やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

夏椿

2005-06-30 | 花や樹や

やっと我が家の夏椿も咲き始めました。

数日前から開き始めてゐたやうですが、
狙ひすましたやうな強い雨に落花してゐました。

毎年ながら、何故この花がこの時期に咲くのか、まったく解せないでゐます。
殆んど一日花に近いですし、一枝切り取って活けても、
水揚げが悪いので花持ちがしません。
気候は雨や強い日差しの繰り返しの時期。
咲いた白い花は、あっといふ間に変色を始めます。

試練を受け続けてゐるやうな花です。

それでも、駐車場の横で年々枝を伸ばし、樹形を整へながら、
諦めることなく初夏のひと時、花を楽しませて呉れてゐます。

初夏 サクランボ

2005-06-29 | やまがた抄

山形の初夏は、やはり、サクランボでせうか。

先日、いつもお世話になってゐる果樹農家の方に注文をしてきました。
作業小屋では、多くの方が詰め方に追はれ、戦争状態の忙しさです。
「わざわざ来てもらってー」と、自宅用に沢山いただきました。
小生が贈答用にお願ひしてゐるのですが、こちらのサクランボは絶品の美味しさです。

サクランボ(佐藤錦)、といふと高級なイメージで、確かに安価でもありませんが、
ここ何十年かの色々な輸入攻撃に見事に打ち勝った果実でもあります。

そしてその裏には、ご婦人でもハウスの細いパイプに乗ってビニールを張って雨を防ぎ、
繁る葉を取りながら全体の色付を良くさせたりと、
地道な、確信をもった作業が繰り返されてゐる日々があります。
そんな日常の作業を見聞きしてゐる小生には、サクランボの紅い色が
農家の方の充実度のやうに見へてきます。

「足軽目付犯科帳」/高橋義夫

2005-06-28 | やまがた抄

中公新書で出版された、高橋義夫先生の新刊です。
先日、飲み会の計画話(?)で高橋先生とお会ひし、頂戴しました。

後書きにも書かれてをられましたが、以前から話題に上がってゐたものでした。
大変面白く読みました。

幕末近い酒田の街の、足軽目付の生活や出世争ひ、事故や事件が
高橋先生の、低い、いつくしむやうな視線で描かれてゐて
旧い資料の読み下しではなく、一篇の小説になってゐる処が素敵です。

特に、鍋・釜・米を盗んでは売り払ふ盗っ人の姿や、身持ちの悪い女の
出奔する姿が、酒田の街角に浮かんできます。
やがて、それらの姿が、理不尽な戊辰戦争の波に飲まれてゆく終章は、
ページの関係か多くは語られず、声高にも語られてゐませんが、
読むものに、本当に明治維新は正しかったのか、といふ
素朴な疑問を持つのに充分なものでした。

蔵王ペンション村/オープンガーデン、初夏 弐

2005-06-27 | やまがた抄

ペンション村の入口近くにある「ポテト」さんに立ち寄りました。
オーナーは関東出身の脱サラの方、奥様は山形の方ださうです。

ガーデンの話をしたら、「うちは参加してないのです」と云はれ、
言葉の接ぎ穂を失ってしまひましたが、
色々な世間話をさせて頂いて、テラスでのんびりとした時間を過ごしました。

写真は、テラスで頼んだケーキセットです。
「お茶はいつでも飲めますからー」と云はれ、
また、ことあるごとに立ち寄らうかと思ってゐます。

蔵王ペンション村/オープンガーデン、初夏 壱

2005-06-27 | やまがた抄

蔵王スキー場の麓のペンション村で、オープンガーデンが開催されます。
年に三回、春の部は五月の中旬、初夏の花が六月下旬、仲秋の花が十月の半ばです。

毎年のやうに出掛けてゐますが、
今年は、参加してゐるペンションの玄関先を飾るクレマチス(モンタナ)を
楽しみに訪ねたのですが、春先の気候の不順のせゐか、
既に、すっかり、葉モンタナになってしまってゐて、少々残念でした。

