世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

ミドルエイジ・クライシス

2010年10月26日 21時44分16秒 | Weblog
後輩女子Cちゃんの情報によると、私の住む街の駅前で毎朝巨大なクマが佇んでいるらしい。
「何かの宣伝でしょうかね。とにかく赤くて大きくて可愛いんですよ~」だって。
私が利用する改札とは別の改札の前にいるらしいので、だからその存在を知らなかった。
そんな情報を知ったら、何が何でも見に行かねばなるまい。
そんなこんなで、今日はいつもより早めに起きた。
朝礼のための早めの出社ではブーブーと文句を言うくせに、クマの為ならば全く苦にならない。不思議。

出勤前、NHKのニュースを観る。
あるコーナーに釘付けになった。
「ミドルエイジ・クライシス」
http://www.nhk.or.jp/shutoken/project/mc2/index.html
「ミドルエイジ・クライシス」と銘打って、厳しい雇用情勢に置かれた今の30代の人々を取材したコーナーだ。先月も同じようなコーナーがあったが、今週からは非正規雇用の女性にスポットを当てた内容が放送されている。
ミドルエイジ=中年、クライシス=危機。
今朝の内容は、神奈川県に住む34歳の独身女性の現状。1996年に社会に出るも、世間は就職氷河期。非正規雇用でしか雇ってもらえなかった。資格も取得したが、採用には至らず。女性は一日の食費を500円にして貯金を切り崩して生活している。付き合っている彼氏はいるが、彼も朝から晩まで働いて手取り20万円。今の状態では彼にも迷惑をかけてしまうので結婚の話は切り出せない。年齢的に出産のことも頭をチラつく。
そんな彼女が派遣先で認識した自分の中の「黒い自分」。
派遣先の正社員が3人目の出産で産休を取得するとき。
口では「おめでとう」と言いながら、内心では「ずるい。退職して育児に専念したら?あなたが頑として譲らないその正社員の席、空けてくれないかな」と思っていた。
うん、たしかに黒いぞ。ブラックだ。
「そんなこと思う自分がむなしいとは分かってるのですが」という彼女の声が物悲しげで朝から、私まで暗澹たる気持ちになってしまった。

だいたい、この番組のサブタイトル『結婚も出産も手が届かない~非正規雇用30代女性~』ってあるが、それって自分には該当要素が皆無ではないか。「手が届かない」じゃなくて、「したくない」だし。「女性は皆結婚したがっていて婚活に勤しんでいる」という番組制作側の色眼鏡を感じてしまうのは、私が奇異だから???

まあ、とにかく。
駅前に急ぐ。
クマに会いに。

いたいた!
クマ、大きすぎ。そして真っ赤じゃないか。


「吉熊上司3人分はありますよ」と言っていたCちゃんの言葉は本当だった。
両隣にはまるで日光月光菩薩のように、世話係みたいな人がいる。
通勤で急ぐ人はクマに見向きもせず、駅に吸い込まれていく。
思わず近寄り、激写。
世話係の人に依頼して、クマとの2ショットが実現!
嗚呼、夢のよう~。
クマはモフモフしていてとても可愛かった。

どうやら世話係の人はティッシュを配布している人らしい。
ティッシュを1ついただいた。
居酒屋チェーンつぼ八の宣伝だった。
クマの名前はつぼ八のキャラクター「つぼっち」とのこと。

朝から気分が沈んだり浮いたりで忙しかった。
「ミドルエイジ・クライシス」というか、通勤途中にクマと記念撮影をする私、・・・もしかして「自分・クライシス」?