世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

聖母

2010年02月15日 22時34分30秒 | Weblog
昼休み、会議室から社長、副社長、●●●ィ~(部長)をはじめとする役員さんたちが出てきた。たまにヒートアップすると昼休みまで伸びる月曜恒例の会議が終了したらしい。

昼休みを中断し、社長、副社長、●●●ィ~に書類を渡した。
けっこうな量だったので、「お机に置いておきましょうか?」という言葉を添えて。

朝、コピー機をジャックしてプリントアウトした書類である。

彼らの反応は、皆一様に、
「え、…たくさんありますねえ。ああ、いいですよ。受け取りますよ…」
と嫌そうなものだった。

「すいません~」と愛想笑いをしながら、ココロん中では「なんだい、なんだい、ちぇっ~」と拗ねてしまっていた。

一連の様子を歯磨きから帰ってきた吉熊上司に報告。

「やらないで怒られるよりも、やって嫌な顔をされた方が良いんですよね?」
と確認した。

「そうだよ~」
吉熊上司は笑いながらも確かな声でそう言った。

よく考えたらこのような事象は序の口で、
「こんな書類いらないよ~」
と悪態を吐かれたり、そうかと思えば、
「あの書類、もらったっけ?」
と疑われることもある。

役員さんたちの我が儘に耐えるのも仕事のうちだと割り切り、いつも気を利かせて包み込む、…そう、なんだったら役員たちの聖母になるぐらいの勢いで取り組もうと今までやってきた。
でも、今日は不覚にもその志を忘れていた。

明日は今日より強い自分になっていますように。

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32歳の雛人形

2010年02月15日 22時33分44秒 | Weblog
実家で、10年ぶりに雛人形を出したらしい。

七段飾りの雛人形。
飾られたのは男女のペアの人々だけ。
五人囃子や三人官女、わけのわからないその他大勢の人は今年も日の目を見ず。

2月生まれの私のために、急遽、母方の祖父母が買ってくれた雛人形だ。
私と同じ32歳。

幼い頃、あの赤い雛壇を登りたかった。階段みたいになっているあれを登り、人形たちをこの手で触りたいという願望を抱いていた。

寒さが緩む頃、綺麗な衣装を着た人形たちに会えるのを楽しみにしていた。

「うれしいひなまつり」の歌って、単調な雰囲気で終わるので、幼稚園生の時、あまり歌いたがらなかった。

手繰り寄せれば色々と出てくる雛祭りの記憶。

これから先、私はたぶん、雛人形には縁遠い人生を歩むのだと思う。
実家にいるあの雛人形たちの将来を思うと罪悪感にも似た切なさが胸に押し寄せてくる。

32歳の雛人形は、こんな私をどう思っているのだろうか。
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