世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

棚から牡丹餅

2010年10月20日 23時40分47秒 | Weblog
退社後、会社の最寄り駅まで歩いていく途中、父・クマパパからメールが来た。
「仕事で上京しているので一緒に飲まないか?」とのこと。
はい!喜んで~!

私の家の最寄り駅で待ち合わせした。クマパパはすでに出来上がっていて、酔っぱらい度数レベル3だった(5段階中)。
駅の改札を出たところでクマのように佇む父発見。
目星をつけておいた店へGO!
二人で歩いていると援助交際に見えなくもない。
今日はしっとりと和食で。
蛤!


河豚の刺身!


私が毎日ろくなものを食べていないと思い込んでいるクマパパは奮発してくれた。
ごっつぁんです。
「どうせ毎日インスタント食品ばっかりなんでしょ?」
だって。
よく知ってるな。エスパーか?!

クマパパは東京出張のとき、神保町に寄ってマニアックな古本を買う。地元のBOOK・OFFで買えばいいじゃんと思うのだが、売ってないとのこと。かと言ってネットで書籍を購入することは彼にとって異次元の話。今日は神保町には寄らなかったらしい。珍しい。
彼の唯一の趣味は読書だ。ゴルフもギャンブルもやらない。その趣味さえも彼の妻(私の母)に全く理解されず、嘆いていた。大きな体をしょんぼりさせて嘆く様はちょっとばっかし滑稽である。
今読んでいる本は?と訊かれたので池上彰の「伝える力」を挙げた。貸して差しあげたかったのだがあと少しばっかり頁が残っているのでまた次回の帰省のときに渡そう。

酔っ払いながらも、
「他に食べたいものは?大丈夫?」
と私の腹具合まで心配するクマパパ。やはり父なんだと実感。

クマパパは酔っ払うと独壇場状態に陥る。話が小惑星探査機はやぶさになったので「キタ!」と思い、はやぶさの偉業について熱弁を振るったのだが、いまいち伝わらなかった。

母ヨーコたんの編み物の才能の凄さを語るクマパパ。
「吉熊のセーターも小一時間で編み上げるんだから。凄いよね」
だって。
いつも吉熊の存在をスルーするクマパパが「吉熊」と発言した!
これはCNNで放送されるべきビッグニュースである。

クマパパ3杯、私2杯の酒を飲んだところで終了。
今日は週のど真ん中。
互いに明日は仕事だ。このちょっとの塩梅がいいんである。

22時前の電車で帰る父を駅まで送る。
秋になりかけのひんやりとした空気が、酔った親子の頬を掠める。

「じゃあね」
「ごちそうさま」
と言って別れた。

美味しいもの、美味しい酒、父のお陰で棚から牡丹餅な夜を過ごせた。

…って、これだけでは済まない。
酔っ払って寝てしまい、終点宇都宮駅まで行かないように、電車が雀宮駅に到着する頃合いを見計らって父に連絡するというミッションが残っている。
もう帰宅したらしい。
安心。

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