やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ケーゲルのミサ曲♪モーツァルト大全集から

2008-06-27 | 音楽を


この季節、桜桃を贈ったり、あるひは、頂いたりします。
流石に、粒のそろったものは、とろけるやうな赤色です。


ヘルベルト・ケーゲルの指揮で、モーツァルトのミサ曲を聴いてゐます。
ユニヴァーサル・グループでの全集では、ミサ曲は、ほとんどがふたりのヘルべルトによって演奏されてゐます。

さすがに定盤路線でいったのか、晩年の大作、ハ短調ミサ曲とレクヰエムはヘルベルト・フォン・カラヤンの演奏です。
勿論、名演です。
確か、ベルリン・フィルとの演奏のあとに再録音された、このヴィーン・フィルとのレクヰエムを聴いた時、その驚異的な美しさに(まったくに、余りにも美しい弦とコーラスとの響き!)驚いたものです。
けれども、決して鎮魂歌にはならない演奏、でした。

そして、ヘルベルト・ケーゲルによる中期のミサ曲の演奏。
彼が手塩にかけたライプツィヒのオーケストラと合唱団の渋めの音色がいい。
カラヤンのやうな、水飴が混ざるやうな弦と合唱との異様な美しさもないけれど、
東独の、切実な響きが、そして、祈りがある。

20年近く前、東ドイツの崩壊後、自殺した彼は、あるひは精神を病んでゐたか、あるひは時代に絶望したのかー。
同じ東ドイツのオトマール・スウィトナーが時を同じくして、忽然と引退したやうに、やむにやまれぬ理由があったのかもしれません。

このミサ曲は、その時代の前に録音されたものです。
たしか、小生の棚にもケーゲルの演奏はベ-トーヴェンのCDが数枚あったはずですが、このミサ曲の演奏群も、かれのよすがを偲ぶ名演であらうかと思ひます。


逝く夏

2008-06-24 | 雑記


数日前でしたか、新聞がターシャ・テューダーの死を告げてゐました。
絵本作家でしたが、小生には、ガーディナーとしての彼女の孤高なまでの姿とその壮大な庭が有無を言はさない感銘を与へてゐました。
(小生の周りでも、彼女の影響を受け、私淑したひとも多いです)

そして、今日、千葉馨さんの死を知りました。
N響の主席ホルン奏者だった方です。
小生は、N響って、さほど好きではなく、在関東の頃にはそれなりに聴きましたが、我を忘れた覚へがありません。
それでも、千葉馨さんの姿や言動が好きで、一度だけ近くで拝見したことがありました。穏やかな、本当に音楽が好きさうなお姿でした。

合掌

はや、夏で…

2008-06-21 | やまがた抄
東北地方が梅雨入りと同時に連日の30度以上で、
身体が何の準備も出来てをらず、ぐったり気味です。

久しぶりに、花を見、温泉に浸かってきました。
川をわたる風と、露天風呂の湯気との中間で、小生の頭は真空状態でした。








シーズン、です

2008-06-20 | やまがた抄


仕事で農家の家に伺ったら、サクランボを頂きました。
今年の初物、です。

「受粉樹のサクランボだから、うまくないよ」
と念押しされ、確かに酸味はありますが、充分、サクランボでした。

成る程、これから収穫がピークになる佐藤錦の甘さのために、
こんな、隠れた存在の樹があるのかと、感心し、感謝しながら初物を頂きました。

内田光子のピアノ協奏曲♪モーツァルト大全集から

2008-06-17 | 音楽を


ユニバーサルグループによるモーツァルト大全集のピアノ協奏曲は、内田光子氏の演奏です(複数のピアノの為のものを除きー)。

以前出された時に、いはゆる後期の作品はほとんど聴きましたが、小生の愛聴盤にはならないものでした。
勿論、現在屈指のピアニストではありますが、今回中期の作品もまとめて聴きましたが、やはり、だめでした。

