やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

天へと、地へと…

2012-06-04 | 花や樹や




今の季節、里山付近では、その景色のなかに紫の色が点在します。

桐の花と、山藤の花です。


天まで届け桐の花、地まで届け藤の花。


どこかで目にした文章ですが(何かの詞だったかー)、この季節、自然と想ひ浮かびます。

ともに紫の色を頂きながら、かたや天に向かって決して下を向くことなく、かたや地に向かって上を仰ぎ見ることなく、ともにそれぞれの”生”を営んでゐます。


裸樹の美しさ

2011-11-05 | 花や樹や


つゆ知らずでしたが、天童の総合公園の一角に、桜山のやうな丘があります。

種々の桜の樹を植ゑてあるのですが、もちろん、今は葉を落とし、裸樹になってゐます。

そのなかに、数本の江戸彼岸がありました。
公園ができて20年余ですから、まあ、樹齢20年ほどでせう。

来年は、花の時期にゆくつもりですが、まだ若い樹ながら、その裸は美しい!

小生が、染井吉野を見ないのは、クローンといふこともあるのですが、残念ながら、裸樹の姿の美しくないことです。
枝振りが、余程の樹でないと、まるで無節操に伸び放題になります。

その点、山桜や江戸彼岸は、もちろんすべてではありませんが、おおむね美しい枝振りを見せてくれます。

枝振りが美しいと、冬の、雪桜もまた、美しいものです。

そして、秋明菊

2010-10-13 | 花や樹や


金木犀のかをりが一週間ほどで終り、入れ替はるやうに、秋明菊が咲き始めてゐる。

菊でもなく、日本産のものでもないのに、その命名は、この時季の不如帰とともに、
日本の秋を感じるのに充分な名前、です。

楚々とした花とは違ひ、繁殖力も旺盛ですが、花言葉が「忍耐」なのださうで、むべなるかな。

ヘクソカヅラ

2010-08-19 | 花や樹や
美しい日本の、美しい樹や花のなかで、この植物ほど、屈辱的な名前を拝命したものも珍しい。

けれど、小生は、案外昔から好きで、花の時も、秋の実の時も共に好きです。

先日、美術館の生垣で、美しく咲いてゐました。
甘い汁でもあるのか、小さな蟻が寄ってゐました。







からたち

2009-09-24 | 花や樹や


一寸息抜きをする場所は、いまどき珍しいからたちの生垣が見事なところです。

初夏には、白い花が咲き(♪からたち、からたち、からた~ちのは~な♪)、蜜柑類ですから、今は見事に大きな実がなってゐます。

今年の春ころでしたか、その生垣の主は大きな工場なのですが、社員の方が手入を一所懸命にされてゐました。
生垣を大事にしてゐる社長命令なのか、はたまた、景気が悪く受注が減ったのでやむなくだったのかー。
そのシーンをみてゐた小生は、後者だらう、と思ってゐましたがー。

景気の様子もすこし落ち着いた秋になって、安心したやうに、その実は色づきだしてゐます。

夜の金木犀

2009-09-22 | 花や樹や


車から降りたら、ほのかな香りがした。

金木犀、だった。

数日前には黄色の小さな粒しかなかったけれど、連休中の好天気で一気に開花したやうだ。

一家が離散し、その後人手に渡った生家の庭には金木犀はなかった。
けれど、
その後建てた小さな家の東南の角に金木犀を植ゑた。
山形に来てから建てた家にも金木犀を植ゑた。

何故好きなのかはわからないが、まう、30年近く、毎秋、それも夜に金木犀の香りに気づき、夏の終りと秋の深まりを感じてきた。

高橋武市さんといふ方…

2007-02-21 | 花や樹や

過日、NHKで、高橋武市さんといふ園芸家の方を紹介してゐました。
(再放送だったやうですがー)

本当に、目からうろこが落ちる生き方であり、
目からうろこが落ちるその方の庭、でした。

北海道の北東部に、自らの生き様をさらすやう自然植物園を運営されてゐます。
それを、まったくのひとりで(機械が入りにくく、自らの手と、スコップとツルハシと一輪車で)、50年をかけてつくられ、そして、なほ継続中とのことです。

60歳を過ぎて、老いた母親との二人暮し。
食事の時間も惜しむやうに園の作業に出かける姿は、あるひは、色々とあったに違ひないその半生を封じ込めた修行僧のやうに思へます。

そして、花の盛りの園の何と美しいこと!!

驚くことに、まったく同じ場所に、季節によって十種類以上の花が咲く!!
もちろんそれは偶然ではなく、高橋さんが、地形と土の種類と花の種類を周到に検討した結果ですがー。
高橋さんは、苗を植ゑた時に、そのあと水すら与へない。
徹底的に、植物の生命力を信じ、個々の生命力を鍛へてゐる。
まったく基本的な、強いものだけが存続できるその原理を導入してゐる。

それは、結局、高橋さん個人の生き方、生き様をそのまま、花の咲かせ方に投影させてゐるやうです。
徹底的な夢と意志と強靭な生命力を持ったものだけが生き残れるー。

小生などは、まったく、足元にも及ばない生き方をしてゐますので、ただただ、高橋さんが作ったといふ山!に咲き乱れる花の見事さに感服するのみ、です。

紹介してゐるところが少しありました。
ここ1
ここ2