やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

大つごもり

2012-12-31 | やまがた抄


予想に反して、穏やかな大晦日となりました。
雪も舞ふことなく、気温もすこし高めー。

朝早くから、台所と便所と浴室と玄関とを掃除して、小生の分担分は終了。

レギュラー・コーヒーでひと息つき、仕事場で頂いた山形老舗の和菓子屋の美味しいつぶ餡どら焼きを家人と半分ずつ食べ(家人は、とても美味しかったので、1/2では不服だと云ってゐた…)、これから、正月料理の不足分を買ひだしにゆきます。

いろいろとありましたが、この年も、なんとか、穏やかに暮れてゆきます。
(折角こんなに穏やかになってきたといふのに、新しいこの国の権力者は、原発をつくるぞー! と戯言を云ってゐるー)

新しいこの国のかたちが、早くできることを願ひつつー。


拙ブログをお読みいただいた皆様、ありがたうござゐました。
よき新年を迎へられますやうにー。



暴走が…

2012-12-30 | 大岡山界隈


老母が、愛犬の一周忌を境に、そのボケの暴走が止まらず、夕飯の支度や、日常の細々としたことの指示を台所のあちらこちらに張り出してゐるのですが、まるで無視で、よくも悪くも、好きなやうに家人が朝用意してをいた食材を自分流にアレンジして、夕方には、ウム? といふものが出来上がってゐる。

家人は、仕事から帰ってくるたびにその結果をみてカリカリとしてゐるが、畑仕事が出来ない雪の間は仕方がない、と小生はすっかり諦めてゐます。


その家人も、すっかりと遅まきながら、韓流ドラマへの暴走が加速して、彼女の携帯の待ちうけは小生の知らない若い俳優さんで、マンションに住んでゐる娘夫婦のところはBSが見られるので、NHKの韓流のドラマを録画し全編ブルー・レーに焼いて! と至上命令をだし、小生のところには、2、3日内に焼いてをいてと、小生はまったく興味のない韓流ドラマのDVD5,6枚がパソコンの横に勝手に置かれてゐる!

娘も、小生も、ともに韓流ドラまにはまったく興味がないので、その暴走振りにはふたりで手をこまねいてゐます。




年末のベートーヴェンの…

2012-12-29 | 音楽を
シュナイダーハンのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、昔から、好きでした。

特に、シュナーダーハンのファンといふ訳でもないのですが、この演奏は、LPの頃から、愛聴のひとつです。

今回、たまたま、幾つかの演奏を色々聴いてゐて、なるほどと思ったことは、質実剛健のやうなシュナイダーハンのヴァイオリンの音色ではなく、バックのよさでした。

1960年代前半、まだ名門ベルリン・フィルは野性味のある、豪快な音を出してゐました。
まだ、妙に気取った高域は強調されてをらず、中音域のどっしりとした、ドイチェのオーケストラでした。

そして、小生が好む、その時代のベルリン・フィルをドライブする1960年代のオイゲン・ヨッフムの堂々とした指揮振りが目の前に浮かびます。

まだ若造だったハンティンクが、30台前半だったでせうか、華々しく名門コンセルト・ヘボウのオーケストラの指揮者になりながら、けれどその若さを心配する周囲がつけた後見人が、ヨッフムでした。

小生、天邪鬼なもので、能や歌舞伎を見るときに、いつも後見人の姿をみてゐます。
後見人とは、主演の演者をサポートする役ではなく、主演者が急に倒れたときに、間髪おかずその演技の続きができる人です。強靭な神経と、強靭な技術を有してゐる人です。

ヨッフムも、この頃、”オランダの宝”のオーケストラの後見人を任されたくらゐです、この頃の演奏は、きはめて充実してゐて、でもその割りに表にでてゐないのがとても残念です。


でもまあ、しばし、年末のベートーヴェンのヴァイオリン・コンチェルト!

