン舞曲第5番。
6弦、10弦を通して録音で聴けるのはこの1972年での放送録音が初めてではないか。
イエペスがドイツ・グラモフォンにこの曲の10弦ギターでの編曲で録音したのが1989年だから、それまでずっと長い間封印(?)していた演奏なのかもしれない。
1989年の録音と比べてみると若干の違いがあるが基本的には殆ど同じで、ピアノの原曲を尊重しつつもイエペス独自の解釈が随所に取り入れられた演奏となっている。
(ただし長調での旋律のハーモニックスは使用していない)
この曲のギター演奏のなかでもトップクラスの演奏であることは間違いないであろう(私はジョン・ウィリアムススの若い頃の録音と共にこのイエペスの10弦の演奏が最も好きだ)。

1970年代の前半という時期はイエペスにとって最盛期だったに違いない。
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