脳神経科学の経済学への応用が進んでいる。その延長線上に「ニューロ・マーケティング」ということばも生まれている。これについて,面白い実験の概要がスライドで紹介されている。それによると,コカコーラとペプシをブラインドで飲み比べさせると,大脳の辺縁系が活動する。ところが,コカコーラというブランドのラベルを見せると,被験者はコカコーラのほうを選好するが,そのとき前頭前野が活動するという(ただし,ペプシに対しては活動しない…)。
つまり,味覚と嗅覚だけで評価するときと,言語情報が与えられるときとで,使われる脳の部位がはっきりと違うということだ。感覚的・情動的な意思決定と,認知的な意思決定が違うメカニズムに従っている可能性が,大脳での活動部位の違いから示唆される。
ブランドのような「ことば」が絡むかどうかで意思決定のあり方が変わることは,すでに様々な実験で示されており,それ自体は驚きではない。ただ,脳神経科学的な基盤を与えられることで,より確実な知識になったということだろう。つまり,脳科学によって,いままで気づかなかった新しい発見が得られるというより,現象的にはわかっていたことに確証が与えられる,対立する仮説のどちらかに軍配を上げることができる,といったあたりが貢献ではないかと思う。
・・・味覚と言語なんて話になると,放置したままの「ワインのテイストテスト」のことを思い出す。昨年のいま頃も,何とかせねばと悶々としながら,過去の文献を読んだりしていた。それから1年間・・・何とかしないと・・・。
つまり,味覚と嗅覚だけで評価するときと,言語情報が与えられるときとで,使われる脳の部位がはっきりと違うということだ。感覚的・情動的な意思決定と,認知的な意思決定が違うメカニズムに従っている可能性が,大脳での活動部位の違いから示唆される。
ブランドのような「ことば」が絡むかどうかで意思決定のあり方が変わることは,すでに様々な実験で示されており,それ自体は驚きではない。ただ,脳神経科学的な基盤を与えられることで,より確実な知識になったということだろう。つまり,脳科学によって,いままで気づかなかった新しい発見が得られるというより,現象的にはわかっていたことに確証が与えられる,対立する仮説のどちらかに軍配を上げることができる,といったあたりが貢献ではないかと思う。
・・・味覚と言語なんて話になると,放置したままの「ワインのテイストテスト」のことを思い出す。昨年のいま頃も,何とかせねばと悶々としながら,過去の文献を読んだりしていた。それから1年間・・・何とかしないと・・・。