近未来の日本では議会制民主主義が廃止され、政府が「国民クイズ」を実施、その様子がテレビで中継されている。クイズの出場者のうち最後まで勝ち抜いた者の願いだけが叶えられる。国家財政が破綻し、全国民に社会福祉を提供できないが、国民クイズのおかげで国民の不満は爆発しない。
ごくわずかな参加者しかクイズに勝ち残ることができないが、実力と運で決まるので、ある意味でフェアであり、機会平等ともいえる。大多数の国民は、クイズに敗れて転落していく人々の姿をテレビでショーとして楽しんでいる。費用をかけずに国民の満足を充足させる仕組みというわけだ。
なお、民主主義が廃止されたのは政党間の対立で意思決定が遅れ、非効率だから、とされている。この漫画がモーニングに連載されていた 1993 年は細川内閣の頃だ。しかし現在は衆参で与党が3分の2以上を占め、状況は異なる。それはそれで、議会制が無効化した時代といえるかもしれない。
ごくわずかな参加者しかクイズに勝ち残ることができないが、実力と運で決まるので、ある意味でフェアであり、機会平等ともいえる。大多数の国民は、クイズに敗れて転落していく人々の姿をテレビでショーとして楽しんでいる。費用をかけずに国民の満足を充足させる仕組みというわけだ。
なお、民主主義が廃止されたのは政党間の対立で意思決定が遅れ、非効率だから、とされている。この漫画がモーニングに連載されていた 1993 年は細川内閣の頃だ。しかし現在は衆参で与党が3分の2以上を占め、状況は異なる。それはそれで、議会制が無効化した時代といえるかもしれない。
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杉元伶一, 加藤伸吉 | |
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