やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

異変2

2012-02-29 | やまがた抄


10日ほど前でした。
朝起きて、新聞を読みながら、チ~ン!となったトースターに手を掛けやうとした時に、下腹部に今までに覚えのない違和感のある痛みを感じ、そのまま再びベッドへ戻った。
けれど、痛みはひどくなるばかりで、家人に救急車を頼み、ストレッチャー上の人となる。

救急患者として運ばれ、外科と泌尿器科に回され、CTやらレントゲンやらをすませると、”尿管結石のやうですねー”と話す医師の声が激痛の中から聞こへる。
(なんと、家人は、その時、医師の説明をボ~と聞いてゐた、といふ。若い医師が、とても、イケメンだったからだ、といふ!!)

”○○さ~ん、痛いですかあ~?
 尿管が痙攣してゐるハズだから、痛いでせう~!?”⇔だから、痛いちゅうーの!
”はっきりと云ってをきますが、命に関はることはないですからね~!”⇔でも、痛いちゅうーの!

点滴を2本、痛み止め注射を3本射ち、若い女性の看護師さんに尻を見られて(!)座薬を入れられ、やっと痛みが治まったのは昼前ー。
(あとで調べたら、あの痛みは、生死に別状のない痛みとしては、最右翼のものなのださうです。)

やっと落ち着き、車椅子のまま家人とレントゲンの写真を見せられ、でも、”まだ、小さな石が残ってゐる”ので、しばらく薬治療と通院を云はれる。


現場で足場から落ち、眉間を切ったり、ドリルで鉄板に穴を開けてゐる時に刃先が滑って太ももにドリルの羽をねじこんだり…、といった外部の怪我で病院へ行ったことはあるものの、内臓で病院へ行ったのは初めてのことで、そしてしばらく通院を余儀なくされることになり、会計を済ませた家人に、”お金は貯まらないけれど、石はたまってゐたのね!”と云はれ、しばらく、食生活もふくめて、おとなしい生活をすることになります。

それにしても、生まれて初めて乗ったストレッチャーから見た我が家の庭の景色や、病院までの景色が妙に目に焼きついてゐます。
また、救護隊員の方が”今、家を出ました。……。現在、○○の交差点です””今、病院の敷地に入りましたよ。入り口まであと少しですよ”等々、逐一話され、激痛にもがく小生は、随分と安心し、感謝をいたしました。



ハイティンク、といふ生き方ー

2012-02-27 | 音楽を
ハイティンク リヒャルト・シュトラウス:アルプス交響曲 1/2


コンセルトヘボウ管弦楽団のよい演奏はないかしらん、と探してゐたら、驚喜! ハイティンクの数ヶ月前のライブの模様がありました。

勿論、コンセルトヘボウでの(何と堂々として、何と美しいホールか!)演奏です。
演目は、R・シュトラウスの”アルプス・シンフォニー”。

解説を読んで、なるほど、ハイティンクはすでに80歳を越えてゐたことに驚く。
指揮姿を見てゐて、でも、もしかしたら、今が一番素晴らしい顔になってゐることに感動する。

ベルナルト・ハイティンクといふ指揮者は昔から好きで、1974年、初めてハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の組み合はせで来日した時の演奏の模様のテープがまだ棚に存在してゐて、マーラーの4番だったと思ひます。

”アムステルダムの宝”と敬はれてゐるこのオーケストラの慣例として、オランダ出身の指揮者を常任にする過程で、当時、ハイティンクは30数歳の異例の若さで名門オーケストラの指揮者になりましたが(ただ、余りにも若いので、オイゲン・ヨッフムが後見人といふ体制でしたがー)、余りにも荷は重かったのでせう。

マーラーやブルックナーの全集を作ったりもしましたが、さほどパッとせず、彼の力量が現れはじめたのは、80年前後からだったでせうか。
つまり、60歳前後といふことですかー。

でも、小生の棚には彼のパッとしないころのCDも結構ありまして、チャイコフスキーの5番や、シューベルトの9番(今は、8番ですかー)などは、ケレン身のない演奏で、今もってとても好きです。

今から数ヶ月前だといふ演奏を見てゐると、昔から本当に無骨な指揮ですが、まうすでに子供や孫の世代が多い、一度は離れたかつてのマイ・オーケストラをまるでいつくしむやうに、そして、楽員は畏敬の念をもって演奏してゐる、本当に素敵な姿が見られます。

