やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

モーツァルトの《グラン・パルティータ》、を聴く

2006-03-31 | 音楽を

ベルリン・フィルハーモニー管楽アンサンブルによる
モーツァルトのセレナーデ第10番《グラン・パルティータ》を聴く。

この曲は、オイゲン・ヨッフムがバイエルンのオーケストラメンバーと録音した、おっとりとした演奏のを愛聴してゐますが、このCDも楽しく聴きました。

ベルリン・フィルの黄金期の録音ゆゑ(1980年~1981年)、さすがに、メンバーが凄い、です。
ローター・コッホのオーボエ、カール・ライスターのクラリネット、ゲルト・ザイフェルトのホルン、等々。
皆、ソロ・コンサートで会場を埋めることができた奏者ばかりですが、この演奏では
、少し早めのテンポで、力を抜いたやうなアンサンブルの楽しさが伝はってきます。勿論、それぞれの奏者の上手さには、文句のつけやうもありません。

映画《アマデウス》で、モーツァルトの天才ぶりと、サリエーリの凡庸ぶり(事実は兎も角としてー)を象徴的に見せたシーンで使はれてゐましたが、その第3楽章のアダージォも、天国的な安らかさに満ちてゐます。
余り突出しないオーボエの音色が素敵、です。

傑作の誉れ高いこの曲ですが、でも当時は、高がセレナーデ、だったのでせう。
お茶の時間のBGM程度だったのでせうが、その程度のものに、人生の深淵を覗かせるやうな曲想を紡ぎこんだモーツァルトといふ人に、感服し、感謝せざるをゑません。



(写真は、ジャケット)


花もつぼまる雪ー。

2006-03-30 | やまがた抄





昨夜からの荒れた天気で、今朝起きたら、思ひもかけず5センチ程の積雪。

弥生、三十日の、春の雪、でした。

それでも、淡雪は夕方には殆んど消へて無くなり、
名残りの雪、となりました。



既に関東では桜が咲き始めてゐるやうですが、
山形でも、卯月に入れば、また、「桜はまだか!?」の大合唱になります。


小生は、今年は、
昨年に偶然現場の近くで遭遇した江戸彼岸の古木(樹齢数百年らしい)の花と、
福島の小さな街の桜を愛でる予定、です。






仲間に会ふ

2006-03-29 | やまがた抄

知人宅へ、タイルの補修がてら伺って、
久しぶりだからと、仲間を急きょ集め、夕飯を食べることになりました。

小生が入ってゐるボランティア・グループ「東北グローバル協会」の仲間、です。
モンゴルへ学校を作る為のボランティアで一緒に活動してゐましたが、
昨年、小生が別のイヴェントで役所と対立し(と、いふより、役所の対応に呆れかへり…)、すっかり活動が引いてしまってゐました。


村山市にある「居酒屋 蔵」で皆に会ひました。








蔵を改造した素朴な店ですが、気軽な感じの店主が心地よい対応をしてくれます。

地元出身の、映画監督村川透のイヴェントがあるとのポスターがありましたので、行ってみやうかと思ってゐます。



店内には、色々なポスターが満艦飾のやうに飾られー。






集まったメンバーは全員車で馳せ参じたので、当然酒は飲めず、何故か、ラーメンをすすってしまひましたが(これが、居酒屋さんのラーメンとは思へない美味しさ!)、




積もった話に、売上に貢献しない金額で長居をしてしまひました。
そんな我々を気持ちよく送ってくれた店に感謝、です。










地区の集会に出る

2006-03-27 | 大岡山界隈

平成17年度の風間地区の総会があり、隣組の分に出席しました。
小生でも!若い部類に入る顔ぶれでしたが、旧い集落でありながら、
皆さん、好意をもって新参者の小生を迎へてくれました。

会計報告は早々に終り、4月の花見の予定が決まると、
早速に直会(なほらひ)です。
(以前、NHKのラジオ深夜便で、中年女性アナウンサーが出雲地方の方と話してゐて、この言葉を知らず、出雲の方に落胆の色をみせてしまったことがありました。古きよき日本の言葉です、せめて、NHKのアナウンサーあたりは知ってゐてほしいものです)

