やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

大つごもり

2011-12-31 | やまがた抄


東雲の空が、今年最後の明るさを見せてゐました。

穏やかな、大つごもりの朝です。

稀にみる激しい一年が終らうとしてゐます。
自然の非情さの前に、人の無力さのみがさらけ出された年でした。

突然、明日を断ち切られた方ー、
色々な未来への計画を断念した方ー、
絶望だけで日々を過ごしてゐる方ー。

小生の周りにも、色々な方がをられます。


ずゐぶんと昔、奥秩父の山へ登って、道に迷ったことがありました。
先輩はとっとと先へいかれ、気が付くと小生は奥秩父特有の深い山中にぽつねんとしてゐました。
そして、激しい雨が降り出し、なすすべなくなった小生はキスリング(昔はみなこれでしたー)の中から唯一あったトマトを見つけ、大きな切り株に腰を下ろすと、激しい雨のなかで、ただ、そのトマトをかじってゐました。
雨など、気にもなりませんでした。

たしかその時、無力でありことは、あるひは、力になる、と思ったものです。


小生も、昨年は妹を亡くし、今年は愛犬を亡くしました。
生まれ出るものより、逝くものが多くなったやうな気がします。


とまれ、大つごもりー。

穏やかな新年を願ってー、
拙ブログを読んでくださった方々の健康を願って、これから正月の準備です。

年の瀬…

2011-12-24 | やまがた抄


忙しい一日ー。

この時期、娘のダンナ様の仕事の関係で、クリスマスケーキの販売ノルマ達成に助力する。
今年は親戚等から10個の注文をとり、親戚への歳暮届けとケーキ届けに追はれる。

ケーキの受け渡しに行ったホテルのロビーで、受付の横に華やかな正月用の花が飾ってあった。
我が家では、これまでも、これからも、こんな瀟洒な飾り花を置くこともないでせうが、目の保養にと写真を撮らせてもらった。

すっかり、年の瀬の気分になる。

余りに、ヒドイ…2

2011-12-20 | やまがた抄


”肉、食べない?”と、娘が持ってきた。
我が家では手が出ない、実に美味しそうな肉です。

どうした? と聞くと、福島の友人から夏のサクランボのお礼に送られてきたものだ、といふ。
その友人は、本当は果物を送りたかったけれど、風評被害を気にすると申し訳ないので、代わりのものにした、といふ。

娘も、先日、嫁ぎ先の家族と会津へ遊びに出かけたが、観光客は少なく、喜多方の有名なラーメン店も閑散としてゐた、とふ。


NHKの2チャンネルで精力的に福島原発事故を取り上げてゐる。
先日も、事故当日の様子を再現する番組を放送してゐましたが、それが事実であれば、東電や国のあまりにもお粗末な対応に、本当に怒りがこみあげる。

世界の歴史上、最悪の事故を起こし、市井の名もない若い人達に辛い思ひをさせてゐるにも関はらず、東電の社員は、原発の制御機械の一部を触ったこともない、と平気でいふ。
あのときは、頭が真っ白になってしまってー、と平気でいふ。

地震当日、我が家も、闇夜のなかで家族や娘夫婦たちと、ロウソクの明かりをみつめながら、恐れに震へてゐました。
あのときすでに、福島の原発では、メルトダウンは始まってゐた。
それを、東電の人間も、政府の人間も、誰も認識してゐなかった、とはー。

師走の便り

2011-12-18 | やまがた抄


東京の友人から、師走の便りのやうに、柚子が送られてきた。
今年は、自宅の柚子が実らず、頂き物で…、と云ってゐた。
確かに、このあたりでも林檎の不作が聞こへ、親戚の果樹園でも贈答用の分が不足気味だと云ってゐた。
天候不順、天変地異…、嫌な感じです。


すっかりと寒くなったので、納豆汁を作りました。



台所中、納豆の匂ひを充満させて、完成です。
作り方は左程難しくはないのですが、微妙な配合が難しく、以前、尾花沢だったか、村山だったかでご馳走になったトロットロッの汁には程遠く、サッパリ系に仕上がってしまひました。


