動画サイトにて、過日のコルボズに続いてピレシュのモーツァルトの協奏曲が見られた!
ブレーズ指揮での第20番と、ピノック指揮での第27番!
少し探しましたら、第20番はF・グルダと内田光子での演奏もありました。
が、グルダの演奏はとても面白いのですが、如何にも俺は達者だぞ!みたいな雰囲気が感じられて(勿論、小生の愛するピアニストでもあり、充分に達者なのは全世界が認めてゐたところでしたがー)、見る方はすこし腰が引けー。
内田光子の演奏は案外最近の模様ですが、相変はらずのウエットな演奏で、それに加へてかなりの強弱をつけ、カデンツァでは音楽が止まってしまってゐるやうな弱音で、サポートのラットルもどうしませう…?、と戸惑ひ気味でー。
内田光子でのモーツァルトの協奏曲とソナタはほとんどが棚にありますが、最近滅多に聞かなくなってゐるのは、あの恣意的な演奏が最近嫌になってゐるのを改めて感じた次第です。
そして、ピリシュの演奏は、彼女の加齢の見事さを表したやうな名演です。
まだピリスと日本で表記されてゐた頃から、彼女のモーツァルトのソナタや協奏曲は聴いてゐました。コロコロと転がる音色で、どれも見事なものでしたが、やがてソナタの再録音やショパンの夜想曲全集の頃から深々とした音色になり、ファンとしての深度は増すばかりでした。
今回の演奏も、早めのテンポでスッキリと表現されゐて、特にカデンツァでの融通無碍な音の広がりと動きがとても素晴らしい。
(弾いてゐるピアノがYAMAHAなのも、嬉しいところです)
きっと、ウォルフガングも、”かうでなくっちゃ! 俺の曲は、とても深い曲だけど、そんなに深刻ぶってやらなくていいよ!”と行ってゐるかのやうな再現です。
意外にも、ブレーズの指揮でしたが、これが特出もので、むっつりとオーケストラだけをみて、ピアニストを見ることもなく指揮をしてゐましたが、流石に巨匠!ブレることのないバックでピレシュは心地よささうにモーツァルトと対話してゐたやうです。
興味がある方は、こちらで(1楽章のみですが)