Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

自然・健康志向と選好進化

2007-04-07 09:47:08 | Weblog
小川孔輔・酒井理『有機農産物の流通とマーケティング』をお贈りいただく。主要な環境マーケティング研究者による科研プロジェクトが基礎になっている。一見地味なテーマだが,社会的な望ましさを考慮したマーケティングの方向性が示唆されている。そうえいば,最近の Journal of Consumer Research の CFP に,consumer welfare というのがあった。経済学者の独壇場に,マーケティングが何を貢献できるか。

それは結局,消費者の行動変容,さらには選好の変化にいたるプロセスまで視野に入れることだろう。いま,ウチの院生が環境マーケティングを研究しようとしているが,そういう観点からすると,当研究室にぴったりのテーマといえるかもしれない(自然・健康志向の低い自分の態度を変えることができるだろうか?)。フォッグの本が示すように,そこで社会的関係が非常に重要になる(となると,社会的認知理論まで勉強しなくてはならない?)。