Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

JACS@慶応義塾大学(日吉)

2009-06-28 10:34:38 | Weblog
昨日は,慶応日吉キャンパスで開かれた消費者行動研究学会(JACS)に参加した。会場となった,ビジネススクールの入っている新しい建物は,外見以上に中が素晴らしい。カフェやレストランだけでなく,スポーツジムまである。参加者は全部で 400人近くで,小さいほうの部屋では立ち見が出るほどだ。この学会は会員でなくても聴講でき,場所が東京近郊ということもあって,かくも多数の参加があったのだろう。

初日の発表は全部で32件あったというから,ぼくはその約半分を聴いたことになる(こんなに真面目にいろいろ聞いたのは久しぶりだ)。全体に外れが少なく,力作が多いという印象を持った。これらの発表は実験型と消費者サーベイ型の研究に二分される。前者は重要な要因を絞り,それ以外の要因は統制した比較実験を行なう。だから,話がわかりやすい反面,設定された状況の限界を超え,いかに一般性を主張するかが課題になる。

もう一方の研究タイプは,消費者サーベイデータを多変量解析するもの。最近では構造方程式モデリング(SEM)を使ったものが多い。ただ,多数の変数間で複雑に矢印が交差した図を見せられると,ぼくの情報処理能力の限界を超えてしまう。世のなかは複雑だから,モデルもそれに応じて複雑であるべきだということかもいれないが,実は単純化して理解してもよいことを,複雑にしているだけではないのかと思ってしまうこともある。

懇親会は同じビルに入っているクイーンアリスで行なわれた。最初はシャンペンで乾杯し,途切れることなく出てくる赤白のワインを飲みながら,ふだんあまり接点のない,若い研究者たちと会話することができた(おかげで,美味しそうな料理にほとんど手を出す時間がなかったが・・・)。こういう若手に囲まれる環境は,残念ながらいまの職場にはない。だとしても「研究会」があるじゃないかと,先日励まされたことを思い出す。

秋の JACS は広島で開かれるという。その頃プロ野球のシーズンは終わっているが,ぜひ行きたいと思う。ついでにマツダスタジアムにもお参りしてきたい・・・。
 

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