やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

カラヤンの《イタリアン》

2009-06-25 | 音楽を


メンデルスゾーンの《スコットランド》を聴いたら、同じ全集からの《イタリア》(交響曲第4番)と、若きムターをソリストにしたヴァイオリン協奏曲のディスクがあったので聴いてみました。

《イタリア》は、ジョージ・セルの疾走する、刃金のやうな演奏や、クレンペラーの遅く、さっぱりイタリアっぽくない演奏が好きですが、カラヤンのこの名盤のほまれ高い全集からの《イタリア》もやはり見事な演奏です。

旅行としてのイタリアの街は、ローマ、ミラノ、ベローナ、ヴェネテュアしか行った事がありませんが、カラヤンの演奏は、やや北の街のすこしくすんだ、けれど夢見るやうな演奏です。
すこし後のフィルハーモニー・ホールでの録音ではなく、ベルリンの教会で録音されたこの頃の演奏が、やはり芯があるやうな気がします。

しかしけれど、当時、当代随一の彼等のバッハやモーツァルトが何故もあんなに無残な演奏になってしまった、のかー。



梅雨の花が…

2009-06-22 | 大岡山界隈
垂れこめた雲の下で、梅雨らしい花が咲き始めました。

アマチャの木も、すっかり大きくなって、小さいけれど、花火のやうにガクを広げてゐます。

ホタルブクロは、いつの間にか庭先に位置を確保し、まあ、来るはずもないホタルを待ちながらうつむいてゐます。












翌日に…

2009-06-21 | やまがた抄


親戚の果樹農家の方から、挨拶代はりに…、と桜桃が届く。

いはゆる、贈答用の佐藤錦でせう、姿・形が素晴しい。

この週末では、かなりの県外ナンバーの車も多く、郊外の果樹園の道路が賑はってゐました(きっと、高速の千円効果もあるのでせう)。

食べ放題でも、それほど食べられるものでもなく、また消化もあまりよくないのですが、樹全体に鈴なりになってゐる姿はまた素晴しく、一度の来県をPRいたしませう。

初物…

2009-06-20 | やまがた抄


少し割れ物だけど…、と今年初めて桜桃をいただき、そして、食しました。

冬の小雪、春先の天候の変化、と果樹農家のかたはハラハラドキドキでこの季節を迎へ、そしてここ数日は、早くも収穫に急がしさうです。

全体の収穫量も少なめらしい、との話も聞いて、少なからず気候の変化が現れてきてゐるのかと、小さな桜桃をつまみながら思ふ。

カラヤンの《スコッチ》

2009-06-19 | 音楽を


急に、メンデルスゾーンの《スコットランド》(交響曲第3番)が聴きたくなった。確か、TVの番組のバックで流れてゐたからかー。

ペータ・マークの爽やかな演奏も好きですが、この曲に関しては、カラヤン嫌ひの小生でも、彼の演奏に舌をまく。

バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスでは、カラヤンの演奏を認めるだにしない小生ですが、シベリウスやグリーグやヴェーベルンでは、やはり舌をまく。

ほとんど途切れなく演奏される40分近くを、かれ一流の強弱をつけて、まるでアメリカ映画のやうに面白く聴かせる。
70年前半に録音されたものですが、当時のベルリン・フィルの驚異的なパフォーマンスにも舌をまく。おそらく、彼等の絶頂期だったことが、その演奏の見事さに如実に現れてゐる。

ズッキーニ、採れる

2009-06-18 | 大岡山界隈


JAで2ポット買ったズッキーニが大きくなり、そろそろ採れころになりました。

昨年はよくわからず、それでもなんとか出来たもので少し料理をしましたが、
今年はすでにレシピも用意して準備万端。

早速柔らかいところで、まずはズッキーニ・チャンプルーを作りました。
簡単、美味しい、で意外にも好評。

「キュウリ?」といふ家人の無関心さをよそに、孤独にズッキーニを育て、料理の品を考へてゐます。

長谷堂城跡

2009-06-17 | やまがた抄
ずっと以前からいちどー、と思ってゐましたが、観音参りと一緒に見ることができました。

以前は荒れ放題の場所でしたが、折りしも”天地人”の影響かすっかり整備がなされ、駐車場も満杯でした。

関が原合戦のひとつの引き金になった、家康の上杉討伐での、最上軍と上杉軍の戦場となった場所です。

当時の山城の様子がよく遺されてゐて、とても面白い場所です。
きつい坂を上り詰めると左程広くもない館跡があり、山形市内が一望できます。

水田をはさんで小高い丘があり、その場所に最上を討ちにきた直江兼続率いる二万の上杉軍が陣をとり、最上の支城だった長谷堂城で対峙したといふ。
その軍のなかには、バサラ武将前田慶次郎もゐたといふ。

頂きからその丘を眺めてゐると、軍旗のたなびきが見へるやうでした。





















最上三十三観音/十二番札所/長谷観音

2009-06-16 | 出羽百観音、を訊ねる
後日書く予定の長谷堂城跡と一緒に訊ねる。
といふよりも、ここの観音自体が要害な山城の高台の一角にある。

遙か昔、源の某が、奈良の長谷堂の観音様を肌身に守ってこの地で戦ひをしてゐたといふ、歴史ある場所であるとのこと。

高殿からの細道をくだると、杉木立のなかに小さな堂がある。
小生は、幾ばくかの賽銭で多くの願ひをーと思ってゐたが、すっと扉をあけたご婦人が堂内で一心不乱に祈りをあげはじめた。

きっと、さうせずには居られない何がしかの事情があったのでせう。
皆々ひとは、悲しいほどの悩みや苦しみをもってゐるのだ、と感慨しきりで道をくだる。












ムターのモーツァルト

2009-06-14 | 音楽を


ムターのモーツァルト/ヴァイオリン協奏曲全集を聴く。

10代で華々しくデビュゥし、幾多のカラヤンとの共演盤もありましたが、今まではまったく触手が動かず、聴くこともありませんでした。

でも、しかし、このモーツァルトは絶品です。
40代半ばになって、オーケストラも指揮しながら録音したといふこのディスクは、そのヴァイオリンの音色といひ、オーケストラのコントロール具合といふ、きっとやはり、彼女の天賦がまぎれも無いものであった証左なのでせう。

青年モーツァルト時代の演奏としては少し重いとは思ひますが(小生は、やはり、グリュミオーの演奏が好きですがー)、深々としたその演奏には敬意こそ払っても文句のつけ様はありません。

この見事さからすれば、おそらくきっと、あと十年もして、彼女は見事に深遠なバッハの無伴奏ソナタを録音するつもりなのかもしれません。