ページを開くとまずジョナサン・アイブと彼の率いるデザインチームが登場する。見た目は意外に地味な連中だ(そんなものかもしれない)。アイブのデザイン哲学が語られる。ジョブズのように名言・金言がぼんぼん飛び出すインタビューではない。彼は黙々と仕事をする職人なのだ。
次のページでは,ジョブズのデザイン「テイスト」の原点が紹介される。彼が幼少期を過ごしたアイクラーホームズ,そしてブラウンのデザインだ。そのあとで Mac の内部から周辺機器までの写真を眺めると,一貫したテイストを実感できる。なかなかうまくできた編集だと思う。
数ページ飛ばすと Why Apple? というアップルユーザの紹介記事に。ここでも少しフェイントをかけて登山家の栗城史多氏を最初に登場させる。彼は iPhone と iPad を持ってエベレストを登山中,ジョブズの訃報に接したという。そのあとは予想通りアーティストたちのオンパレード。
ゲームクリエイターの斎藤由多加氏とアートディレクターの佐藤可士和氏の対談では,斎藤氏の半端ないマック・コレクションが紹介される。その前後の記事も合わせ,クリエイターたちがなぜアップルを愛するのかがよくわかる。それはクリエイティブであることの本質と関わっている。
驚いたのが,初期のデザインに貢献したエスリンガーが登場するページだ。80年代に作られたプロトタイプに,すでに iPhone や iPad の原型があった! それが実現しなかったのは,ジョブズが追放されたからだと彼はいう。アップルストア1号店をデザインした八木保氏の話も面白い。
ジョブズ本はすでにネタ切れかと思っていたが,そうではなかった。アップルファンのみならず,デザイン,クリエイティブティに関心がある人にとって貴重な資料となるだろう。ついでに,ジョブズ復帰後は戦略コンサルタントとしてアップルに関わったというエスリンガーの本がこれ:
次のページでは,ジョブズのデザイン「テイスト」の原点が紹介される。彼が幼少期を過ごしたアイクラーホームズ,そしてブラウンのデザインだ。そのあとで Mac の内部から周辺機器までの写真を眺めると,一貫したテイストを実感できる。なかなかうまくできた編集だと思う。
数ページ飛ばすと Why Apple? というアップルユーザの紹介記事に。ここでも少しフェイントをかけて登山家の栗城史多氏を最初に登場させる。彼は iPhone と iPad を持ってエベレストを登山中,ジョブズの訃報に接したという。そのあとは予想通りアーティストたちのオンパレード。
![]() | Casa BRUTUS 2012年 03月号 |
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ゲームクリエイターの斎藤由多加氏とアートディレクターの佐藤可士和氏の対談では,斎藤氏の半端ないマック・コレクションが紹介される。その前後の記事も合わせ,クリエイターたちがなぜアップルを愛するのかがよくわかる。それはクリエイティブであることの本質と関わっている。
驚いたのが,初期のデザインに貢献したエスリンガーが登場するページだ。80年代に作られたプロトタイプに,すでに iPhone や iPad の原型があった! それが実現しなかったのは,ジョブズが追放されたからだと彼はいう。アップルストア1号店をデザインした八木保氏の話も面白い。
ジョブズ本はすでにネタ切れかと思っていたが,そうではなかった。アップルファンのみならず,デザイン,クリエイティブティに関心がある人にとって貴重な資料となるだろう。ついでに,ジョブズ復帰後は戦略コンサルタントとしてアップルに関わったというエスリンガーの本がこれ:
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