2013年、最初に読了したのは「やってられない月曜日」(柴田よしき)
これは面白かった。
昨年読んだ柴田よしきさんの「桃色東京塔」も面白かったが、この作品も良かった。
【あらすじ】
私、高遠寧々、28歳。実はコネ入社だけど、いちおう大手出版社経理部勤務。彼氏なんていなくても、気の合う同僚もいるし、お気楽な一人暮らしを満喫中。でも、そんな平凡な日々にも、不倫、パワハラ、社内イジメなどなど、いろんな事件は潜んでて―。「やってられない」本音満載のワーキングガール・ストーリー。
こういうOLものって、大体、広報部や営業のバリキャリが主人公だったりするのだが、これは経理部の女性が主人公。
私は元々総務部で今は経営管理室の人間なので、最初から最後まで親近感を持って主人公寧々の日常を辿れた。
日々何気なく流れている日常の中にも様々なドラマは展開している。
その地味な着眼点が、嬉しい。そうそう、そうなのよ~っていう激しい共感。
寧々は仕事を淡々とこなし、尊敬できる上司や仲の良い同期に囲まれて日々生きている。
趣味はNゲージの模型作り。自ら開設したホームページで自作の模型を販売している。
彼氏いない、一人暮らし、…なんだか私に似ている!?
節約しようと自分に誓い、コンビニ通いを止めてスーパー通いにし、重いレジ袋を提げて帰るシーンなどという些細なところにも共感できたが、一番「おお!」と思ったのは以下の文章。領収書の処理の仕方で、以前寧々と喧嘩した営業部の小林が偶然秋葉原で寧々に会い一緒に帰るシーンでの言葉。
「ただの偶然なんだよね、すべて。高遠さんがうちの会社を選んだ動機と、俺のそれとは違うし、入社年度も違うし。その倒れた人と高遠さんが、毎日同じ電車に乗り合わせるのだって、ほんとうに、ただの偶然だ。だけど、その偶然がたくさん重なって、俺たち、知り合ったり、喧嘩したり、飲みに行ったり…好きになったり、憎んだり、するわけだ。もし何か、ほんの些細なことが違っていたら、決して出逢うことはなかったかも知れない者同士が、偶然っていう、なんか不思議なもののせいで出逢って、互いの人生を互いに変え合っていく。そう考えると、縁(えにし)、って、なんて神秘的なんだろう、と思う」
このことは私も常々考えている。
それを文章にしてくれたのがまず嬉しいのと、その内容に改めて深く共感。
吉熊上司が当社に入社した偶然。
私が当社に入り、店から本社に異動してきた偶然。
後輩女子が当社に入り、店から本社に異動してきた偶然。
その偶然が重なって、今の経営管理室は成り立っている。
もっと大きな視野で考えると、同僚や上司、同期も…みんな縁で結ばれている。
文章で読むとインパクトは大きい。
そして、その縁がかけがえのないものに思えてくる。
2013年。
今年も面白い本に出会えますように。
これは面白かった。
昨年読んだ柴田よしきさんの「桃色東京塔」も面白かったが、この作品も良かった。
【あらすじ】
私、高遠寧々、28歳。実はコネ入社だけど、いちおう大手出版社経理部勤務。彼氏なんていなくても、気の合う同僚もいるし、お気楽な一人暮らしを満喫中。でも、そんな平凡な日々にも、不倫、パワハラ、社内イジメなどなど、いろんな事件は潜んでて―。「やってられない」本音満載のワーキングガール・ストーリー。
こういうOLものって、大体、広報部や営業のバリキャリが主人公だったりするのだが、これは経理部の女性が主人公。
私は元々総務部で今は経営管理室の人間なので、最初から最後まで親近感を持って主人公寧々の日常を辿れた。
日々何気なく流れている日常の中にも様々なドラマは展開している。
その地味な着眼点が、嬉しい。そうそう、そうなのよ~っていう激しい共感。
寧々は仕事を淡々とこなし、尊敬できる上司や仲の良い同期に囲まれて日々生きている。
趣味はNゲージの模型作り。自ら開設したホームページで自作の模型を販売している。
彼氏いない、一人暮らし、…なんだか私に似ている!?
節約しようと自分に誓い、コンビニ通いを止めてスーパー通いにし、重いレジ袋を提げて帰るシーンなどという些細なところにも共感できたが、一番「おお!」と思ったのは以下の文章。領収書の処理の仕方で、以前寧々と喧嘩した営業部の小林が偶然秋葉原で寧々に会い一緒に帰るシーンでの言葉。
「ただの偶然なんだよね、すべて。高遠さんがうちの会社を選んだ動機と、俺のそれとは違うし、入社年度も違うし。その倒れた人と高遠さんが、毎日同じ電車に乗り合わせるのだって、ほんとうに、ただの偶然だ。だけど、その偶然がたくさん重なって、俺たち、知り合ったり、喧嘩したり、飲みに行ったり…好きになったり、憎んだり、するわけだ。もし何か、ほんの些細なことが違っていたら、決して出逢うことはなかったかも知れない者同士が、偶然っていう、なんか不思議なもののせいで出逢って、互いの人生を互いに変え合っていく。そう考えると、縁(えにし)、って、なんて神秘的なんだろう、と思う」
このことは私も常々考えている。
それを文章にしてくれたのがまず嬉しいのと、その内容に改めて深く共感。
吉熊上司が当社に入社した偶然。
私が当社に入り、店から本社に異動してきた偶然。
後輩女子が当社に入り、店から本社に異動してきた偶然。
その偶然が重なって、今の経営管理室は成り立っている。
もっと大きな視野で考えると、同僚や上司、同期も…みんな縁で結ばれている。
文章で読むとインパクトは大きい。
そして、その縁がかけがえのないものに思えてくる。
2013年。
今年も面白い本に出会えますように。