やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

おほつごもり

2006-12-31 | やまがた抄
          
         

穏やかな天気の大晦日になりました。

一年の締めくくりの日がそんな天気ですと、
すこし、幸せな気分になります。

今年は喪中になるので、特段に飾り付けの用もなく、
暖かな長い日差しを入れながら、バッハのピアノ協奏曲を聴く。
チェンバロ協奏曲を中国人のピアニストが演奏したものですが、
これも、また、すこし幸せな気分になれる演奏です。

来年は、すこし、笑顔を増やしてゆかう、かと、
そんな小さな目標をたてて、おほつごもりです。


拙ブログを読んで頂いてゐる皆様にも、
よき新たな年でありますやうに!



12月29日

2006-12-29 | やまがた抄



数日前の暖かさに、「今年は雪のない正月かな?」と知人と話してゐたばかりでしたが、彼の「いや、一年間に降る量は決まってゐる。遅いか、早いか、だけだ」といふ言葉通り、年の瀬の雪になりました。

友を弔ひ、自分の父を弔ひ、
公私にわたる問題もまだ越年の模様ですが、
しばらくの雪景色を何も考へず眺めて、
新たな年へ準備をすることとしませう。


大岡山師走時雨

2006-12-26 | 大岡山界隈



昨年の今頃は、既に相当の積雪があったのですが、
今年は、まだ、時雨模様です。
朝夕ちらつく程度で、山形市付近の平地ではまだ積もりません。
このぶんでは、久しぶりに雪なしの正月になるのかもしれません。

雪がないのは、何よりも有難いことですが、
どこかで、微妙に何かがずれだしてゐるのかと思ふと、
少し不気味な気もいたします。

今年も、のこりの日々わずかです。


※以前使ってゐたプレートが無くなってしまひました。残念…。

バッハのオーボエ協奏曲を…

2006-12-25 | 音楽を
       
            

Xmasの夜は、色々なクリスマスソングでもなく、
バッハの「クリスマス・オラトリオ」でもなく、
バッハのオーボエ協奏曲集を聴いてゐました。

ナクソスレーベルのディスクで、小生の愛聴の一枚です。
クリスティアン・ホンメルのオーボエ、
ヘルムート・ミュラー=ブリュール指揮/ケルン室内管弦楽団の演奏。
共に、メジャーな演奏家ではありませんが、そんなことはどうでもよく、
バッハのオーボエ協奏曲4曲と、BWV1060の協奏曲で、
至福の70分を提供してくれます。

たゆたふやうに、BWV1055のオーボエ・ダ・モーレ協奏曲がが始まります。
云はれてゐるやうに、そのほとんどのオリジナルはチェンバロ協奏曲ですが、
ホンメルのオーボエとオーボエ・ダ・モーレの清楚な音色が、
小生の棚にもあるリヒター、ピノック、レオンハルト等のテェンバロ協奏曲ではかもしだせない幸福な時間を創ってくれます。
(特にリヒターの演奏は、正座して聴くやうな厳しさがありますからー)

以前、同じディスクを画廊のある珈琲屋さんにプレゼントしたら、
「店の雰囲気がよくなった、とてもよいBGMだ」と喜ばれたことがありましたが、確かに、ささくれのない演奏です。


この年は、公私ともに色々なことがらが起こり、そして、続き、
正直なところ、いつになく疲労困憊の年の瀬になってゐます。

年末年始の集まりに誘っていただける友人・知人のお声も嬉しいのですが、
今は、
いつ果てるともしれない、朗々と歌ひ続けるオーボエやダ・モーレの音色が、
残された幾ばくかの年月に対して、
こころを決め、覚悟を決めなければならない時だ、と
そして、分散してしまったものを再びまとめる時だ、と
静かに水先案内をするやうに、少し荒れた気持ちに染みこんできます。


