やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

冬なのに…

2009-01-29 | やまがた抄




正月のひと月もあっといふ間に過ぎ、半日現場を確認して、用を済ませながら蔵王麓の温泉に急行ー。

とても大寒とは思へない、暖かで穏やかな日差しに、雪が解けた南斜面ではオオイヌノフグリが春を呼んでゐます。
でも、まだ、弐月にもなってゐない、のにー。

チェンジだ! びゃぁ…

2009-01-26 | やまがた抄


知事選が終り、新人候補の逆転勝利で、山形でも女性知事誕生です。

今回の、奇跡的な逆転劇には、かなり複雑な背景もあるやうですが、また、昨年からの景気悪化も大いに影響してゐるのでせう。

選挙前日、雪深い肘折温泉の近くのお客さん(向ふ時は、猛吹雪!)の処へ伺ひました。
今年は雪が少ない、とは云ひながらも、勿論一面の雪原の中。
打ち合はせをしてゐる時にも、音をたてて屋根の雪が落ち、
主人は、「人もゐない、仕事もない」と、低く語る。
そして、「変へねばなんねぇ」と強く語ってゐました。

雪参り

2009-01-22 | やまがた抄
ここ数年、初参りは山形市の神社にしてゐて、以前に参ってゐた南陽市宮内の熊野神社の御札が数年越年したままで、気になってゐました。

確か、昨年屋根を葺き替へての姿も見たくて、雪の合間に返しに出かけました。

  






小生の好きな神社、です。










境内の裏を回ると、あちこちに矢印がある。
誘はれてたどり着くと、若い人たちが社の壁面を見つめてゐる。
隠し掘りのウサギを三羽見つけると縁起がよい、と書かれてゐた。








名古屋から来てゐるといふ若い人たちが、神主さんに「三羽めはどれですか?」と聞いてゐましたが、小生もそれらしきものは見つけましたが、神主さんの返事は、
暗にこころの中にー、と云ってゐる様子でした。


おみくじの横には、流石!”愛”の兜の暦が販売中。



立ち寄った道の駅では、啓翁桜が満開でー。


久しぶりに、高畠の八幡宮の三重の塔にも逢ひました。


街のなかに、突然の大ワラジと石仏。




春には…

2009-01-20 | やまがた抄


少し前に、ワイエスの死が報じられてゐました。
残念です。

丁度、この春に、福島の県立美術館で企画展の巡回が予定されてをり、久しぶりにまとまって見られると、楽しみにしてゐました。

ワイエスの絵は、ずゐぶんと見ました。
福島県立美術館にも常設されてゐるものも多く、山形人としては、ちいさな幸せでした。

ずゐぶんと以前、東京で見たシェーカー教徒たちの家具のやうに、シンプルで、強靭な美しさを、ワイエスの絵も持ってゐます。

雪が解けたら、彼の絵に逢へます。


福島県立美術館でのワイエス展の紹介は、こちらにあります。



雨、か!

2009-01-19 | やまがた抄




明日は大寒ですが、朝から、雨模様です。

まあ、勿論、まだ雪が雨に変はる季節でもありませんが、
あとひと月半ほどの雪の日々です。

取り込みを忘れた苺の苗が、雪の下からでてきました。
昨年、畑の一角で、親戚に好評だった”苺農園”の直系の苗、です。
(元は、近隣の、苺農家の方から頂いたものですがー)

今年こそは、その横でハーブ畑を作るつもりです。

こころのどこかで、土に還る準備が始まったのかしらん。



『火車』再読

2009-01-18 | 本や言葉


正月の新聞だったでせうか、本の特集で宮部みゆき氏の『火車』を名作のベスト3にあげてゐる評論家の方がゐて、あぁ、また読みたい、と久しぶりに読みました。

以前は、一気呵成に読んだ覚えがありますが、今回は、夜な夜な読みました。
勿論、傑作であり、名作です。

現在は、もっと世の中の姿が荒んでゐるやうな気もしますが、
そして、もっと短絡的な事件も多いやうな気もしますが、
まったき丁寧な文章と構成の奥から、
腹をすゑて!身代はり殺人を計画決行したであらう、若い女の寥々とした心象風景が胸をうちます。