朝、雪掃き

2011-12-17 | やまがた抄
今年初めての雪掃きが必要な朝でした。
5~6センチほどの積雪だったでせうか。

まだ、季節のはじめ。
なにか、雪掃きもすこし新鮮で、これが続くとウンザリの朝になりますがー。

用事があって、文翔館の近くへ出かけました。
山形市の誇る、旧県庁です。

明治の初め、時の県令三島通庸が、山形を東北のモダン都市にしやうとした名残りの建物です。








雪の準備

2011-12-14 | やまがた抄


なんと、天気予報では明日から雪のマークが付きっぱなしで、慌てて雪囲ひを済ませ、鉢植ゑのイチゴの苗を一ヶ所にまとめ、来年のために駐車スペースの横にハーブ用に1間ほどの土を盛り、準備を済ませました。

娘たちに、”「北の国から」の黒板五郎だ!”といはれるドカジャンを着、ひどい格好で作業をしてゐたら隣りの奥さんに、今年は大雪になるのかねえ、と 声をかけられる。
四方山話をしながら、それでも、天変地異がなければ、多少の雪の多いくらゐ我慢しないとね、と話が落ち着いた。

今年も、あと、二週間ちょっとです。



鯛めし

2011-12-13 | やまがた抄


先週末に、鯛めしをつくりました。

概ねのレシピはわかってゐましたが、肝心のだし汁の配合塩梅がわからない。
ぜひ鯛めしを食べたい、と云ってゐた娘の寄宅を待ってゐたら、
”えっ? 知らないよ!”といふ。

慌ててネットで調べるも、まったくそれぞれの配合具合で、
えい! 南無三! と、最大公約数で調味料をいれ、生姜を細かく刻んで臭み取りにー。

そしたら、上出来! でした。

御頭付きで入れたかったのですが、中途半端なので、二尾を御頭なしでー。
知らぬ間に、老母が、焼き魚のつもりで×をいれてしまったのはご愛嬌で、ふっくらと炊き上がり、皆に好評でした。

一寸、くせになる美味しさですが、貧乏な我が家のことー。
次の鯛めしはいつになることやら…。

魚三昧2

2011-12-11 | やまがた抄


東京生活を引き払ってきた娘に、友人から寒ブリが届く。

餞別だよ!、といふことだが、真相は藪の中である…。

ともあれ、まるでマグロのやうな、3尺(90センチ)の寒ブリである。
配達の方も、玄関先で、食ひきれます? と心配してくれた。

なまものですので、家人とふたりでさばく。
生まれてはじめて、3尺もの魚をさばきました。

大変ってなものではありません。
まず、流し台の上をすべてオープンにし、ブルーシートを敷き詰め、丁度あった幅50センチ、長さ6尺(1.8メートル)の厚手の板をわたし、そこでさばきました。

送り主の方からは、素人では無理だよ、包丁数本はダメにするよ、と云はれた、とすべてが終ってから娘が云ひましたが、なんとかさばき切りました。

無事に終って、出刃包丁が多少刃こぼれを起こした程度で、ため息をつきながらコーヒーを飲む。
素人の域は、完全に超えた大きさでした。

クレンペラーで第九

2011-12-10 | 音楽を
師走も半ば、山形市街でも今年初めての積雪になりました。
数センチほどでの雪景色になり、また、雪の季節の始まりです。

動画での探しものをしてゐたら、イタリアの方が、クレンペラーのベートーヴェン全曲演奏会の模様をきれいに整理されてUPしてゐました。
以前、継ぎ接ぎのやうにディスクに落としたのですが、再度全曲を落としなほしをして、改めて感動しました。

1970年、ロンドンでの演奏会。
引退まであと2年、そして、この巨匠が堕ちるまであと3年といふ、切羽詰った時期です。

時代的にはひと昔前の演奏スタイルですが、どれもこれも堂々としてゐて、瑣末なことを云ふのも恥ずかしいほどのものです。

クレンペラー/フィルハモニア管でのベートーヴェンは主だった曲はLPで持ってゐましたが、以前の印象は意外にあっさりとした演奏だな、といふ記憶があり、録音時期も10年ほど前のせゐなのか、その後のこの巨匠の巨人の如き歩みに舌を巻きました。
(確かに、晩年のバッハのマタイ受難曲やミサ曲、ベートーヴェンのミサ・ソレムニス、マーラー等を聴けばむべなるものはありますがー)

演奏の、音量が大きいのではなく、音楽そのものが見事に巨大化し、神々しくて跪くほどです。
第九を聴くと、ここに、この指揮者が、神へと昇ってゆく姿がみてとれます。
(テオ・アダムの声は、やはり素晴らしい!)

Beethoven: Symphony No. 9 - Otto Klemperer


1964年の演奏もありました。
Otto Klemperer - Beethoven: Symphony No. 9 - Philharmonia Orchestra (1964)