やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

小春日和

2010-11-21 | やまがた抄


忌中の葉書きを投函して、買ひ物へ出かける。

街は、穏やかな日差しにあふれてゐた。

ここ数日、ぐっと冷えこんで、朝も濃い霧に包まれてゐた。
いよいよ、冬の始まりです。

今夜の鍋の具材と、いつも売り切れてしまふスケジュール帳の来年版を買ふ。
店頭には、すでに、クリスマスの飾りと鏡餅が並べられてゐた。

喜びも哀しみも充分ではないのに、時間は待つこともない。

ジンマンのマーラー

2010-11-16 | 音楽を




先日のTVで、ジンマンのマーラーの演奏を報じてゐました。

NHK交響楽団による連続のマーラー特集の一環。
第10番の第一楽章のアダージョ。

ジンマンも、素敵な風貌になってゐました。
一寸、年をとったション・コネリーのやうで、魅力的です。

以前、眼からウロコが10枚も落ちたやうなベートーヴェンの全集の演奏は素晴らしかったですが、以来さほど聴く機会はありませんでした。

未完に終ったマーラー最後の曲のアダージョを、心をこめて演奏してゐました。

しかしそれにしても、なんといふ音楽なのだらう!

まるで蜉蝣のやうに曲は始まり、穏やかで、切なくて、けれど、死への恐怖を吐露し、また愛する妻アルマを渇望し、自らは踏み込むことをためらった不協和音の響きのあとにすっと曲は閉じられてゆくー。

人生50年で終ったマーラーを、また、聴きたくなった。

『モーツァルトの台本作者』

2010-11-08 | 本や言葉


『モーツァルトの台本作者』 (田之倉稔/平凡社新書)

ダ・ポンテの生涯を追った小著ですが、とても面白かった。

成る程、著者も最初はびっくりした、と書いてありますが、あの、モーツァルトの三大オペラの台本を書いたダ・ポンテは、89歳までも長生きし、アメリカ人としてその波乱の生涯を終へてゐた。

彼の人生の中では、一瞬の栄光では勿論あったにせよ、モーツァルトとの時間は名実ともにそれほど長いものではなく、アメリカへ渡って(逃れて?)からの本屋の開設や、大学の教授や、イタリア文化への振興活動の方がよほど長かったやうです。

この本を読むと、人はいったい、生きてきたどの歳月でその充足を味はふのか、といふ哲学を提示させられる。

2010-11-04 | 大岡山界隈


流し台に、蕪があがってゐた。
この秋、初めての蕪である。

老母に聞けば、浅漬けにしやう、といふ。
余りにもおいしさうなので、いや、味噌汁にしたい、と作り出した。

さっと湯がいて、少し濃い目の味噌汁をつくる。
溶けるやうに軟らかく、ほのかに、甘い。

連日、柿や林檎やラフランスの果物が届くが、我が家の秋の味を楽しむ。

庄内へ2

2010-11-03 | やまがた抄
足の具合も戻ったし、文化の日は晴れの確率が高いので、今年最後の登山を計画してゐましたが、連日の冷たい雨は止まずー。
それでも休みにしてゐたので、雨を突いて庄内へ。

ところが、月山では、案の定、雪模様ー。ゆっくりと下って観音廻りに。

庄内二回目の今日も、都合11ヶ所をめぐって、残すところ8ヶ所になる。

それでも、どこを廻っても人の姿もなく、また、お参りを請ふ声に寺の方はにべもない返事ー。過日の酒田の雰囲気とはずゐぶんと違ふな、同じ庄内でも山間部だからかしらん、と思ってゐたら、実はご開帳は10月末で終はってゐた、とのことで、さもありなん。

お陰で、雨もやんだ平野部で、静かに観音巡りが出来ました。

開墾場を改装したカフェで(侍、との店の名前は、やはり、藤沢周平の影響かー)美味しいカプッチーノを頂きました。