県南部のお客様へ伺ふ前に、昼食場所がてら立ち寄る。
「鶴の恩返し」の民話話が伝はる里です。
狭い道路の隅に車を置いて、階段を上る。
立派なお寺様ですが、観音堂はここにはなく、
境内を一度はずれ、細い道を探す。
観音堂へ導く、九十九折りの細い参道。
上りきると、杉木立の中に、鳥居と山門が見へる。
足の病にご利益があるといふことで、
ワラジが沢山奉納されてをり、
巨大なワラジも、望みの大きさを表すやうに奉納されてゐた。
山門には一対の赤仁王がにらみ、
その横には、数知れぬ小さな木仏が段を飾る。
この観音堂は、小高い頂の上にあり、
200百年以上の前、景観の素晴しさに地元の人が観音堂を創ったといふ説ですが、
真意の程は別にして、
鳥居付近からは、置賜盆地の豊かな景色が望めました。
ぶり返したやうな残暑の中、
平日で訪れる人もなく、
望める置賜盆地の一角で最近死んだ友人を思ひながら、
九十九折りの石段を下る。