やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

『ショーシャンクの空に』

2009-02-28 | 映画雑感
DVDで、『ショーシャンクの空に』、を見る。

詳細を知らずに、初めて見ましたが、とてもよい映画、でした。
『フォレスト・ガンプ』がアカデミーを取ったころの作品だったさうですが、
もしかしたら、昨今では、この『ショーシャンクの空に』の方が、評価が高いのではー、と思ひます。

地味な内容と、地味な画面ですが、先輩囚人役のモーガン・フリーマンが飄々とした演技で素晴しい。確か、彼が大統領役だった映画もありましたが、こちらの方が余程自然体の気がします。

ラスト・シーンが、まるで、「幸せの黄色いハンカチ」のやうに、大げさな演技と大げさなセリフが無いのが、余計に余韻の残る映画になってゐました。

鍋ばかり…2

2009-02-26 | 大岡山界隈


鍋ばかりの日々は続いてをりまして、
三回目の山芋鍋も、結局、うまくミゾレ風にはならず、
我が家では、強引に、山芋チヂミ風鍋、と命名しました。

でも、味の方は、好評です。



ひき肉を平たい団子にしたものも、美味しかった、です。


春から先の夕餉当番では、イタリアンの料理になる予定、です。

天晴れ! ドゥダメル!

2009-02-23 | 音楽を




先日、NHKで、グスターボ・ドゥダメル指揮/シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オヴ・ベネズエラの演奏会を報じてゐました。

昨年から待ってゐた演奏会の様子、でした。

あっばれ! ドゥダメル! です。

「エル・システマ」といふ、貧困や犯罪を抑止するために創られた国の教育システムから生まれた見事な指揮者、見事なオーケストラ、です。

ラヴェルとチャイコフスキーが聴けましたが、チャイコフスキーの5番が面白かった。何故5番なのか、といふ問ひを、画面で易々と見せてゐる。

特に第2楽章、この、失意と悔恨の念を引きずりながら、それでも、ひと筋の光を求めるやうなこの楽章を、丁寧に音をつむぎながら、露西亜でもない、欧州でもない、勿論、亜細亜でもない、中南米ベネズエラの若人(団員は25歳以下、らしい)が作り出す”音楽”として表出してゐることが素晴しい!

アクロバチックなアンコールの演奏も含めて、演奏すること=生きること、になってゐる姿が素晴しい!
(その姿をみると、明らかに、日本といふ国は落日期に入ってしまってゐる、と思ふ)

指揮者のドゥダメルは、今年からロサンゼルス・フィルの音楽監督になるのださうで(まだ、20代後半!)、きっと、まったく新しいオーケストラの姿や演奏を創り出してゆくのに違ひないと思ふ(かつて、メータ/ロス・フィルがさうであったやうにー)。

(写真は、TVの画面から)

ドゥダメルの紹介のサイトがありました。
こちら、です。

『国定忠治』

2009-02-19 | 本や言葉


岩波新書で『国定忠治』(高橋 敏著)を読む。

国定忠治(正式には、長岡忠次郎)、なんて、舞台の”赤城の山も、今宵限りー、…”のシーン以外は何も知らなかったけれど、こんな小書で、眼からウロコを落とす。

いはゆる、チャンバラの世界ではなく、忠治が跋扈してゐた時代はまさに幕末であり、すでに黒船は来港し、世の中が騒然となりはじめた時代であり、幕藩体制もそのほころびを露呈し始めてゐた、そんな時でした。

国定の一派は、関八州取締りを向うにまわし、すでに洋式の銃で身を固め(てゐたらしい)、当時の最強の武闘集団だった。
おなじ頃、幕末を生きた清水次郎長が、新たな明治政府と調和して名をなして死んでいったのに対し、”悪党”の親分として200人の行列をお練りのやうに引き連れて磔刑に望んだ国定忠治の死に様が胸を打つ。

県立図書館あたりで検索しても、彼に関する本は意外に少ない。小生は、筋金入りのやうな、悪漢そのものの彼に非常に興味があるのですがー。

やはり、ねぇ…

2009-02-17 | やまがた抄


弐月で雪が終ることはなく、
十数度の陽気のあとは、大雪!