派手ではないけれど、無骨だけれど、ハイティンクここにあり、といふ存在感を、50年近くの歳月をかけて、ゆっくりと築き上げてきた彼の職人姿に感激します。




異変1

2012-02-25 | 大岡山界隈


家人がTSUTAYAさんのDVDを5、6枚持ってきて、”これ、コピーして!”といふ。
”永久保存版にするから!”といふ。

娘のひと言で見はじめた『逆転の女王』といふ、韓国のドラマにすっかりはまり、小生は”えっ? 今さら、韓流ブーム?”といふが、”いや、あれとは、全然違ふ!”と、妙な論理を展開してゐた。

なんでも、男優の顔を見ると、胸がトキメイテしまふ、といふ!!

小生には、さっぱりとわからない世界で、韓国の映画では『シュリ』の、北朝鮮の女性テロリストの絶望的な戦ひに涙することはあったけれど、韓国ドラマのよさはさっぱりとわからないが、けれどしかし、次々とコピーの依頼がくる!



少し、窓を開けて…

2012-02-24 | やまがた抄


車の温度計は5度を表示してゐました。
小生のオンボロ車の温度計は、必ずマイナス2度を示すので、さするところ、7度でせうか。

明らかに、春の空の色に変はり、春一番のやうな、気持ちが浮き立つやうな気温になりました。

まあ、もちろん、このまま暖かくなるとは思ひませんが、大雪だったこの冬も、そろそろ、晩冬の時節なのでせう。

車の窓を、すこし、開けました。
寒さではなく、暖かさが入って来ました。


今さら、ですが…

2012-02-21 | 本や言葉


先日、NHKにて、木村伊兵衛が1950年代に、コダック(倒産してしまった…!)の依頼を受けて、初めてカラー・フィルムでパリの街を撮った話を特集してゐて、その写真のすごさに驚嘆しました。

今さら、巨匠の木村伊兵衛に驚くのも恥ずかしい話ですが、図書館で一冊借りてきて改めて見ました。

驚き以外のなにものでもありませんでした!
なんといふさりげなさで、なんといふ視線の確かさなのだらう!!

メイプルソープの、1ミリでも動くと構図のバランスが崩れてしまふやうな写真や、土門 拳の、鬼のやうな入れ込みの写真も好きですが(さういへば、しばらく酒田の土門拳美術館へ行ってゐないなあー、春になったら、行かうかしらんー)、木村の、ブレなんてまるで気にしない、でも、そこに写し出された人物の、人生を朗々と語るやうなショットの見事さは、驚異的です。

改めて、たくさん見てみるつもりです。

Requiem - Mozart by Gardiner

2012-02-17 | 音楽を

先日、モーツァルトのレクヰエム(だけ)に関する本を読んでゐて、この、奇跡的に後世に残った名曲の成り立ちに感心してゐました(その奇跡具合は、地球が、金星と火星との中間に位置できたことで、奇跡の惑星になったことのやうでもあります)。

映画『アマデウス』でのシーンのやうに、モーツァルト自身が自ら作曲出来たのは50分ほどのこの曲の冒頭の5分ほどで、彼の死後、そのあとは、色々な人間が手を加はへ、補足し、なんとか完成させて作曲の依頼者の伯爵に無事渡される。(それは、なるほど、曲を聴いてゆくとわかりますが、曲が進むにつれて緊迫感が薄れてゆき、決してモーツァルトはこんな書き方はしない、といふところまで出てきます)

なぜか? 妻コンスタンツェが作曲料の残金を欲しかったからですが、それもやむを得ないことだったでせう。それゆゑ、ひたすら金が欲しかった彼女の執念で、この名曲は奇跡的に生き残ったともいへのでせう。

以前、コンスタンツェと二人の息子達のその後を調べたことがありますが、彼女は、必死になって生き抜き、二人の息子を育て、弟のクサヴァーは親の七光りほど光は出ず、兄のカールは自らの音楽才能にさっさと見切りをつけ、ミラノのいち役人として静かな生涯を閉じてゐます。

とまれ、そんなモーツァルトのレクヰエムですが、意外にこれはといふ演奏に出会へない。
妙に深刻ぶって重たいだけだったり、ソリストが勘違ひして朗々と歌ってしまったり、例へばカラヤン/ヴィーン・フィル盤のやうに旋律を驚異的な美しさで表現して、でも聞き終ったら何も残らないものだったりー。

