当社の会長はクマに似ている。
午後、クマのような巨体を丸めて机で何かを熟読している会長を捕まえて、各部から回ってきた稟議書にサインをしてほしいと頼んだ。
サインをしながら、鼻水を啜る会長。
きっとこのマスクの内側は、鼻腔から流れ出た鼻水で、日光の華厳の滝のような様相を呈しているのだろう、と思った。
彼の机の中には、いつもティッシュが入っていることを思い出した。
それを出して差し上げた。
「うぐぐ。ありがとうごじゃいます。…チーン(鼻をかむ音)」
と会長。
会長の秘書をしていた人事部長からの引き継ぎで「会長の側にはいつもポケットティッシュを常備しておくこと」というものがった。決算説明会の持ち物リストの中にもいつも「ティッシュ」が入っていた。急に彼がティッシュを所望しても対応できるようにとのことで。
「んなこと、ねーだろ。子供じゃないんだし」と思っていたが、良かった…。ありがとう、旧人事部長。
会社は不思議なところで、「んなこと、ねーだろ」と思うことが多々して起こる。
それらに迅速に対応できてこそ、仕事なのかもしれない。
今日は改めて、そんなことを思った。

午後、クマのような巨体を丸めて机で何かを熟読している会長を捕まえて、各部から回ってきた稟議書にサインをしてほしいと頼んだ。
サインをしながら、鼻水を啜る会長。
きっとこのマスクの内側は、鼻腔から流れ出た鼻水で、日光の華厳の滝のような様相を呈しているのだろう、と思った。
彼の机の中には、いつもティッシュが入っていることを思い出した。
それを出して差し上げた。
「うぐぐ。ありがとうごじゃいます。…チーン(鼻をかむ音)」
と会長。
会長の秘書をしていた人事部長からの引き継ぎで「会長の側にはいつもポケットティッシュを常備しておくこと」というものがった。決算説明会の持ち物リストの中にもいつも「ティッシュ」が入っていた。急に彼がティッシュを所望しても対応できるようにとのことで。
「んなこと、ねーだろ。子供じゃないんだし」と思っていたが、良かった…。ありがとう、旧人事部長。
会社は不思議なところで、「んなこと、ねーだろ」と思うことが多々して起こる。
それらに迅速に対応できてこそ、仕事なのかもしれない。
今日は改めて、そんなことを思った。

