やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ピリシュの夜想曲

2008-02-26 | 音楽を


         


昨年末から、ショパンを改めて聴いてゐました。

ポリーニの、超絶的な演奏の練習曲集は、LPでもCDでも聴いてゐましたが、
それ以外は、座を正して聴く事は左程なかった気がします。

師走からは、夜想曲を聴いてゐましたが、
手元にある、5、6種類の盤に、ハタッ! と感じるものはさほどありません。
唯一、ニキタ・マガロフの、少し時代かかった、でも、心にしみるやうな演奏が好み、でした。

しかし、ピリシュの演奏が、決定盤、でした。

彼女の、若い頃の才気走ったやうなモーツァルトも素敵でしたが、
ひと頃、腕の病気とかで活動を中断した後のすべての演奏が素晴しい。

そして、この、ショパンの夜想曲。
人が加齢する、とは、かういふことだ、といはんばかりの、みごとに深い演奏。
甘くもなく、さりとて、妙に神経質なところもなく、
くっきりと響き渡るピアノの音が、革命児としてのショパンの強い意志を感じさせてくれます。

2月も下旬

2008-02-25 | やまがた抄


昼食をとった公園の木々は、秋の残滓を残したまま、
降り積もる雪を軽くいなしながら、
まもなく来るだらう、春のひかりを待ってゐる。
それでも、まだ空は、しっかりと冬の雪を降らせてゐる。

レオンハルトのバッハ

2008-02-23 | 音楽を


昨日の天気予報の通り、急に発達した低気圧の影響で、
帰路は横なぐりの雪でした。


グスタフ・レオンハルトのバッハのチェンバロ協奏曲集を聴いてゐます。
ほぼ全曲を網羅したセットです。



いつもながら、レオンハルトのバッハには、裏切られたことが、ない。

棚には、リヒター盤(少し重過ぎる)、コープマン盤(スピード違反気味)、ピノック盤(如何にも颯爽としてゐる)らがありましたが、
レオンハルトの落ち着き払った音色と演奏に、何の過不足も、ありません。

まったく学者然としたその容姿と風貌に、
そして生まれ出る”バッハの再現”に、
まったく畏敬と感謝の気持ちをもって聴き入ります。

花と、死と、

2008-02-22 | やまがた抄


戸外の雪を横目に見ながら、
98円で求めた福寿草が、春へのひかりを集めてゐます。


夜に、知人から、ある方の死を知らされる。

小生等の、とある集まりの、古老にして、最高顧問の方、でした。

古武士のやうな風貌。
飲む・打つ・買ふ、を、けれど寂びのやうな優雅さで送られた(らしい…)方、でした。

合掌。



雨水、過ぎてー

2008-02-20 | やまがた抄


昨日は、雨水、でした。

成る程、今日は暖かな日差しを浴びて、夕方には雨になり、
夜に雪に変はりましたが、みぞれのやうな、春の雪に変はってゐました。

至極忙しかった小生の身辺も、
雪から雨へと変はるやうに、ひそかに、春準備をする季節になってゆきます。

『カラヤンとフルトヴェングラー』

2008-02-12 | 本や言葉




『カラヤンとフルトヴェングラー』(幻冬舎新書/中川右介著)、といふ小さな本を、でも、とても面白く読みました。

大音楽家、である前に、
ナチ政権下で、組織上、宣伝省ゲッベルスの直属の部下にあたるフルトヴェングラーと、
1934年、失業者としてベルリンにやってきたカラヤンと、
そして、生意気な若造指揮者としてのチェリビダッケとの、名器ベルリン・フィルをめぐる略奪戦を、少し片寄った視点で描いてゐます。

小生は、さほどフルトヴェングラーの演奏は好きでもないし、カラヤンのそれもかなり嫌ひですし、チュリビダッケも余りよいと思ったことはないので、
生きてゐたその時代の制約は大変なものであっただらうけれど、
ベルリン・フィルの指揮者ポストへと収斂してゆく人間模様はスリリングで興味深かった限り、です。


カルロスのブラームス

2008-02-08 | 音楽を


先日、ブラームスに関する本を読んでゐて、無性にかれのが聞きたくなりました。

棚にあった、カルロス・クライバー/ヴィーン・フィルの交響曲第4番を聴く。
ずゐぶんと久しぶりに聴きましたが、やはり、傑作の演奏。

ブラームス50歳代の、そして、彼の最後の交響曲。
カルロスも50代になったばかりの頃の録音。

けれど、ここには、”たそがれ、老いた”ブラームスの姿は微塵もなく、すべての音が溌剌として、まだまだこのあとに、幾多の作品があるやうな錯覚を抱かせる。

ことに、終楽章のパッサカリアの演奏が素晴しく! 音が、音楽が組み立てられ、変奏してゆくスリリングな世界を聴かせてくれます。
カルロスの、その早すぎる死から4年が経ちますが、以前、衛星中継で見たヴィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサートの素晴しさと共に、まったく少なすぎる彼の録音の数に、つい無い物ねだりを云ひたくなります。

圧倒的な才能を持ちながら、結局、ほとんどフリーでの指揮者のまま死した彼のブラームスは、まるで起承転結のやうに4曲で閉じたブラームスのシンフォニストとしての余力をまだまだ感じさせるに充分なものでした。


立春の空

2008-02-04 | やまがた抄


朝の冷え込みは、強かったのですが、
日中は穏やかな空になり、なるほど、今日は立春。

まだ雪深い北部の町へ出かけましたが、
空の色が、すっかりと春めいたそれに変はってゐました。
もちろん、まだまだ雪も降るでせうが、一度変はった空の色は、春に向けて一直線、です。

節分、でした

2008-02-03 | 大岡山界隈


節分の今日、厳冬期が続いてゐた我が家でも、小さな春の兆しの一日、でした。

過日、DIYショップで求めた福寿草も、日当たりのよいタタキの鉢の中で、少し芽を出してゐました。


すべての用事がすみ、出かけた近くのスーパーでは、その節分のせゐなのか、
いつになく人の出もおおく、店内を廻ってゐると、すごい人だかり。
なにかしらん? と思ったら、恵方巻きを求める姿、でした。

コンビニ業界と、のり業界が仕掛けた関西の春を迎へる風習が、すっかり山形にも定着してゐるやうで、関心しきり。
我が家でも、一本求めて、この春、初めての恵方かぶり、です。

春を、乞ふ!!