そんななかで、素晴らしい演奏に出会ひました。
ガーディナー/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ&モンティヴェルディ合唱団のライブの模様です。

Requiem - Mozart by Gardiner


ガーディナーが盛んに各地を公演してゐたころのものらしいですが、一種、手垢にまみれたモーツァルトのレクヰエムを、いま生まれたばかりのやうに新鮮に演奏してゐます。

フォン・オッターとバーバラ・ボニーといふソリストも嬉しい。
それにしても、バーバラ・ボニーの声はなんと清冽な声なのだらう!
合唱団も素晴らしく、声の濁りが微塵もなく、まるで浮遊するやうなガーディナーの解釈を見事に表現してゐる。

ガーディナーの『マタイ受難曲』も独特の名演でしたが、しばらく、彼の演奏にはまってしまひさうな快演でした。

雪も、止んで…

2012-02-14 | やまがた抄


連日の猛雪が止んで、穏やかに日差しがさして、でも道路はスケートリンク状態で、積み重なった雪は岩のやうに硬くなって、でも朝日の照らす雪の海原を眺めると、あとすこしの辛抱かしらん(週の後半は大雪予報でしたがー)、と思ふ。

そろそろ、桜の予定をたてなければー、と気早に思ふ。
ことしは、昨年知人達に拒否された(放射能を気にしてー)、福島の老木を見に行きたいものです。

好きな、名シーン

2012-02-10 | 映画雑感
アルバン・ベルクの歌劇「ルル」なんてものは、動画にないものかしらん? と思って探してゐたら、幸いかな、結構これがUPされてゐて、前衛的な演出ですが、同じく歌劇「ヴォツェック」もあったりして、思はず4時間近くのDVDに落としました。

探してゐる途中で、ヴィスコンティ関連のところに迷ひ込んで、名作『ベニスに死す』の、そのなかでも小生が一番好きなシーンが短くUPされてゐました。(全編もUPされてゐて、驚いたのですが…)

Mahler inspired scene - Death In Venice / Mort 醇A Venise/ Tod in Venedig / Morte a Venezia


マーラーを模した主人公が、一度ベニスを離れるのですが、不慮の事情でふたたび戻ることになり、ホテルの窓から、海辺を歩く美少年タッジオに陰から”帰ってきたよー”とばかりに手をふるシーンから、マーラーの5番のアダッジォが流れ、暗くやるせない、まるで腐敗の海へ沈んでゆくやうなこの物語りで唯一明るく光りにあふれたやうな、若きマーラーと妻アルマと長女マリアとの幸福なシーンがワンカット入ります。このあと、再び、その長女の死の場面が短くはいるのですが、実際にもかくありなんと思ふやうな、美しいシーン、です。


雨…?

2012-02-07 | やまがた抄


外出禁止だった孫が(結局、娘はインフルエンザを蔓延させ、実家にも飛び火したらしい…)、久しぶりに来て、雨でグズグズになった庭の雪掃きの手伝ひをし、途中で飽きて、雪だるまらしきものを作ってゐた。

妙に生暖かい雨の日で、また、明日から雪だといふ。
まったく、自然に手向かひできずに、しもべのやうに雪を片付けてゐる。

大雪、です…

2012-02-05 | やまがた抄
山形市でも、まれにみる大雪で、ニュースでも報じてゐましたが、1メートルを越へる積雪となり、雪かきに翻弄され、普段は”いい運動だ!”などと軽口がでるのですが、連日の仕事先と自宅の雪かきに、疲労困憊、です…。

☆山形市の旧県庁の時計台も



☆よく行くパン屋さんも



すっかり、雪まみれ、です。


そんななか、先日は、節分でしたが、インフルエンザに罹った娘から除雪のヘルプがあり、すっかり埋もれた駐車場を除雪したら、恵方巻きのお礼がありました。
この、東日本地方には無縁だった、すっかりコンビニの戦略にかかった新しい風習は、でも小生はさほど馴染めず、ブツブツと切って、そして、ワイワイガヤガヤとご馳走になりました。




休日の今日も、朝の7時から昼まで雪かき!
あまりに多いので、屋根にまで上がって雪落とし。
裏につくったミニ・ゲレンデはすっかり埋もれ、”元気ですか~!?”とばかりに晴れ上がった空を恨めしく思って、でも、しょせん自然には敵はない、と黙々と雪を投げる。