晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

パトリシア・コーンウェル 『サザンクロス』

2012-03-06 | 海外作家 ハ
コーンウェルの「検屍官」シリーズとは別の、警察小説
「スズメバチの巣」の続編にあたる『サザンクロス』は、
シャーロット市の警察署長ハマー、署長補佐のウェスト
(ともに女性)、そして前作では警察担当記者で、警察の
イメージアップのために捜査の同行をさせてもらっていた
ブラジルが、記者を辞めて警官になり、ウェストと恋仲に
なって、この3人がシャーロットからリッチモンドに転勤、
というところから話がはじまります。

殺人の発生率は全米2位、その他にも強盗、車上荒らし、
暴行、レイプなど治安の悪さに「定評」のあるリッチモンド
市に、新しい捜査用のコンピュータシステムが導入されます。
新署長のハマーはこのデータ化を推進しようとしますが、あま
り歓迎はされない様子。

あげく、就任してそうそう、「大人の犯罪を犯す子供はもはや
子供ではない・・・」というコメントが関係各方面から反感。

そんな中、ハマーの無線に、犯罪の計画を匂わす会話が混線で
入ってきます。この地にいまだ根強くはびこる人種差別が絡ん
でいるようで、放っておけません。

そして話は変わって、スモークと名乗る不良が、ウィードという
少年を仲間に入れようと脅します。

ウェストとブラジルですが、ブラジルが住んでいるアパートの
家主の女性と恋仲になっているとウェストは怒り、ブラジルと
距離を取ることに。

さらに厄介なことに、市内の犯罪発生システムにバグが発生、
魚のマークがあらわれます。これは「フィッシュ」とか何とか
の犯罪の隠語なのか。

たびたび登場する、ババというタバコ工場に勤める男は、基本的
に犯罪者などではありませんが、途中まで、このババの物語が本筋
とどのように絡んでくるのかよく分かりません。
最終的にスモーク、ウィードの少年ギャング、システムの魚のバグ、
ババの話はつながりますが、けっこう飛び飛びで話が変わり、読んで
いて多少のもどかしさがあります。
話が変わるときの「ジョイント部分」といいましょうか、その描写は
面白いなあ、と思いましたが。

リッチモンドといえば、ケイやマリーノは出てくるの?と期待しました
が、ケイがほんのちょっとだけ登場します。

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