やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

「小さな旅」、を楽しむ

2006-04-05 | 雑記


早めに仕事が終はった夕方、NHKTVの「小さな旅」の再放送を見ることが出来ます。

印象的なテーマ音楽(アレンジが素敵、です)に載って画面が始まるのですが、以前から、その穏やかな語り口と、視線の低さが好きでした。

かなりの長寿番組(今も、放送してゐたのかしらん?)でしたが、当然、制作スタッフはかなり交代したはずですが、ほとんどブレのないその視点が好きでした。

小津安二郎の映画ではありませんが、徹頭徹尾、小さな街の、小さなテーマで話を進め、妙な結論はせず、でも見終はって俯瞰すると、人が生きてゆくことの辛さや楽しさや、この国の本質的な貧しさが見えてきます。
(小津安二郎の映画は、そんな大げさな事は一切拒否してゐましたがー)


ひるがへって、最近のTVの有様を見てゐると、当初アクセンシビリティのもとに始まった手法が、今は、ただ、漫画的になって(漫画の善し悪しは別にして)、ピンホールカメラのやうに、じっと見続けることで見えてくるものが少なくなったやうに、
小生のやうなオジサンは考へてしまひます。


小生が私淑した先輩が、以前から、さかんにマチュリティ(成熟具合)の大切さを訴へてをられました。
そろそろこの国も、だうせ下り坂になってゐるのであれば、美味いチーズのやうな国になって欲しいものだ、と、戯言しきりー。