Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

これから何を読むか

2007-04-02 23:25:47 | Weblog
今日は,雑事の合間を縫って,クチコミ伝播モデルのために読むべき既存研究を探す。キーマンの一人は Mark Newman だろう。複雑ネットワーク研究の集大成 The Structure and Dynamics of Networks の編者の一人。大学からだと物理系の論文はほとんどダウンロードできる。職場環境に珍しく感謝。それらを眺めながら,自分の研究の小ささを痛感…この段階で予稿を書くことへのためらいが強まる。

それとともに今年度のゼミで読むべき論文を探す。修士の学生とは,本来なら消費者間相互作用の古典を読んでみたいが,博士課程に進むのでもない限り,最新の応用可能性の高そうな論文を読むほうが効率的だろう。一方,アングラのエージェントベース(AB)組には,『人工社会構築指南』と並行して,Managing Business Comlexity あたりから始めるとよさそうだ。前半に書かれている概論は,なかなかのものと見た。そして Handbook of Computational Economics II の,相互作用のモデル化を扱った数章とか。

ゼミでは取り上げないが,最近,Complex Adaptive Systems とか Complex Social Networks とか,この分野で気になる本の出版が相次いでいる。世界的にはABMへの注目が再び高まっているのかもしれない。だが,トレンドは関係ない。そして長期的な研究計画に沿って,心理学や脳科学,行動経済学の文献を読んでいきたい。選好の形成・変化・進化という本丸に,早ければ今年の後半には再着手できるように。