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 Op.61



寒波の後

2012-12-26 | 大岡山界隈


用心してゐた寒波ですが、山形市では強い風に雪も流されたのか、左程の積雪はありませんでした。

久しぶりに蒼空を見たやうな気になって、晴れやかな日差しに感謝します。

年内の休みはあと大晦日のみで、買ひ物やら、大掃除やら、その前に仕事先での忘年会やら、あと5日の時間なんて、あっといふまに飛んでしまひさうです。

義父と家人の年賀状は済ませましたが、小生の分はやっと印刷を済ませて、ここ数日のうちにひと文を添へて出す予定ですー。
元旦には、届かないかしらんー。





この国は…

2012-12-23 | 雑記


この間の選挙は、何の面白みもひねりも興奮もない選挙でしたが、いずれにしても、再び大きく振り子が振れてしまひました。

その結果、つい数年前に、”僕、お腹が痛いから、何もしない~!!”と政権を放り投げた長州のボンボン政治家が来る新年に向かってこの国の最高権力者になるといふ。
(夏ころでしたか、会津の歴史研究会の方に会った時、長州がー!長州がー!!と叫んでゐました)

TVで見る、彼の妙に颯爽とした動き(その姿が、とてもウソ臭いー)は、イメージを払拭したいといふ意思の表れだとは思ふのですが、そんな意思とは無関係に、この国は色々な分野でまったく未知の領域に突入してゐるやうに思ひます。

にも関はらず、たとへば、原発事故を起こしてゐないドイツは原発を廃止することにし、歴史上未曾有の事故を起こした日本は、大きく振り切った振り子のせゐで原発を続けてゆくといふ権力者を選ぶー。

所詮、長州にとっては、東北は遠い地であるといふ証左なのかー。


クリスマス寒波が近づいてゐます。
やっと、急いで雪囲ひを済ませ、クリスマス・ケーキは、まう食べてしまったので、この年の残り一週間に向かってゐます。



振り子といへば、今話題の”振り子”の動画を見ました。
泣けるー、ほどではないですが、心にしみるものです。

振り子 鉄拳





一寸、早め…

2012-12-22 | 大岡山界隈


小生の仕事の都合で、一寸早めのX’mas-。

娘夫婦も参じて、ずっと恒例になってゐるケンタッキーのクリスマス・バレルと、何故か、家人の希望で寄せ鍋で(小生が作りましたが、マックス・ヴァリューの寄せ鍋の元はとても味がよい!)、ささやかな我が家のクリスマスー。

クリスマス・ケーキと誕生日ケーキとの違ひがよくわからない孫娘は、早くロウソクを点けて吹き消したいと云ひ、せっかく美しいチョコレート・ムースのケーキが変な姿になってしまひましたが、まあ、それも美味しく頂き、仕事から帰ってきた娘も参じて、久しぶりに家族全員が顔を揃へる。

ニュースで”今日は冬至です”との話に、”さうか、今日は冬至かー”と、先日友人から頂いた柚子の箱の中からひとつ取り出し、風呂に入れて柚子湯にする。

クリスマスと柚子湯との、まったく日本的なひと時、でした。



塩釜の市場

2012-12-15 | 雑記
最近の年末のお楽しみ、塩釜の塩釜仲卸市場へ行ってきました。

大震災後の昨年は、小生の都合がつかず、家人たちは娘たちに頼んで車を出してもらひ、用を済ませました。
ですから、小生は、震災後初めての市場です。

市場へ入る前に、海側をすこし見ましたが、道路などに歪みやヒビが入ってゐる外は大きな被害もなく、
雨模様ながら、穏やかな海が続いてゐました。
駐車場も、例年よりは一寸少ないかなー、と思ふくらゐで、多くの買ひ物客で賑はってゐました。




















マグロやカズノコやエビやカキやイカやカニや干物や…、そして名物おばあちゃんらしい(80歳以上だといふー)お店でタコも買って、
”ウム、市場も買ひ物客も、皆元気でなによりだ!”と独りごちして、すこし嬉しくなって、市場を後にしました。

