やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

こころに刺さる

2016-03-29 | 雑記
第十八回土佐絵金歌舞伎「伽羅先代萩~御殿の場~」その三(最終)


先日、NHKにて、『伽羅先代萩』が放映されてゐた。

歌舞伎としてのそれは知ってゐましたが、小生、仙台といふ街は好きではなく、また、仙台藩といふのも好きではなく、そのせゐか、いはゆる伊達騒動をモデルにしたこの演目は今までに実演やヴィデオで見ることもありませんでした。

ところが、先日のNHKでは、女形の最大の難役ともいはれる政岡を玉三郎が演じてゐたといふので見始めましたが、思はずその緊迫したシーンに見入ってしまひました。

わが子を目の前で殺され、けれどその場は黙としてひたすら跡継ぎの幼児を守り、けれど首謀者たちが去ったあとにその悲嘆にくれる姿は、この演目のメイン・シーンですが、流石に玉三郎は見事な演技です。

加へて、その政岡の心情や情景を、まるでこころえぐるやうに語る竹本の見事な演者の声に、聞きほれてしまひました。

個人的には、何かで見た黙阿弥作の『天衣紛上野初花』のいちシーン、「雪暮夜入谷畦道」での小悪党・直次郎と遊女・三千歳との別れの場面、その甘味なまでに美しい玉三郎の姿が鮮烈でしたが、政岡役でもその嘆き悲しむ姿はこころに突き刺さります。


その名演には及びませんが、土佐絵金歌舞伎で模様がYoutubeで流れてゐました ↑ 。


『浄瑠璃坂の仇討ち』

2016-03-22 | 本や言葉


先日、本だったかネットの文章だったかで、江戸時代に上山藩のはずれで武士の果し合ひがあった、やうな記事を見にした。
”浄瑠璃坂の仇討ち”といはれてゐる事件の一角だった、やうに書かれてゐた。

さういへば、高橋義夫先生の作品に『浄瑠璃坂の仇討ち』といふのがあったのを思ひだし、早速に読んでみました。
不覚にも初めて読んだのですが、僭越ながら、とても面白かった。

鍵屋の辻の決闘赤穂浪士の話とともに、”江戸の三大敵討ち”のひとつといはれてゐるとのことで、鍵屋の辻の話はとてもドラマティックで見知ってゐましたし、赤穂浪士の話は要はひとりの老人を47人でなぶり殺ししたやうでとても嫌ひな話で、この浄瑠璃坂の話は親戚同士の仇討ちなので一寸地味系ですが、なるほど、赤穂浪士たちがモデルにしたといふ潜伏方法や決起の時の衣裳等の話がとても面白かった。

新聞の連載だったとのことですが、500ページ近いヴォリュームをひと息に読みました。

正月の新年会でお会ひしたときに、先生は現在『最上義光』を新聞で連載されてゐるのですが、なかなか話を進めるのが難しいと苦笑されてをりました。きっと、山形に移住されて以来、究極の人物をとりあげてをられるので、現在も時々は読んでゐるのですが、一冊の本になるのを今から楽しみにしてゐます。


始動ー!

2016-03-18 | 畑仕事


庭の岩陰で、福寿草の花が咲き出したので、すこし早いけれど今年の畑仕事の開始ー!

とりあへず3月末ころのジャガイモの植ゑ付けのために、畝を2列ほど掘り起こし、けれどそれでまうヘトヘトー。



タマネギとニンニクの追肥と土寄せをし、ネギを抜いた高い畝にゴボウの種を蒔いた。
家庭菜園でゴボウとは一寸ディープですが、収穫できたらもうけもの程度にー。

今年は豆類をたくさん作るつもりですので、またぞろ忙しくなります。


ヘブラーのモーツァルト

2016-03-07 | 音楽を

ひと頃(結構前ですがー)、女性ピアニストでモーツァルト弾きといへば、イングリト・ヘブラー、でした。

勿論、リリー・クラウスなんて方もをられました。
勿論、クララ・ハスキル(なんてチャーミングな名前でせう!)の、マルケヴィッチとの20番の協奏曲やグリュミオーとのデュオは、小生の中でも最愛のCDです。およそハスキルの演奏してゐたCDはほとんどあるはずで、深く、でも軽妙なモーツァルトは小生にとってひとつの指針でもあります。

ヘブラーの演奏では、協奏曲の全集が棚のなかにありますが、すこやかでケレン見のない演奏は好ましいのですが、バックのオーケストラのなんとなく野暮ったい感じと、インパクトの少ない演奏ゆゑ、日常聴く事は少なくなってゐました。

でも、このモーツァルトは、とても素敵でした。

モーツァルト: ピアノ・ソナタ 第9 (8) 番 イ短調 KV310(300d) イングリット・ヘブラー 1986


モーツァルトのピアノ・ソナタのなかで唯一の短調ゆゑ、悲劇的に激しくかたち作る演奏が多い中で、このさりげない姿は如何ばかりでせうー。
まるでお洒落な和食の膳のやうに、凛とした姿で、でもこまやかなところまで気持ちがこもった奥ゆかしい演奏です。

歳のせゐか、疲労のせゐか、最近はこんな演奏がこころに沁みてきます。







知らなかった…

2016-03-01 | やまがた抄
先日ホーム・センターへ行くと、入口の横がジャガイモの山になってゐました。

このあたりでは種芋の植ゑ付けは3月末から4月上旬が頃合なので、まだ早いなぁと思ひながら、それでも眺めてゐると、「インカのめざめ」も沢山並んでゐた。
小粒なものが7、8個入って500円前後ー。今年はぜひ作りたいと思ってゐたので、ウム、頃合だな、3月上旬には購入しやう、とそのまま立ち去り、数日後別の用事でそのホーム・センターへ行くと、「インカのめざめ」の処だけ空っぽー!

あれっ! と急いで、他のホーム・センターへ行っても同じ状態ー。

さうか、「インカのめざめ」は今とても人気で、やはりあの時のはとても安かったのかー!と納得しても後の祭りで、
勿論売ってはゐますが、ちいさな玉がひとつ150円もする。

仕方なく、今年は諦め、そして、昨年のジャガイモもまだ沢山残ってゐて、それを種芋にすることにしました。



本当は、病気とかの懸念もあるので心配でもあるのですが、我が家の、すっかり生命力旺盛なダンシャクとキタアカリに豊作をお願ひすることにしました。