すべてが練りに練った演奏で、破綻も何もないのですが、かうして20曲余りを続けて聴くと、その破綻のなさに面白みが湧かず、加へてどの曲にも共通してゐる演奏の姿のウエット感が、なんとも違和感を感じてしまふ。

「モーツァルトの音楽は、許す音楽なのだ」と論破した彼女には圧倒的に共鳴するのですが、同じ全集のピアノソナタの演奏のやうな、かすかにカラッとした姿を求めなかったのは小生には不思議でなりません。


モーツァルト全集の全体像は、こちら、にありました

庄内遊行

2008-06-14 | やまがた抄

車で出かけてすぐ、国道の橋の上で大きな揺れを感じました。
不幸にも、亡くなられた方には、お悔やみを申し上げます。

予定してゐた庄内へ、親戚の人たちと出かけました。







結構有名な、酒田港に面した海鮮市場で(1時間並んで)限定20人の膳にありつく。
これで、¥1,050、です。




腹ごなしに、山居倉庫、をぶらつく。








同行者の強い要望で、八幡の玉簾の滝、を見にー。
落差60mといふ名滝は、古色とした杉林の中で、まさにすだれのやうに水を落としてゐました。





紅白に…

2008-06-13 | 大岡山界隈




アイトマートフを読み始めようと思った矢先に、彼の死を新聞が報じてゐました。
なんとまあ、悲しい偶然でせうか。

この時節、蔵王のペンション村では、”春”のオープンガーデンが開かれてゐますが、時間が出来ずに行けません。
仕方がないので、我が家の庭の花をー。
以前にひと株いただいたアカショウマは、あちらこちらで花をつけ、
ユキノシタが、降るやうに咲いてゐます。

アイトマートフを読み始める

2008-06-10 | 本や言葉


ふと、チンギス・アイトマートフといふ作家に興味がでて、その小説を読み始めました。

ロシア、といふよりは、キルギスの作家で、有名な方なのださうですが、小生は知りませんでした。

出世作になるといふ『この星でいちばん美しい愛の物語』(浅見昇吾訳/花風社)を読みました。
訳のせゐもあるのでせうが、ずゐぶんと以前読んだ『豚のしなない日』を思ひ出しました。

きっと作家が、懐かしい故郷での少年時代を思ひ起こして筆を進めたやうな話ですので、客観的には、すこし引いてしまひますが、少しずつこの作家の世界を見てゆきたいものです。

小さな美術館へ…

2008-06-07 | やまがた抄
蕎麦屋さんの帰り道、前からずっと気になってゐた美術館へ寄ってみました。

村山市にある真下慶冶記念美術館です。
地元で、最上川を描き続けた画家で、四年ほど前に出来た小さな美術館です。

すっきりとしたコンパクトな館内は、その展示されてゐる絵と同様に、見る者をえぐるやうなインパクトはありませんが、一時間ほどゐてもいいな、と思ふやうなケレン味のないものでした。

そして、何よりも、テラスから望める(人もゐなかったので、勝手にテラスへ出てしまひましたが…)最上川の姿が美しい。













珈琲が飲みたくなったのですが、館内の小さなラウンジは閉鎖中で、少し車を走らせて以前から気に入りの、これまた小さな店に入りました。
久しぶりでしたが、相も変はらず、良い店です。



蕎麦を食ひに…

2008-06-06 | やまがた抄
仕事で偶然通りかかった蕎麦屋さんが気になって(と、いふより、絶対に旨さうな雰囲気でしたのでー)、忙しいはずの友人も強引に誘って行ってみました。
地元の旧く大きな家を蕎麦屋さんにしてゐるもので(山形では、定番のパターンですが)格式あるたたずまひに感激、です。














肝心の蕎麦は、これまた定番の”板蕎麦”で、在の割には細く、けれどしっかりと腰もあって、充分に納得できるものでした。
いい蕎麦屋さん、発見! でした。