それでも、忙しかった日々の最中に、下界の蒸し暑さと時間を忘れるには
充分な花々が咲き誇ってゐました。

※も少し写真をご覧になりたい方は、サイドのアルバムaからどうぞ。

「ワッツ・ニュー」

2005-06-25 | 書棚のジャズアルバムから
「What’s New」
 作詞:ジョニー・バーク
 作曲:ボブ・ハガード

超有名なナンバーですので、我が書棚にも、幾つかのディスクがありました。
誰が何と云はうと、コルトレーンのが一番好きなのですが、
久しぶりに「ヘレン・メリル」のを聞いたら、ウム、とうなってしまひました。

かすれた声で(○○町ブルースの歌手に似てゐる)、慎重に歌ふ感じは
如何にも新人さん、といふところで、よく聞くと、左程ウマくはない。

では、何故? といふと、クリフォード・ブラウンのトランペットが
余りに素敵だからです。
LPではかなりの枚数がありますが、
CDになってからは買ひ替えをしませんでした。
当時の、ジャケットがとても気に入ってゐたのでー。
でも、五十年も前の彼の音色は、見事に蘇って来て(勝手にさう思ひ)
その不慮の事故死を改めて悲しみました。

すは! クリフォード・ブラウンのCDを集めねばなるまい!

美空ひばり、を想ふ

2005-06-24 | 音楽を
先日、テレビで美空ひばりの特集をしてゐました。
特別、彼女のファンでもないのですが、
CMで流れてゐたジャズのバラッドに、うまいなあ、と思ったものです。

テレビでの特集でも幾曲かのスタンダードを歌ってゐましたが、
英語での歌唱は、やはり発音のクセのやうなものが気になって、
イマイチ、といふ感じですが、CMでも使ってゐた日本語バージョンのものは
彼女の、すこし粘り気のある歌ひ方が見事にはまって、逸品です。

英語の発音もバッチリ、ボイストレーニングも完璧、
でも、聞いてゐて、ジャズでもなんでもないものを
平気で歌ってゐる歌手は沢山ゐますが、
美空ひばりの歌は、強引に自分の世界に引きずり込んで、
「りんご追分」と紙一重のところでジャズに仕上げてゐる処が素敵です。

「ラメント」

2005-06-23 | 書棚のジャズアルバムから
 「Lament」
  作詞:ジョン・ヘンドリックス
  作曲:J.J.ジョンソン

ドナルド・バードの有名盤「フュエゴ(FUEGO)」にありました。
アルバムは、当時のファンキー・ジャズの雰囲気を充分に伝へ、
少し、ゴスペル風な雰囲気がムンムンとしてゐます。
バードのトランペットとJ・マクリーンのアルトサックスの双頭コンボですが、
改めて聞くと、すこし、古さは感じてしまひます。

特に、「哀歌」とタイトルされたこの曲には、まう少し違った音色が欲しいですし、
あるひは、やはりトロンボーンやフリューゲルフォーンの方が
曲の雰囲気には合ふのかも知れません。

ヤマボウシ

2005-06-22 | 花や樹や

山中のヤマボウシ、です。

先日、福島へ行くのに栗子峠を越えました。
国道から見へる初夏の山に、ヤマボウシの白い花が幾度も見へました。

今、我が家も、街中も、ヤマボウシの花が(白い部分は花ではないさうですが)
盛りに咲いてゐます。
樹勢があるので、花もまた、葉を覆ふやうに咲きますが、
先日見た、野生のものは、少し趣が違ってゐました。

見た処が雪の多い地域なので、樹形がすっかりゆがみ、
何よりも、花がとても小さく、品のある十字の姿でした。
山の中では、妙に突出した姿は要らない、と云はんばかりに
他の木々の間で白い花をつけてゐました。

栂の花

2005-06-21 | 花や樹や

我が家の栂の花です。

何故か、狭い庭のあちらこちらに栂の木が四本もあって、
弐本は植木屋さんで求めたもの、壱本は山菜取りで山から頂いたもの、
残りの壱本は知らぬうちに椿の横に芽を出してゐたもの、です。

栂は、その成長が遅く、それゆゑに樹も堅いのですが、
花もまた、数ミリの有るか無きかの白い花です。

それは、成長の遅さを妙に納得させられるやうな咲きざまですが、
夏前のこの時期、無骨に伸びやうとする栂の姿のやうで
毎年感心しながら見てゐます。