やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

何という幸せ!2

2011-02-24 | 音楽を


動画サイトにて、過日のコルボズに続いてピレシュのモーツァルトの協奏曲が見られた!

ブレーズ指揮での第20番と、ピノック指揮での第27番!

少し探しましたら、第20番はF・グルダと内田光子での演奏もありました。
が、グルダの演奏はとても面白いのですが、如何にも俺は達者だぞ!みたいな雰囲気が感じられて(勿論、小生の愛するピアニストでもあり、充分に達者なのは全世界が認めてゐたところでしたがー)、見る方はすこし腰が引けー。

内田光子の演奏は案外最近の模様ですが、相変はらずのウエットな演奏で、それに加へてかなりの強弱をつけ、カデンツァでは音楽が止まってしまってゐるやうな弱音で、サポートのラットルもどうしませう…?、と戸惑ひ気味でー。
内田光子でのモーツァルトの協奏曲とソナタはほとんどが棚にありますが、最近滅多に聞かなくなってゐるのは、あの恣意的な演奏が最近嫌になってゐるのを改めて感じた次第です。

そして、ピリシュの演奏は、彼女の加齢の見事さを表したやうな名演です。

まだピリスと日本で表記されてゐた頃から、彼女のモーツァルトのソナタや協奏曲は聴いてゐました。コロコロと転がる音色で、どれも見事なものでしたが、やがてソナタの再録音やショパンの夜想曲全集の頃から深々とした音色になり、ファンとしての深度は増すばかりでした。
今回の演奏も、早めのテンポでスッキリと表現されゐて、特にカデンツァでの融通無碍な音の広がりと動きがとても素晴らしい。
(弾いてゐるピアノがYAMAHAなのも、嬉しいところです)

きっと、ウォルフガングも、”かうでなくっちゃ! 俺の曲は、とても深い曲だけど、そんなに深刻ぶってやらなくていいよ!”と行ってゐるかのやうな再現です。

意外にも、ブレーズの指揮でしたが、これが特出もので、むっつりとオーケストラだけをみて、ピアニストを見ることもなく指揮をしてゐましたが、流石に巨匠!ブレることのないバックでピレシュは心地よささうにモーツァルトと対話してゐたやうです。


興味がある方は、こちらで(1楽章のみですが)

 


春隣り

2011-02-21 | やまがた抄


老母が、足が痛い、といふ。
病院へゆかう、と云っても、行っても変はりはしない、と老人特有の意地をはる。
仕方がないので、温泉治療にする。
今日は、寒河江市の温泉にした。

草屋から高速のインター入口まで5分ほど、10数分も走らせて専用出口を出ると目の前が、ゆ~チェリー、です。

さっぱりテイタラクな政権交代ですが、高速道路の一時の無料化は大いに恩恵を受けてゐる。市内近辺をウロウロしてゐるより早い。

月曜日ながら、農家の方は今が一番時間があるのか、とてつもない混み様で、それでも館内にある三つの温泉を楽しむ。

暖まった身体で、高速にのる。
一点の雲もない青空で、なるほど、雨水が過ぎると、冬も終りかけてくる。

春隣り、の頃です。

老母は、月山や葉山の姿に嬉々としてゐた。
果たして、彼女の策にはめられたのかも知れない。

(余談ながら、ちあきなおみの唄に、冬隣、といふ絶品の唄がある)

何という幸せ!

2011-02-18 | 音楽を
孫娘のために、YouTubeからTDLのパレード集を作ってやって以来、ダウンロードやディスク作成の仕方がわかって、すっかりはまってゐます。

ジャズ関連と、中森明菜!(DVD4枚分にもなってしまった…)を巡り、やっとクラシック関連を探索してゐます。

そして、
なんと、ミシェル・コルボズのモーツァルトのレクヰエムに出逢へた。



なんという、モツレクでせう!!

