Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

手足を縛られた競争

2007-05-28 23:31:34 | Weblog
出張から帰り,日曜の日経を読む。経済学者の松井彰彦氏が,教育への市場原理の導入について論じている。松井氏は,教育再生会議の議論について,大学間の競争や多様性を謳いながら,「9月入学」の義務付けなど「選択の自由を制限し,統制的な色彩が強くにじむ」と指摘,矛盾を突いている(そういえばボランティアの「義務づけ」などというブラックジョークもあったような・・・)。自由のない競争は,機械的にコストを削減し,労働を強化し,ただ汗をかくだけの競争になる。

月曜の日経では,政府の規制改革会議の福井秀夫氏が,大学への公的資金の配分が,旧帝大に偏りすぎていると批判している。特に研究資金については,個人の研究成果をベースに配分すべきだと。ただし,財務省の試算のように,科研費獲得額ベースで配分すると,いま以上に旧帝大に資金が集中する。福井氏は「現在の配分手法の下では「素晴らしい成果が上がるはず」という見積りの「見せ方」の勝負」になっていると批判,成果の事後評価をきちんとして,それに基づいて配分すべきだと提案している。

今日の午前中は,二つの会議をはしご。午後は6月の2回の海外出張に備えて申請書類作り。案の定,あれやこれや書き直しを命じられ,そうこうしているうちに夕方,ゼミの時間になった。これが大学教員の現実だ! 研究や教育で成果をあげる以前に,なぜこうも非効率な事務的業務に携わらなくてはならないのか。大学や政府の金など当てにせずに,全部自腹で研究できる金持ちならいいんだが・・・(それでも試験の監督員などの労役は免除されないが)。

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2 コメント

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間接業務の委託 (xi)
2007-05-29 16:05:27
 このような間接業務を委託できる業者さんがいたら、おいくらぐらいでお願いしましょうか?  そのコストが研究費から出せるとすればいいですが、受け取り給与殻ならいかがですか?
 教員何人かでお一人分の給与支払いが可能でしたらいかがでしょうか?
 っていうかこんな仕事をする方を雇えないのかしら?

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そういえば・・・ (mizuno)
2007-05-29 20:47:57
センター試験の監督をしているとき,この仕事をどなたかに委託できるとしたら,いくら払うかと他の教員と話したことがあります。講演の機会が多い先生は,それなりの額をいっておられましたが・・・
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