緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

久しぶりの日本酒(12)

2019-11-01 22:36:18 | グルメ
明日からまた3連休だ。
日頃の寝不足から朝から晩まで。会社でも電車の中でも家にいるときも座っていると居眠りをすることが何度も。
そのせいで風邪をひきはじめたようで体が何となくだるい。

3連休の前の晩というと日本酒を飲むのが定番となってしまった。
今日飲んだのが、青森県の「作田」という日本酒。
今流行の甘ったるさはなく、端麗ですっきりとしていて、くせのないいい酒だ。



ここ数日、バッハの無伴奏ヴァイオリン曲の聴き比べをしている。
曲は、無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番イ短調、BWV1003。
2年ほど前に、バッハの無伴奏ヴァイオリン曲の聴き比べをかなりやった。
CDを随分買い込んで、集中的に多くの奏者の演奏を聴いてみたのだが、正直なところ、ヴァイオリンの音の違いを聴き分かるのがかなり難しく、その時はどれがベストの演奏なのか自信を持って選ぶことができなかった。

ヴァイオリンの音は自分にとって次元が高く感じる。
ピアノやギターの音はかなり容易に音の違いが識別できるけど。
聴き比べをしてから2年経ったが、今回BWV1003を聴いてみたら、前よりもだいぶ進歩したように感じた。
前回よりも奏者の音や演奏スタイルの違いが見えてきたような気がする。
恐らくではあるが、これはピアノやギターでもそうなのであるが、ある曲の演奏を聴き比べする時、演奏の良し悪し、好き嫌いを判断するために必要な基準、メルクマール、尺度といったものが自分の中に出来ていないと駄目で、2年前はその基準がまだ出来上がっていなかったが、今回はそれがかなり出来上がりつつあるからではないかと思うのである。

演奏の良し悪し、好き嫌いを判断する際に、自然に無意識的に心の中で形成されているのが、ある特定の演奏家の演奏である。
どんな曲でもその曲に感動したり、関心を持ったならば、その曲のいい演奏を聴きたいという欲望が生まれる。
音楽好きであれば、多少の出費や時間的な犠牲を払っても、「自分にとって」これ以上ないという演奏を探す。
そしてそのような演奏に巡り合って、その演奏を何度も聴き、心に刻みこまれた時、そこではじめて聴き比べの基準が出来上がるのではないかと思う。

今回のBWV1003の聴き比べの基準として自分の中に出来上がった演奏は、潮田益子氏の旧録音(1971年)だ。



第3楽章のアンダンテなどは冒頭を聴いた瞬間鳥はだがたってくるほどだ(いつもちょっと大げさに書いているとも言えないが、本当なんです)。
全然頭で弾いていない。音楽の流れが自然でかつ格調高い。そして何よりも音が力強く芯がある。

バッハの無伴奏の名盤は何かと、いろいろなお勧め盤を書いてある情報を見るが、あまりあてにしないほうがいい。
何故ならばそのお勧め盤はその人とっての好みや、価値観で選出されたものであり、それが自分に合致することはまず無いからだ。
この組曲の録音はヴァイオリンの巨匠を初め、実に多くの録音があるが、ネーバリューとか、多くの人がいいと言っているからということで、その演奏家の録音だけを聴くだけでは、もしその曲が本当に好きならば、その曲の価値に触れずに終わってしまうかもしれない。

だから自分は徹底的に聴き比べてしまう。
バッハの無伴奏ヴァイオリン曲はベートーベンのピアノソナタと同様、聴き比べの最高の教材だと思う。
いつになるか分からないが、なるべく近いうちにBWV1003の聴き比べの成果を記事に書きたい。
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