劇場的な演奏が多いなかで、コルボズのレクヰエムは、喚くことも、嘆くことも、哭く
こともなく、ひたすら、静謐な音楽に終始する。
かつて、フォーレやモンテヴェルディやバッハでみせた、軽やかで浮遊感があった夢のやうな演奏は影をひそめ、日本刀のやうに鍛えられたローザンヌの合唱団からは、その刃の先から落ちる一滴のやうに、練り上げられた声が、深く、静かにモーツァルトを歌ふ。

賛否はあるのでせうが、こんなモツレクは、コルボズ以外には決して真似の出来ない、畢生の演奏です。

意外に…

2011-02-15 | 大岡山界隈


二歳前の孫娘が来て、その動きを静止出来ない時の特効薬がふたつある。

ひとつは、パソコン。
二台並んでゐるデスク・トップの傍らに小生が座り、旧い方のそれに座らせると、嬉々として画面に向かひ、キーボードを両手を使って打ち、右手でマウスをいじくる。

”ジイばか!”と云はれながら、5歳までには、パソコンを操作できるやうに教へるつもりです…。


そして、ピカいちの特効薬は、『トイ・ストーリー3』、です。
DVDの説明画面が始まると、眼はテンになる。

おのずと、一緒にみる羽目になるのですが、なるほど、よく出来た!映画です。
ジェットコースター的な展開で、見るものを飽きさせない。
CGも信じられないほど美しく、特にラストにかけての、典型的なアメリカ映画的なもってゆき方には、してやられる、といったまとめ方、です。
休みの日には、日に三回もみることになりますが、案外、見入ってしまひます。

カッコ良過ぎ…!

2011-02-07 | 音楽を
先日、NHKにて、ジュリアーノ・カルミニョーラの演奏会を放映してゐましたが、
このオジサン、本当に、カッコ良過ぎます!! 

ヴェニス・バロック・オーケストラとの競演の模様でしたが、最初の数曲はオーケストラだけでの演出で、その演奏が妙にまったりとしたそれで、ところがカルミニョーラが加はった途端に切れのよい演奏に激変!

メンバーは黒尽くめのスーツ姿で、立ったままの長身の姿は、如何にも絵になる。

カルミニョーラの演奏は、彼自身がモダン奏法とピリオド奏法にたけてゐるとのことで、それらのバランスが程よく融合された、そして力強い演奏です。

演奏中は二コリともしないで、ともすればやや不機嫌な顔つきで、でもしっかりアンコールを数曲演奏したりで、その全体のプランニングに舌を巻きます。

ふた昔ほど前、イタリアへ旅行し、ミラノの夜の街を歩きました。
良くも悪くも、若い人はあまりをらず、ドレスアップした大人の男女が買ひ物をしてゐました。
そのころの日本はバブルがはじけ始めたころでしたが、そしてイタリアは経済的に厳しい頃でしたが、すでにしっかりと、大人の街、でした。






紹介のページは、こちら、ででも。

絶妙、です

2011-02-05 | 映画雑感
 (画像は、CASIOのサイトで処理)

偶然、似たやうなDVDを見ました。

『歩いても歩いても』、と『ドライビング・ミス・デイジー』

『歩いても歩いても』
何も起こらない映画ですが、現代の小津作品のやうな、低く細やかな監督の視点が全篇にわたって余韻を残す。

何にもまして、キャスティングが素晴らしい。

一寸意固地な頑固親父、かすかに不満を見せながらまめまめしく動くその妻、再婚した夫の実家に気をつかふ主人公の妻、血のつながりのない家庭へ帰省した戸惑ひをみせる少年…。
映画やTVに頻繁に顔をだす役者たちですが、集合体として絶妙のコントラストを見せてゐます。
そして、そのコントラストの後ろから、一見平和さうに見へるそれぞれの人たちのかすかなこころの傷が見へてくる。

公式サイトは、こちら、にありました。


『ドライビング・ミス・デイジー』
インド映画の作品を探してゐる時、「生憎ござゐません」との店員さんの返事で、ウロウロとしてゐたら、『ドライビング・ミス・デイジー』を見つけました。

ふた昔ぶりくらゐに見ました。

こちらも、頑固でこころを開かないユダヤ人の老婦人と、彼女の運転手になった黒人の男。
彼らへの、時代々の差別をゆるやかに描きながら、でも、絶妙な二人の会話が素敵です。
映画そのものや会話がゆったりとしてゐるので、訳をみなくてもその会話の面白さを堪能できます。
アメリカの映画が、スピード(だけ?)やCGや3Dになってゆく前の、佳品です。

80歳だったといふ婦人役にも脱帽しますが、改めてモーガン・フリーマンは、この作品や『ショーシャンクの空に』での役どころがはまり役なのを感じます。
確か、大統領役の映画もありましたが、存在感に乏しかった、やうなー。

紹介のページは、こちら、ででもー。