世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

ランドセルを背負っていた頃

2009年02月02日 22時40分07秒 | Weblog
中山式のキョウセイベルトを身に付けて出勤した。
つい猫背になりがちな仕事中も、肩を後ろに引いてもらっている感じがする。しかも肩こりが軽減された。おそるべし。中山式。
猫背になろうものならば、両肩にベルトが食い込み、少し痛い。

装着中は、常になんだか懐かしい気分に陥る。
そうだ。
これはランドセルを背負った感触に似ている!

ランドセルといえば、先日デパートにて販売されているのを目撃した。
今のランドセルの色ってカラフルでびっくりした。
黄色に青、緑や紫。
色とりどりである。
私が小学生のときは、男子は黒、女子は赤という暗黙の何かが存在していた。

歌手の華原朋美こと朋ちゃんは、赤のランドセルを背負いたかったのに、私立小学校に通学したために学校指定の黒のランドセルを背負っていたらしい。
私の育った地域では私立小学校など皆無に等しかった。
私立小学校の存在を知ったのは小学5年生のときだ。
担任の先生が私立中学校の入試問題を出し、できないと下校できなかったんである。
そのとき先生は言った。
「お前らがぼっけ~と毎日を生きている間にも、東京の小学生はこんな問題を解いているんだぞ?え?いいのか!?」

…随分熱心な先生だといまだに思う。
あの先生にお世話になったのは1年間だったが、私の人生形成に彼は大きな影響を及ぼした。

一番怖かったのはノアの箱船の話。
彼の話によるとオゾン層が破壊され、地球はそのうち滅亡するとのこと。
地球滅亡の日、各種の生物で最も優秀な雌と雄のツガイだけがノアの方舟に乗ることができる、そして助かるというものであった。

私、駄目じゃん…。
このクラスのランキングでも中の下って感じなのに…。

暗い表情をしている児童を前に、彼は続けて言った。
教室の中心で叫んだんである。

「お前ら、エリートにならなければ、死ぬしかないんだぞ?死ぬ気でやれッ」

下校しながら、私はノアの方舟を思いだし、悲嘆にくれた。
あのとき背負っていたランドセルの脇の部分がほんのりと湿るほどに、地球の今後や己の今後について深く考えたんである。


キョウセイベルトを身に付けて、こうやって小学校時代を振り返る人って私だけではないだろうか。

感慨に耽りながら、つい猫背になる私の肩に、ほらまたベルトが食い込んでいく…。
コメント (2)