やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

花は、まだ…

2013-04-24 | やまがた抄
ここ数年来、行かう行かうと話しをしてゐた、義父母を誘っての県南の櫻をみに出掛けました。

至極残念ながら(予想はしてゐましたがー)、最初に行った烏帽子公園はほとんど咲いてをらず、N市に入っても同じで、櫻は断念ー。

まうひとつの目的である、義父母たちの数十年ぶりの知人探しになりました。

転勤族だった義父が県内を動いてゐる時、2度住んだといふN市の旧市街を尋ね、数十年前のおぼろげな記憶を頼りに”ここだ!”といふ商店にいきなり入り、突然の訪問ながら、でも先方は覚えてゐてくださって、店先で義母がお世話になったといふ昔話に花が咲きました。

そして、義父が縁のあったお大尽の屋敷跡で営業してゐる蕎麦屋(以前から聞いてゐましたが、偶然にも、小生の好きな店のひとつー)で蕎麦を食べ、昔をたどる小さなドライブを終へました。

広大な敷地の蕎麦屋の庭先で、地元から立身出世し、けれど最期には破滅したといふ亡き主を想ふやうに江戸彼岸の小さな花が咲き始めてゐました。









今日と、明日と…

2013-04-23 | やまがた抄
いつもは家人や娘たちと出掛ける近場の櫻見ですが、せっかくの休み明けの晴天なので、まるで用事のない老母とふたりで馬見ヶ崎の河川敷の櫻を見に行きました。







コンビニで弁当を買って、三々五々座る人たちに混ざって、とても静かな、でも、とても穏やかな櫻見のひと時でした。


明日は、用事もあるのですが、義父母を連れ出して、県南の櫻を見に行く予定です。

ともに、そんな櫻見が、あと何回できることなのかー、かすかな不安を持ちながらー。


さくら雪

2013-04-21 | やまがた抄


山形市の霞城公園では、やっと櫻が八分咲き程度になり、お花見の日曜日になる予定が、朝からの雪模様ー!

小生は仕事でしたが、朝のニュースで福島あたりが吹雪の様相で、昼近くにはその雲が山形に進んできたのか、時やらぬ積雪になりました。

近くの河川敷の櫻にも、たっぷりの重い春の雪がかぶさり、”まだ、咲いてもゐないのだけれどー”と櫻の樹々もうらめしさうな様子でした。

なかなかにおもふやうにはならない櫻の開花に、でもまあ、それも自然の摂理のひとつと、この悪天候が過ぎたら、幾つかの櫻を見にゆかうと思ってゐます。




櫻の前に…

2013-04-15 | やまがた抄


東京の友人から”春を送ります”とメールがきてゐて、翌日にタケノコが沢山届く。

家人たちは、届いた荷物が友人からのタケノコであることを知ってをり、すでに米のとぎ汁と灰汁が用意されてをり、小生の帰宅を待って箱を開け、すぐに下準備に入ってしまった。

小生は、折角の生きのよいものだから、焼いたり蒸したりして食したいと思ってゐたのですが、そんな言葉を挟むまもなく、準備が進み、煮物で頂くことになります。

ともあれ、奥羽山脈を越えられなかった孟宗竹は、それゆゑタケノコも山形ではとても貴重で値段も高く、春のこの時期、とても嬉しいものです。

山形市では、櫻はまだ一部ほどの咲き具合ですが、友人に感謝しながら、ひと足はやい春の味覚を満喫です。


立原正秋(たちはらせいしう)

2013-04-12 | 本や言葉


前にも書きましたが、天邪鬼の小生は、歴史上、不当にも50人近くの浪人によってたかって惨殺された吉良上野介義央と、明治政府によって不当に評価が低くされたこれも幕末の跳ね返りの若者に暗殺された井伊 直弼を、ともに擁護してゐます。

先日、精神科医の方が書いた井伊 直弼についての本がとても面白かったのですが、ふと、さういへば、立原正秋が井伊直弼の最後の朝を書いた短編があったと、引っ張りだして読みました。

『雪の朝』ですが、本の最後をみたら、30年近く前に読んでゐました。
当時は、清冽な印象があったのですが、今回読むと、なんだか、資料を漁って再編成したやうな感じで、面白くはなかった。

ーと、久しぶりに、立原正秋のことが気になってしまって、高井有一の書いた自伝を久しぶりに再読し、小生の好きな短編『やぶつばき』を読みました。

今はすっかりと忘れ去られたやうな”流行作家”の立原正秋の作品は、小生、その膨大な作品群の7、8割かたは読んでゐるはずです。

高井有一の自伝でも、時に敬愛をもって時に厳しく指摘されてゐるやうに、この生涯に名前を六回変へ、朝鮮人ながら、限りなく日本人にならうとした虚構の多い作家の七重八重の屈折した倫理観あふれる作品は、それゆゑ、今は評価が淘汰され、あまり残ってゐる作品は少ないやうな気もします。

もちろん小説ですから、フィクションですが、今になってみると、展開される世界が余りにも”絵空事のなかの絵空事”のやうな印象が強くて、現在は、たとへば藤澤周平のやうな”絵空事のなかの真実”を見せる作品が残されてゆくのは当然のやうな気もします。

それでも、『やぶつばき』のやうな、ふと立ち尽くしてしまった女性の心理を描いて、やはり名手であることに違ひはありません。




花待ちー

2013-04-11 | やまがた抄


不規則な仕事のシフトに追はれ、庭をゆっくりみる時間も失くしてゐたら、隣家の庭先には梅が咲き、サンシュユが咲き、我が家の庭でも、福寿草はとっくに終り、水仙が咲き始め、そして、侘助の小さな花が盛んに開きだしてゐました。

昨年、とくに何をした訳でもないのですが、今年はとても花付きがよく、まだ咲かない隣りの黒侘助とともに好きな樹ですので、ひとり悦に浸ってゐました。

乱高下する気温に、本当にあと十日後に櫻は満開になるのかしらん? と仕事先でも同僚といぶかってゐますが、まあ、自然のなす技に、人間はひたすら待ってゐるより外はなく、忙しい中旬に向けて、予定のやりくりが大変ですー。