二十センチほどの雪なのに、道路は大渋滞。
やはり、他の方も、心は春になってしまったのかしらん。

こんな、乱高下の激しい気候では、春先や夏の天候不順が心配されます。


まさかの陽気で…

2009-02-15 | やまがた抄


庭先の雪も、ほとんど消えてしまひました。

弐月半ばだといふのに、10℃を超えたら、さうなります。
気分的に、三月末のやうです。
それでも、明日からまた雪のマークですが、
いちど春を感じてしまった小生の体と脳は、
さう簡単には後戻りできません。

3月からの今年の登山計画と、櫻探しの計画がスタート、です。

渡辺暁雄の『復活』

2009-02-14 | 古きテープから


先日、新聞の片隅で、故渡辺暁雄氏の御夫人の死を報じてゐました。
さうか、渡辺暁雄氏が亡くなって二十年ちかく、そして、夫人の死ー。

大事にしてゐるテープを久しぶりに聴いた。

マーラー/交響曲第2番『復活』
指揮者:渡辺暁雄 /日本フィルハーモニー交響楽団
1978、4、8 /東京文化会館にて

30年以上も前の演奏であり、テープですが、幸ひに音の劣化がすくない。
小生も、当日、会場に居合はせてゐた演奏であり、初めて演奏会で聴いた『復活』でした。
確か、当時のパンフレットもあったはずですが、
久しぶりに渡辺氏を常任に迎へ、それを団員及び聴衆が寿ぐやうな”熱い”演奏です。

N響ほどの精緻さは持ち合はせてゐなくても、改めて聴くと、当時の日フィルの底力は凄いものだったことがわかります。

演奏の頭から、力がはいり、特に終楽章は、当夜の祝祭的な雰囲気も後押ししたのでせうが、圧倒的であり、マーラーが願った復活と、日フィルが願った復活とが見事に重なったやうな熱演で、涙がでるほどでした。


よい店、発見!

2009-02-10 | やまがた抄


その店の前を通るたびに、小奇麗な蕎麦屋が出来たな、とは思ってゐました。
が、実は、製麺会社の直売場だったのです。

先日、地元のTVで採り上げてゐて、朝練りの生めんを売ってゐると知り、
また、蕎麦もさることながら、麦切りもあるといふので買ひにゆく。

ひきも切らずお客さんが来店してゐて、蕎麦の試食もできる広いスペースもあり、
この店はやみ付きになりさうです。






蕎麦やうどん類の生めんも手ごろな値段で、しばらくこの店から生めんを買ひ、
麺類のレパートリーを増やす所存、です。


『シェルブールの雨傘』

2009-02-09 | 音楽を


『シェルブールの雨傘』の音楽をCDで聴く。
90分近くの映画の完全なサウンドトラック盤である。

若い頃、この映画をNHKで見たときに、眼からウロコが数枚はがれた。
ストーリー自体は単純だけれども、その色彩の鮮やかさと、何よりも、すべてのセリフがメロディであり(それでも、ミュージカルとも、オペラとも違ふ)、見初めて数分、その夢うつつのやうな世界に引きずり込まれた。

何と声と容姿の美しい女優だらうか!、と二十歳代の小生は驚愕し(当時、ドヌーヴの名前は知らなかったし、実は声優による吹き替へだったことも知らなかったー)、その哀切きはまる雪のラストシーンに感動したものである。

声優だけによるこの2枚組のCDでストーリーを追ふと、やはり、すべての音楽を創り出したルグランのとてつもない才覚と、リカーリの美しい声がこころに響き残る。

そして、あのラストシーンも、改めて聴いてみると音楽は意外にも淡々としてゐて、それぞれが互ひに幸せを求めた二人の一瞬の邂逅は、何を生むでもなく、かつての情熱と悔恨を降りしきる雪の中に押し殺すやうに別れて行くさまが彷彿と浮かんできます。