『たそがれ清兵衛』、を…

2006-12-24 | 映画雑感



先日、TVで『たそがれ清兵衛』を放映してゐましたが、
小生も数回目ですが、やはり、よい映画です。

格好よすぎて、”たそがれない”主人公に不満がー、などといふ意見もあったやうですが、山田監督の細かなディテールへのこだはりが、やはりこの映画を素敵にしてゐます。

何よりも、宮沢りえの美しさが際立ちます。
小生の敬愛する、ジュリエッタ・マッシーナにも似た、哀しい美しさを出せる名優だと常々思ってゐます。
そして、田中眠の怪演です。
独特の低い声。竹光と聞いて、一瞬にして殺意をだす目の動き。そして、舞踏家ならではの、舞ふやうな美しい死に様の姿。見事、です。


先日、庄内地方出身の人と話してゐて、「あんな話し方、しないがなぁ」と云ってゐましたが、
確かに、鶴岡の知人は、やはらかい庄内弁を話しますが、映画の中の言葉とはすこし違ってゐるやうに思ひます。
ただ、以前に鶴岡の旧家の雛祭りを見に行った時に、
案内の老婦人が「…でがんす」と話してゐて、
一緒に伺った人たちと顔を見合はせて、「やはり…」と納得したことがありました。

美しい映画ですが、
不満は、視点が娘のそれになってゐて、結果、ラストのシーンが小生には違和感があり、父は幸せでしたとさ、みたなエンディングになってしまったこと。
それと、時代の背景が幕末末期となってゐますが、その緊迫感がまるで感じられないこと。
やがて、清兵衛のやうな庄内藩の武士達は、屈強な、当時国内最強の軍として不埒な時の新政府軍と戦ってゆくわけですからー。



藪柑子

2006-12-21 | やまがた抄


先日、友人宅の雪囲ひを手伝ひ、
ひとしきり終はって和室の前を見ると、藪柑子にたくさんの赤い実がついてゐました。

拙宅の庭からも、お客様の庭からも頂いて移植したのですが、
土壌のせゐか、あまりに日当たりが良すぎるのか、
さほど難しい木でもないのに中々根付かず、
一度は全滅のやうになり、半ば諦めてゐたのですが、
久しぶりに見ると、葉も根もしっかりと張って、一部は見事にたくさんの実をつけてゐました。
きけば、腐葉土をたくさん入れ、水掛を心がけたとのことで、
10センチ足らずの小さな木に、ずゐぶんと手をかけたやうです。

きっと、そんな気持ちが見事に通って、あとは殖えてゆくだけだらう、と
安心しながら携帯のカメラに収めてきました。


雪の朝、モーツァルト…

2006-12-18 | やまがた抄



昨夜からの寒気の影響で、
朝は、うっすらの雪景色でした。

雪の朝、モーツァルトを聴いてゐました、
と、友人からメールがきてゐました。
NHK/BSの朝の小さな音楽番組で、クラリネット協奏曲だったといふ。

拙宅は、BSもなく、朝は既に仕事を始めてゐますので、
そんな幸運な組み合はせに出会ふこともなく、
ただただうらやましく、お洒落なシチュエーションです、と返事を返す。

関東地方生まれの小生が云ふのもおかしな話ですが、
雪国でモーツァルトを聴けることは、ひとつの大きな幸せだと思ふ。

暖かい地域の方には大変申し訳ない、小生の偏見ですが、
モーツァルトの前期の作品はともかく、
後期の作品には、やはり、雪の降る地域の厳しさと美しさがよく似合ふ。


幸運な状況に出会へなかった小生は、仕方がないので、
ホグウッド/エンシェント室内管弦楽団による演奏を聴く。
アントニー・ペイのバセットクラリネットによる演奏。
通常のクラリネットより音域が広いのか、また音自体も妙な色気や艶が少なく、
清々しいクラリネット協奏曲の演奏です。



12月17日

2006-12-17 | 大岡山界隈



師走も半ば、妙に生暖かい日曜で、少しの晴れ間の時間で間単に雪囲ひを済ませました。

今年の後半は、何やかにやと時間に追はれ、庭の木々を眺める余裕もなく、
その間に、痛んでゐるものもずゐぶんとありました。
何か、人間の勝手でー、申し訳ない気持ちになりました。

囲ひを済ませた椿の根元で、藪柑子が赤い実をつけてゐました。
これから、すっかりと雪に埋もれてしまふ彼らですが、
色もなくなった庭のかしこで、ひと時の主役です。