やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ラ・フランス、を頂く

2007-10-30 | 大岡山界隈


近くの農家の方が、「傷ものだけど、よかったら食へ」と、採りたてのラ・フランスを持ってきてくれました。

今年は、台風の直撃にあひ、多くの落果や、ラ・フランス自体の値段の下落で(いち時期に較べたら、半値くらゐかしらん)農家のかたもさぞかし大変だらうと思ひます。

みだぐ梨(山形の言葉で、みだぐ、は不格好、みっともない、等の意味があります)の名のとほり、その姿、色合ひはパッとしませんが、少し熟しはじめた食べごろの時のかほりは、さはやかな甘さのそれで、ひとしきりその甘さを楽しんで、
そして、雪の季節です。

ルプーのシューベルト

2007-10-28 | 音楽を


                                

ラド・ルプーのシューベルトといへば、即興曲集の演奏が素敵でした。
あの、今にも壊れさうな線の細い、けれどガラス細工のやうなピアノの演奏が、一曲めからルプーの世界へいざなひます。
(その、余りのか細さゆゑ、いや、シューベルトは、あんなにひ弱ではなかったハズだ、といふ批判もありますがー)

その、ルプーで、シューベルトのピアノ・ソナタを何曲か聴く。
ピアノ・ソナタ№14、№16、№18、№20。
1970年代半ば、ルプー30歳前後の録音。
確かに、批判を甘受するやうな、細い演奏です。
そして、そもそも、中期のソナタ自体が構成の弱い作品です。
ベートーヴェン的な世界を志向しながら、しかしけれど、作品はいったいどこに向かふのか不明のやうに、詩的なメロディと強打を繰り返す。

最期の三曲のソナタの一曲№20になって、シューベルトは吹っ切れたやうに、ベートーヴェン指向から決別し、自らの世界へむかふ。
ルプーの演奏も、やはり№20のそれがいちばん素晴しいと思ふ。
終楽章、いつ停まるともしれない軽やかな演奏が、聴く者のこころまでも安らかにしてくれます。

(ルプーの写真は、ジャケットから)

今年の紅葉…

2007-10-17 | やまがた抄




今年の紅葉は、もわ~ん、としたそれで、紅葉といふよりは、木々の葉が焼けてしまった感じです。

見頃のピークも、通年よりはかなり遅れてゐる様子で、短い秋といふことでしたので、この分では、錦秋をみることなく、枯木に雪、になってしまふかもしれません。


シューベルトが愛した曲

2007-10-14 | 音楽を



その短い生涯の晩年、確固たる交響曲作曲家にならうとしたシューベルト。
その彼がこよなく愛した曲が、モーツァルトの40番とベートーヴェンの2番の交響曲だった、といふ。

尊敬をし敬愛をしたベートーヴェンの棺を、泣きながら肩にかけてゐたといふシューベルト。
すでに、そのベートーヴェンは第9を含むすべての交響曲は作曲してをり、若きシューベルトも、実演とまではいかないまでも、ピアノ版あたりで、心の師の強靭な世界は聴き済んでゐたのかもしれません。
それでも、やはり第2番の交響曲を愛してゐたといふのは、如何にも、彼らしさゆゑなのかもしれません。
 
その2曲を聴きました。

モーツァルトは、クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団。
クーベリックが遺したモーツァルト晩年の6曲の交響曲はどれも素敵な演奏で、小生の愛聴の演奏でもあります。
弦の数も少なくしてゐるのか、その響きは今頃の季節の空気のやうに、まさに澄み切ってゐます。テンポや演奏のメリハリもこれ見よがしなところがみじんもなく、
左右に配されたヴァイオリン(旧いオーケストラの形)が、凛としたモーツァルトの世界を紡ぎだしてくれます。

ベートーヴェンは、ケンペ指揮ミュンフェン・フィルハーモニーの演奏。
なるほど、その第二楽章を聴くと、シューベルトがこの曲を愛したわけがよくわかります。
そして、ケンペの演奏の何と見事なこと!
確か、ビアホールのやうなところで録音されたものと記憶してゐますが、それゆゑ全体の音の分離は甘いですが、誠実で、けれど切実な演奏に改めて聴き惚れました。
かなり以前、音楽評論家の大木正興氏が「ケンペの演奏を聴くことは、生き方を変へること」のやうなことをいはれてゐました。
大げさなやうでもありますが、しかし、ケンペの演奏には、消え入るやうな弱音や聴く者を驚かすやうな強打を厳しく排し、勁ささへも感じさせる質実さを感じさせます。
また、全曲を聴きなほしたい気持ちにさせてくれました。



秋隣り

2007-10-09 | やまがた抄


蔵王の山裾で、アザミの一種でせうか、葉はすっかりと朽ちた姿ながら、
鮮やかな色を残した花がありました。
連休あたりから、山の色も、緑一色から、混色になり始めてゐます。
今年は、夏の猛暑と、台風の通過がありましたので、あまり紅葉は期待できませんが、それでも、遅い秋隣りです。

休日

2007-10-07 | 大岡山界隈





10月になっても、元気に伸ばしてゐるモッコウバラの枝を払ってゐたら、ふと覚えのあるかほりがする。
金木犀が咲き出してゐました。
いつになく、遅い金木犀のかほりです。

近くで、秋海棠も咲いてゐます。








ナルホド…

2007-10-06 | 音楽を



ナルホド…!
こんな組み合はせがあったか、と垂涎の思ひで、新聞の一角をみてゐました。

1970年代、ハービー・ハンコックがVSOPとして、時のジャズ界を風靡したことを思ひだします。
当時、小生もVSOPの演奏を、厚生年金ホールだったか、郵便貯金ホールだったか、(はたまた違ふ場所だったか)一度だけ聴いた覚へがあります。
ジャズが混迷してゐた時代、その突破口のひとつにいはゆるヒュージョン化がありましたが、当時は、ノリノリの音楽でしたが、残念ながら、今では、かなり色あせた感もあります。

小生は、ハンコックの音楽自体、さほど聴きませんが、少し触手がうごく組み合はせです。

VSOPは、当時、ハービー・ハンコック、フレディ・ハバード、ウェイン・ショーター、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスの最強メンバーでしたが、新聞でみたメンバーでは、ジャック・デジョネットがドラムスになってゐるあたりが、とても好ましい感じです。

ディスクにでもなったら、その音楽を一度聴いてみたいものです。