やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

凄まじいー!!

2009-08-31 | やまがた抄


昔から、そのドラマ性が好きで、選挙速報を深夜まで見ます。
今回も、帰宅して夕食をかけ込んで9時からの速報を見始めましたが、民放の番組が始まってすぐ、300といふ数字がクレジットされ、まだ開票もされてゐないところで次々と民主党候補の当確が踊ってゐました。

昼間は、お客さんのところで、しばし選挙談議、でした。
最近不幸があった農家のお宅で、家長の方が、「今回は、変へないと何ともならんさ」と、にこやかに笑ひながら話されてゐた。

10年ほど前であったなら、農業県山形では、すべての議席は自民党であったでせうけれど、いまや、世の中は、切羽詰った状態になってきてゐます。

田園の姿も、休田地と転作地がないまぜになった傷だらけの姿です。

小生にも、小生の周りでも、賃金カットやサービス残業強要、等々の話は当り前のやうにあり、若い人に働くチャンスもなく、疲弊しながら現状にかじりついてゐます。

政権が変はることで、この先にどんな天国が、どんな地獄があるのかわかりませんが、それでも、北から南までを駆け抜けた凄まじいエナジーがまだ日本に充分に潜在してゐたことが体感でき、その歴史にめぐり合へたことに、少なからず興奮してゐました。


ヤンソンスのラフマニノフ

2009-08-28 | 音楽を


ヤンソンス/サンクト・ペテルスグルグ・フィルのラフマニノフの交響曲第2番を初めて聴く。

この録音(15年ほど前かー)は知ってゐたけれど、ほとんど食指は動かなかった。
同曲の録音は、アシュケナージの演奏で初めて聴いて好きになり、スヴェトラーノフ、ザンデルリンク、ほか数枚のディスクがあったはずである。
ともに、情緒綿々たる演奏で、それはそれでよかった。

ところが、ヤンソンスの演奏は、あれっ! と思ふほどのアッサリ系。
オーケストラが、あの、かつてのレーニングラード・フィルであることを思へば、もっとロシア風の演奏かなと思ってゐたら、かつて指揮をしてゐた北欧のオーケストラの味はひでした。

カップリングの《ヴォカリーズ》も同じやうな演奏ですので、ヤンソンスの指向なのでせう。

曲自体が大変ロマンティックな曲想ですから、あるひは、これで充分なのかもしれません。
そして、北欧やロシアのローカルなオーケストラで聴くと、意外にラフマニノフの心のひだが聞こへるのかも知れません。

鬼才!

2009-08-27 | 音楽を


以前にほんの一部だけ見ることができて、でもほとんどを見逃し、残念に思ってゐたNHKのグールド伝の番組がこの8月に再放送されてゐて、今回はしっかりと全4回を見ました。

CDで聴く事はできても、映像はなかなか見ることはないので、その膨大な映像の数々に、まさしく鬼才グールドの天分を再認識した夏でした。

4回の話を、デビュゥの《ゴルトベルク》で始めて、そして、死の直前の《ゴルトベルク》再録音で終り、その凄まじいばかりの天性に感動しました。
番組のなかで、僅かに挿入された《フーガの技法》の演奏のなんと美しかったことか!

自ら選択した孤高のなかで、ひたすら自らを研ぎ澄ませていったグールドのバッハを、この秋にまた聞きなほしてみやう、と思ふ。

晩夏に…Ⅱ

2009-08-25 | やまがた抄


現場から直帰するときに、西の空が焼け、月がでてゐた。

すっかりと秋の空で、本当に短かった夏と、あるひは、寒さが厳しくなるかもしれない秋と冬を思ふ。

予定した月山登山は、悲しいほどにすべて雨の日にあたり、延期を余儀なくされてゐる。
9月になれば、天候も落ち着くでせうから、初秋の登山と決めてゐる。

晩夏に…

2009-08-24 | やまがた抄


投票日は仕事ですので、早めに期日前投票をしてきました。

休み明けといふこともあるのでせうが、山形市役所の一階は時ならぬ行列になってゐて、職員が詰めるスペースもないのに「もっと詰めてくださ~い!」と慌てまくってゐました。

