先日、新聞の片隅で、故渡辺暁雄氏の御夫人の死を報じてゐました。
さうか、渡辺暁雄氏が亡くなって二十年ちかく、そして、夫人の死ー。
大事にしてゐるテープを久しぶりに聴いた。
マーラー/交響曲第2番『復活』
指揮者:渡辺暁雄 /日本フィルハーモニー交響楽団
1978、4、8 /東京文化会館にて
30年以上も前の演奏であり、テープですが、幸ひに音の劣化がすくない。
小生も、当日、会場に居合はせてゐた演奏であり、初めて演奏会で聴いた『復活』でした。
確か、当時のパンフレットもあったはずですが、
久しぶりに渡辺氏を常任に迎へ、それを団員及び聴衆が寿ぐやうな”熱い”演奏です。
N響ほどの精緻さは持ち合はせてゐなくても、改めて聴くと、当時の日フィルの底力は凄いものだったことがわかります。
演奏の頭から、力がはいり、特に終楽章は、当夜の祝祭的な雰囲気も後押ししたのでせうが、圧倒的であり、マーラーが願った復活と、日フィルが願った復活とが見事に重なったやうな熱演で、涙がでるほどでした。