のどを潤すビールが終はると日本酒になり、一升瓶が二本空いたところで出てきたのがこのお酒、でした。



ネーミングも凄いですが、秘酒だ、とのことで、何と、包装は新聞紙!
濃い味の酒で、その割りに飲みやすいので、すっかり翌日は頭痛の元になりました。


切れ切れになりさうな集落の風習を沢山聞きましたので、これから、フィールドワークをしながらこのブログで話してゆかうと思ってゐます。




再び、福寿草をー。

2006-03-26 | やまがた抄

「福寿草が咲き出したから、取りにおいで」
と、お客さまから電話を頂いて、伺ひました。






家の南側の庭先と、裏の斜面で、丁度開きだしたばかりの花が日差しに向かってゐました。



「全部持ってゆけー」といふお声を有難く思ひつつも、
以前、工事をさせて頂いた時よりは少なくなったかな、と思ひ、
数株を再び頂いてきました。





すぐ横には、ふきのたうも芽を出して、
弥生末の休日、
厳しかったこの年の冬に別れを告げます。





侘助、の花がひらく

2006-03-23 | 大岡山界隈

今年の大雪も峠を超えた感の3月上旬、
消へ始めた雪の下から、無残に折れた庭木の枝が沢山見えてきました。

簡単な雪囲ひで大雪を迎へさせてしまった申し訳なさに、
幾本かの椿の枝を拾ひ、仕事場のテーブルの上に投げ入れて置きました。

ここ数日の暖かさで、侘助の花が開きました。
庭の椿はまだ蕾ですが、日当たりのよいテーブルは幾分か暖かいのでせう、
切花のやうに、元気に咲いてゐます。

暫らく花を楽しんで、こんなに生命力のある枝なら挿し木にでも、と
余計なことを考へてゐます。




福寿草、咲く

2006-03-22 | 大岡山界隈

お客様から頂いた福寿草が、二株とも、花を開きました。

土の変化を嫌ふ花ゆゑ、今年は兎も角、来年に備へて花後の手入をしたいと思ってゐます。








彼岸も過ぎ、桜の便りも聞かれるまで暖かくなりました。

山形では、まだまだ、二雪五温、といったところですが、
弥生も末の日々。

別れの日々です。

庭先の、次の幸せの黄色い花、はトサミズキ、です。



ヴェーベルン、を聴く (2)

2006-03-21 | 音楽を


弦楽四重奏の為の作品を聴く。
イタリア弦楽四重奏団による、1970年録音の名盤。

破棄されたもの等を除くと、ほぼ、ヴェーベルンのこの分野での全集に近い。
全集といっても、録音時間が60分にも満たない、CD一枚分 。

・弦楽四重奏のため緩徐楽章(1905)
・弦楽四重奏曲(1905)
・弦楽四重奏のための5楽章 作品5
・弦楽四重奏のための6つのパガテル 作品9
・弦楽四重奏曲 作品28

学生時代に作曲されたといふ、10分程の「弦楽四重奏のための緩徐楽章」の美しさに驚く。
恋人への想ひが取り込まれた、といふ解説もありましたが、その硬質な美しさは、
抒情、といふ言葉が素直にあてはまります。
曲自体が、まだ、調性の域にあるので、とても聞きやすく、
消へ入るやうな、弱音の旋律の妙がとてもロマンティック、です。

数年後の、重要な作品とされてゐる、「弦楽四重奏のための5楽章 作品5」は、
早くも、旋律の概念が崩れ(破棄され)、音ははじき出され、再び、凝縮して集められたやうな音楽になってゐる。
勿論、聴きやすい曲でも、楽しい曲でもないのですが、その切り削いだ音楽は、漆黒のなかで、わずかに光るダイオードのやうに絶対的な存在感を示します。


時折聴く、FMなどでの現代音楽は、独りよがり的なものが多く、すぐに閉口してしまふのですが、ヴェーベルンの音楽には、それを突き抜けた”美しさ”があって、暫らく、この作曲家のものを聴いてゆかう、と思ふやうになりました。



おもと を見る

2006-03-20 | やまがた抄


山形市内で開催されてゐた「リフォーム・フェア」を見に行きました。
毎年この時期に開催されますが、年々出店の数が少なくなってきてゐるやうで、見る者の寂しさは隠せません。

場内をひとめぐりして、帰らうと思った時、会場の出口の一角に沢山の万年青(おもと)を展示してゐるのが眼が留まりました。

変り種のものを指して





「100万位しますか?」
と聞くと、
「昔はな。今は、さうだな、15万から20万位だな」
と事も無げに応へてきました。
小生の知人に、万年青の愛好家がゐますが、そんな世界らしいです。

「ちなみに、この中で一番高いのは?」
と聞くと、これださうです。



何の変哲もない、小さな万年青ですが、血統(といふのでせうか)が違ふのださうで、一時期は家一軒分もした、とのこと。
呆れるやうな話ですが、「かつて、江戸時代にも朝顔や椿もそんなブームがありましたよね」と、話すと、「万年青は、春蘭などと共に、日本の文化なんだ」と話すやり取りに面白さを感じて帰ってきました。

我が家の庭先には、ちいさな万年青は沢山あるのですが、家の主と一緒でみな雑種ですので、ひたすら、その青葉を見せてくれてゐるだけです。