東雲の空が、今年最後の明るさを見せてゐました。
穏やかな、大つごもりの朝です。
稀にみる激しい一年が終らうとしてゐます。
自然の非情さの前に、人の無力さのみがさらけ出された年でした。
突然、明日を断ち切られた方ー、
色々な未来への計画を断念した方ー、
絶望だけで日々を過ごしてゐる方ー。
小生の周りにも、色々な方がをられます。
ずゐぶんと昔、奥秩父の山へ登って、道に迷ったことがありました。
先輩はとっとと先へいかれ、気が付くと小生は奥秩父特有の深い山中にぽつねんとしてゐました。
そして、激しい雨が降り出し、なすすべなくなった小生はキスリング(昔はみなこれでしたー)の中から唯一あったトマトを見つけ、大きな切り株に腰を下ろすと、激しい雨のなかで、ただ、そのトマトをかじってゐました。
雨など、気にもなりませんでした。
たしかその時、無力でありことは、あるひは、力になる、と思ったものです。
小生も、昨年は妹を亡くし、今年は愛犬を亡くしました。
生まれ出るものより、逝くものが多くなったやうな気がします。
とまれ、大つごもりー。
穏やかな新年を願ってー、
拙ブログを読んでくださった方々の健康を願って、これから正月の準備です。