「寒いかな?」
夕方、外に出る前にぐっと身構えるが、春めいた外気に若干肩透かしを食らう。
社長宅に用事があり、その帰りにふと空を仰ぐと宵の明星がキラキラと輝いていた。
金星-ローマ神話での金星・ヴィーナスは、美を司る女神。
中学時代の担任の先生が言っていた。
惑星記号は「♀」とも言っていた。
…まんま「女」じゃん。
金星といえば。
小学生時代にりぼんという少女雑誌があった。
その付録にちょっとしたカードがあり、新月の夜に呪文を唱えながらそのカードを胸に当てれば好きな異性と両想いになれるという画期的なものだった。
たしか、呪文は
「ファテールウール二人を結びたまえ」
であった気がする。
なんだかエロイムエッサイムばりの怪しげな呪文である。
覚えているのは、そう遠くない過去にまでその呪文を唱えていたからである。
そう、私は大人になってからもりぼんの付録に記載されていたことを頑なに信仰していたんである。
あんなものにウツツを抜かしていた自分の過去を抹消したい。
…エロイムエッサイム…。
夕方、外に出る前にぐっと身構えるが、春めいた外気に若干肩透かしを食らう。
社長宅に用事があり、その帰りにふと空を仰ぐと宵の明星がキラキラと輝いていた。
金星-ローマ神話での金星・ヴィーナスは、美を司る女神。
中学時代の担任の先生が言っていた。
惑星記号は「♀」とも言っていた。
…まんま「女」じゃん。
金星といえば。
小学生時代にりぼんという少女雑誌があった。
その付録にちょっとしたカードがあり、新月の夜に呪文を唱えながらそのカードを胸に当てれば好きな異性と両想いになれるという画期的なものだった。
たしか、呪文は
「ファテールウール二人を結びたまえ」
であった気がする。
なんだかエロイムエッサイムばりの怪しげな呪文である。
覚えているのは、そう遠くない過去にまでその呪文を唱えていたからである。
そう、私は大人になってからもりぼんの付録に記載されていたことを頑なに信仰していたんである。
あんなものにウツツを抜かしていた自分の過去を抹消したい。
…エロイムエッサイム…。