まさに、殺す側も殺される側も、共食ひのやうに、都会のなかで埋没してゆく姿が
(この作品には、決定的な殺人のシーンは出てきませんがー)、あぶりだされてゆく姿が、装画の小さな人の姿のやうに、切なく哀しい。

雪原

2009-01-16 | やまがた抄



バタバタと仕事に追はれ、10分位で車内での昼食をすませる。
朝、ボトルに入れたコーヒーをひと口飲むと、目の前は雪の原。

確か、夏の間は向日葵畑だった場所です。

悲しいかな、ここ半月ほど、そんな日々が続きさうです。

舌をまく…

2009-01-14 | 音楽を


如何にも、中身とぴったりのセンスのジャケットで、カラヤンの『序曲・間奏曲集』のディスクを聴く。

カラヤンのグリーグやシベリウス、メンデルスゾーン、そしてウェーベルンでは、その驚異的な美しさに眼からウロコを落とし、カラヤンのモーツァルト(ヴィーン・フィルでも、ベルリン・フィルでも)、ブラームス、マーラー、そしてバッハにはホトホト落胆し、
でも、
この序曲・間奏曲集(2枚組)の演奏には、舌をまく。

ベストセラーになった『アダージョ』のやうに、この手の音楽では、おそらく彼の右に出る指揮者はゐない。
すべてが、きっと、すでに原曲をはるかにつきぬけ、ただただ、弱音からフォルテまでの音響のなかで”音”が鳴ってゐる。
モーツァルトの魔笛序曲はヌメッとし、エグモント序曲は映画音楽のやうに響く。

以前にも書いた記憶がありますが、ある音楽評論家は、古典~ロマン派での作品演奏で、カラヤンは忘れ去られるかもしれない、ただ、いくつかの小品演奏を除いてー、と云ってゐました。
まさに、そんな、感じです。

でも、車のなかで聞く分には、とてもよい、ですがー。

『ブラックブック』

2009-01-12 | 映画雑感


何の知識もなく、『ブラックブック』といふDVDを見ました。
面白かったです。

ドイツ映画なのかしらん、と思ってゐましたが、オランダの映画だといふことで、
また、『トータル・リコール』の監督さんだといふことで、結構驚きながら見ました。二時間を超える映画でしたが、前半は見事へがありました(後半は、一寸、バラケタ感じになってしまってゐて、残念)。

主人公のオランダの女優さんの、まさに身体を張った演技が素敵で、そして、脇を固める渋めの男達がよかった。ドイツやオランダの俳優の方で(幾人かの人は、他の映画でも、渋いなァ、と思ってゐた人でした)、大人の存在感、です。

カルロス!!

2009-01-10 | 音楽を


昨夜のNHKで、思ひもよらず、カルロス・クライバーの来日公演の様子を流してゐました。
それもベト7、です。オケは、伝説を創ったバイエルン国立管弦楽団。

80年後半ですから、彼50代後半。
その、流麗にして力強い、変幻自在のタクトさばきに見入ってしまふ。
勿論、奏でる音楽が見事なのは、いはずもがな。
指揮棒を振らずに、わずかに動く数本の指の先から、まったく正統で、確信をもったベートーヴェンが蘇ってくる。

一年に数回の演奏しかやらない、といふやうな伝説もつくってしまったクライバーですが、また、その美しい指揮姿とは裏腹に、リハーサルは過酷をきはめてゐたやうですが、しかし、やはり、こんな音楽は、滅多に聴かれるものでもありません。

そして、その録音の少なさと共に、彼の早すぎる死は、惜しみて余りあります。

(尚、画像は同番組から)