吹雪の峠を抜け、久しぶりに峠の茶屋でラーメンと力餅を食しました。
街では、最近は、やたらと能書きの多いラーメン屋さんが多いのですが、久しぶりに食べた素朴なラーメンと餅に舌鼓! でした。












山茶花

2012-12-14 | やまがた抄


県立図書館へ向かふ道すがら、瀟洒な教会があります。

結婚式と観光以外では教会といふ場所に行ったこともないのですが、ふと見ると、正面の壁に鮮やかな色の花が咲いてゐました。

冬のバラ? と思って近づくと、なんと、山茶花でした。



とても大きな樹だったので、山茶花とは思はず、そして、今までまったく気がつきませんでした。
壁の色ととてもよく合ひ、すっかり雪模様だったここしばらくの天気を吹き飛ばすやうに、師走の空に咲いてゐました。

暫し眺めて、何か、とてもよいものを見たやうな気になって、図書館へむかひました。


小野リサ

2012-12-13 | 音楽を


小野リサは、デビュウの頃から聴いてゐて、当時、その達者なポルトガル語でのサンバ系の軽快な曲が初期のアルバムではとても新鮮で、それ以来ずっとファンです。

二世なのか、日本人なのか、それさゑも知らずずっと聴いてゐました。
(実は、純粋な日本だったさうです)

たくさんあるアルバムも、よい意味で左程の変化があるわけでもなく、その独特の歌声に魅了されて聴いてゐました。

たまたま、動画で「あの日にかえりたい」を聴いて、”ウム、実によい!”と『ジャポン』といふCDを買ったのですが、意外にも、期待はずれでした。

もちろん膝を打つ名唱もいくつかありますが、うたひ方に余りにも変化がないので、どれも同じやうな印象になってしまって、全編同じやうなアプローチをとった意味がよくわからない。

冒頭を飾る「黄昏のビギン」なんて、遠くちあきなおみの足元にも及ばない。
唄のなかに、希望も夢も諦めも、見られない。

ドライブ用には、合格なCDでしたが、じっくり聴くには不合格かー。


交響曲第一番

2012-12-12 | 音楽を


あまり話題のものには飛びつかない性分ですが、このCDには飛びついてしまひました。

佐村河内 守作曲/交響曲第一番『HIROSHIMA』

NHKで取り上げて話題になったとのことでしたが、小生は偶然”モーニングバード”で佐村河内を取り上げてゐたのを見て、衝撃を受けました。

天分を神から受けながらも、完全に聴力を失ひ全聾になり、加へて激しい頭痛症や耳鳴り、不安定な神経症、重度の腱鞘炎…、満身創痍の肉体から生まれた、絶対音域を頼りに作曲された交響曲ー。

激しい作曲者のエピソードよりも、衝撃を受けたのは、この時代に、日本で、80分にわたる長大な交響曲が存在した、といふことでした。

80分の長さと云へば、マーラーの2番の交響曲『復活』に匹敵する巨大なものです。

東日本大震災から一ヶ月ののち、暗雲たる思ひでこのレコーディングは始められ、そして、終楽章のコラールのときに、録音会場は強い余震に見舞はれ、けれど楽員やスタッフは微動だにせずに録音を完成させたー、といふ、感動的なエピソードにあふれたものです。

現代音楽のやうに(佐村河内氏自信がそれを嫌っていたといふー)決して難解な曲ではありませんが、果たして自らの脳裏だけで作られた”音楽”には、凡庸な小生などには計り知ることの出来ない密度を持ってゐます。一度や二度聴いたくらゐでは、その中に入ることは不可能でせう。

演奏も(大友直人指揮/東京交響楽団)、まったく、最初から最後まで、緊張の糸が切れない密度のきはめて濃い演奏です。


そして、すこし調べたら、同じ作曲者の”シャコンヌ”の紹介の動画がありました。

音のない世界から生まれでた、色彩感あふれるシャコンヌ!
こちらも、強く感動しました。


無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ / 佐村河内守