Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

日本のクリエイティブ力

2007-04-16 23:51:50 | Weblog
かんべえの不規則発言」でまたまた面白いエントリ(4/14~15と4/16)。かんべえ氏は以下のように問う―

「この20年ほどの間で、世界で誕生した新製品や新サービスのうち、日本とアメリカ以外の国で誕生したものって、何かありますか?」

欧州で生まれた新製品として挙げられたのが,Linux,テトリス,ダイソンのサイクロン掃除機など。一方,日本発の新製品としては,ハイブリッド車,液晶テレビ,インスタントラーメン,カラオケ・・・。日本の「意外な」健闘ぶりの原因として,かんべえ氏は,(1) 変人パワー,(2) 匿名性の功名心,(3) 終身雇用の強さ,(4) 厳しい市場,を指摘する。

(2)~(4) はかつて日本的経営の強みとして称揚され,いまやその弱みとして非難されている。少なくとも日本の「ものづくり」企業では重要な要素なのだろう。一方,「変人」という視点も面白い。日本では「クリエイティブ・クラス」より「変人」か?

ノーベル賞理論を基にした

2007-04-16 23:40:22 | Weblog
「ノーベル賞理論を基にしたSEM/LPO最新技法セミナー」というタイトルが目に飛び込んできた。何かと思ってその記事を読むと,「2000年にノーベル賞を受賞した計量ミクロ経済学の権威ダニエル・マクファー デン博士の理論を応用した手法」とある。ああ・・・離散的選択モデルのことか。ぼくも「ノーベル賞理論を基にした」手法を使ってきたと,もっと自慢すべきだな。

今年の冬から,大学院で選択モデルによるデータ解析を教えることになっている。理論だけ講義しても役に立たないし,データ解析の演習だけでもつまらない。各手法を用いた「一流の」研究について,みんなで「批評」するというのはどうだろう。特に研究に役立てようという院生諸君にとって役立つように思う(自分のためにも・・・)。マーケティングだけでなく,社会学,心理学,医学などから幅広く適用例を集める。先のこととはいえ,準備は少しずつ始めないと・・・。

うれしい雑用

2007-04-16 22:54:56 | Weblog
半ばあきらめていた科研費の申請が採択された。これで,交付申請等の「雑用」が増えるが,当然うれしい悲鳴である。今度は,成果が前倒しに出るぐらいの勢いで臨みたい。どなたかは存じ上げませんが,審査いただいた先生方に感謝いたします。

今朝の日経では,文科省が国立大交付金に「成果主義」を導入するとある。また,別のページで中小企業金融公庫の総裁が「教員の評価 外部機関で」「業績なき大学人は退場」と提言している。業績とは「海外の本当に一流の雑誌に論文を発表しているか」だと述べられている。

科研費がおりたことで,海外のジャーナルを目標とした研究から逃げるわけにはいかなくなった気分(投稿先が「本当に一流」かといわれると困るが・・・)。その前にたまった「在庫」をまず何とかしたい。そして,今後数年で何を書いていくか・・・。とにかく,這いずりながら前に進むしかない。