昨夜、NHKで「サウンドオブミュージック」の次女についてのドキュメントが放送されていた。
サウンドオブミュージック…。
ああ。
あれは小学二年生の学芸会だった。
我々の学年は180人ぐらいいる巨大学年であった。
なので生徒が劇と歌に分かれて練習をし、披露したんである。
劇は当然台詞を覚えられるエリートちっくな子が選出される。
…私は当然漏れていたわけであるが。
3学年下の妹は優等生であったため、1年生から4年生までずっと主役。
母親にとって、学芸会とは、妹を見学する会になった。
そりゃそうだ。
私だって、棒にも箸にも引っかからない子供よりも、自慢になるような子供の方に注目するだろう。
私は妹に対し、妬みなどを抱かなかった。
そんなものだと思っていたし、自分の妹が舞台で長ったらしい台詞を吐いているのをどこか不思議な思いで見ていた。
小学二年生の学芸会、劇組はサウンドオブミュージックを。
自分が属していた歌組は…何を歌ったかすら忘れた。
優等生で構成されるサウンドオブミュージックの練習は、とても厳しかった。
放課後の教室。
ハンドベルで「エーデルワイス」を奏でる優等生たちが、教師から発せられる罵声と暴力の中で練習するのを見て、自分があっち側の人間でなくて良かったと思った。
それは、厳しい練習に伴う努力をせずに済む自分を安堵すると共に、自分がどうあがいてもなれない人種への羨望や嫉妬の芽生えだったのかもしれない。
諦め続きの人生であったが、その都度訪れる切欠によって自分を奮い起たせることも数回あった。
私が今やっていることもその一環だ。
日々が、学芸会リベンジなのである。
あの日、浴びられなかったスポットライトみたいなものを、今も私は渇望している。
きっと、
私は、
ずっとずっと、
…母が私を見て、そして喜んでくれる顔を見たかったのだ。
サウンドオブミュージック…。
ああ。
あれは小学二年生の学芸会だった。
我々の学年は180人ぐらいいる巨大学年であった。
なので生徒が劇と歌に分かれて練習をし、披露したんである。
劇は当然台詞を覚えられるエリートちっくな子が選出される。
…私は当然漏れていたわけであるが。
3学年下の妹は優等生であったため、1年生から4年生までずっと主役。
母親にとって、学芸会とは、妹を見学する会になった。
そりゃそうだ。
私だって、棒にも箸にも引っかからない子供よりも、自慢になるような子供の方に注目するだろう。
私は妹に対し、妬みなどを抱かなかった。
そんなものだと思っていたし、自分の妹が舞台で長ったらしい台詞を吐いているのをどこか不思議な思いで見ていた。
小学二年生の学芸会、劇組はサウンドオブミュージックを。
自分が属していた歌組は…何を歌ったかすら忘れた。
優等生で構成されるサウンドオブミュージックの練習は、とても厳しかった。
放課後の教室。
ハンドベルで「エーデルワイス」を奏でる優等生たちが、教師から発せられる罵声と暴力の中で練習するのを見て、自分があっち側の人間でなくて良かったと思った。
それは、厳しい練習に伴う努力をせずに済む自分を安堵すると共に、自分がどうあがいてもなれない人種への羨望や嫉妬の芽生えだったのかもしれない。
諦め続きの人生であったが、その都度訪れる切欠によって自分を奮い起たせることも数回あった。
私が今やっていることもその一環だ。
日々が、学芸会リベンジなのである。
あの日、浴びられなかったスポットライトみたいなものを、今も私は渇望している。
きっと、
私は、
ずっとずっと、
…母が私を見て、そして喜んでくれる顔を見たかったのだ。