確かに、意識は高いやうで、順番を並んで待ってゐる方々の顔に、何かを変へてほしい、と嘆願するやうな雰囲気を感じたのは気のせゐかー。


駐車場をでると、秋の気配の空が広がってゐる。
一緒に連れ出した老婆に「蕎麦でも食ひにゆかう」と、車をすこし走らせて好きな蕎麦屋へゆく。

混み合ふまえの時間帯で、その店で久しぶりにゆっくりと蕎麦を食ふ。

掃き出しのサッシから、ホトトギスの花がひとつ見へた。

最上三十三観音/第三番 千手堂

2009-08-22 | 出羽百観音、を訊ねる
サークルで一緒になった作家志望の女性が、時代小説を書き、この千手堂の周辺を描いた美しいシーンがあった。
作品としては、後半が破綻してしまって、先生に「ダメですねぇ」と批評されてゐたが、小生はそのシーンが好きでした(おそらく、近くにお住まいなのかもしれません)。

山形市北西部の田園地帯の杉木立のなかに、雹として存在してゐる。
最近整備されたのでせう、参道の石畳が新しく、よく手入がされてゐるところです。

「義経櫻」と書かれた、朽ちる寸前の櫻がありました。
来春にでも、一寸覗いてみたいものです。

幸せなことに、堂内も開け放たれてゐて、その天井には天女が舞ひ、また、大きな池には蓮が満開で、まさに、浄土のさまでした。




















さう、かなぁ…

2009-08-20 | 音楽を


NHKの音楽番組”SONGS”で、2週にわたって中森明菜を特集してゐました。

現在の彼女のライフワークのやうになってゐる、連作”歌姫”を中心にしたつくりであり、曲の数々でした。

すっかり歌上手になった彼女のカヴァーは見事なものでしたが、小生も以前に”艶華”や”歌姫”のアルバムは幾枚か聞きましたが、知人が推薦するほどにはピンとこなかった。

むしろ、若い頃の、そしてバブルのころの名作を今でも時折聴く。
特に、「ジプシー・クイーン」などは、まさに傑作!

そのころの完璧なまでのアレンジの見事さと、それをバックに歌ひきる、勁く孤独な主人公の姿に感激する。

それらに較べると、確かに心情深く曲の中に入って歌ってゐるけれど、一枚のCDとして聴くと、余りにも起承転結に乏しく、また、アレンジも平凡な感じのものが多い。

…、といふわけで、小生の車のラックには、当分ベスト盤が入ったままである。



コソヴォのオーケストラ

2009-08-19 | 音楽を


先日、NHKのラジオで柳澤寿男さんを紹介する番組を聞いた。

コソヴォのオーケストラの指揮者になったといふ。
あの、ヴァルカン地域の、コソヴォである。

人種のるつぼといはれる場所で、40人ほどの小さなオーケストラを任せられたひとりの東洋人の、淡々とかたる話に感動した。

演奏中に罵声はもちろん、石が投げられることもあるといふ。
プログラムは、人種に優先順序があってはならにので、それぞれの言語で数種類を作らざるをゑないといふ。
どんな迫害があるかわからないので、団員の名前は一切公開できない。等々。

まったき平和な日本では想像できない状況で、若い指揮者は、それでも音楽で風穴をあけやうとしてゐる。

団員に(!)「音楽で何かを打開する!? できるものか!」といはれ、それでもベートーヴェンの7番の演奏後の聴衆の歓喜に、近づいてきたくだんの団員は「少しは、可能性があるかもしれない、な」と語ったといふ。

どんなオーケストラなのか、一度聴いてみたいと思ふ。


柳澤寿男さんのサイトがありました。
こちらです。

盆、過ぎて…

2009-08-17 | やまがた抄
お盆の時期は仕事でしたので、地震の影響もでた、例年以上の渋滞狂詩曲のTVを横目でみながら、暑い数日をやり過ごしてゐました。

今年、東北地方は、梅雨は明けませんでした、といふことで、心もち踏ん切りの悪いまま、残暑に突入してゐます。

そして、はや、雲の形も風のそよぎも、秋のそれになってゐます。









大石田、は美味しい!

2009-08-14 | やまがた抄
大石田町にある観音堂を訊ねる前に、腹ごしらへをー、と行き当たりばったりに蕎麦屋に入る。

簡素な店で、入ると、店主らしきひとが推薦のメニュウをいふ。

では、と蕎麦と麦きりの盛り合はせを頼んでみる。

思ひのほか美味しく、そして何と、525円だといふ!
良い店を見つけた思ひで、今度は、有名なだんご屋へ行く。

とてもだんご屋とは思へない客の混み様で、ひきもきらず、皆10本、20本と買ってゆく。
流石に有名なだんご屋さんだけのことはあると、感心しきり。

大石田の街は小さな街ながら、かつて、関西からの船便の発着所になってゐたといふせゐか、妙に和菓子屋さんが多い。

メインストリートは、一寸悲しいほど寂れてゐるが、ゆっくりと歩いても面白いかもしれません。