メンデルスゾーンの《スコットランド》を聴いたら、同じ全集からの《イタリア》(交響曲第4番)と、若きムターをソリストにしたヴァイオリン協奏曲のディスクがあったので聴いてみました。
《イタリア》は、ジョージ・セルの疾走する、刃金のやうな演奏や、クレンペラーの遅く、さっぱりイタリアっぽくない演奏が好きですが、カラヤンのこの名盤のほまれ高い全集からの《イタリア》もやはり見事な演奏です。
旅行としてのイタリアの街は、ローマ、ミラノ、ベローナ、ヴェネテュアしか行った事がありませんが、カラヤンの演奏は、やや北の街のすこしくすんだ、けれど夢見るやうな演奏です。
すこし後のフィルハーモニー・ホールでの録音ではなく、ベルリンの教会で録音されたこの頃の演奏が、やはり芯があるやうな気がします。
しかしけれど、当時、当代随一の彼等のバッハやモーツァルトが何故もあんなに無残な演奏になってしまった、のかー。