Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

公平な評価は難しい

2007-02-23 08:19:41 | Weblog
某会議で「優秀論文」の選定が議論された。評価者の組み合わせが評価対象によって異なる場合,いかに総合評価を公平に行なうか。数理計画やゲーム理論を使った研究があるらしい。それにしても,評価者のプールが全体として持つバイアスは回避できない。仕方がないことではある。

ここ数日,成績評価作業に多くの時間を割いた。テストの答案の採点もさることながら,各問への配点,あるいはテスト以外の情報との組み合わせ方が重要である。気持ちとしては,各情報へのウェイトの与え方に頑健な評価にしたい。特に不可という判断には,相対的にはっきり差が出ている状態が好ましい。

もうひとつ,総合評価点が対称分布になることが望まれるが,上のような配慮をすると,どうしても非対称な分布になってしまう(低い評価を際立てようとすると,高い評価を得る学生が相対的に多くなってしまう)。平均以上の学生にとってはうれしいはずだが,それがフェアといえるかどうか。

いうまでもなく,レポート(小論文)への評価はもっと難しい。細かい評価基準を設定して、事前に公開するのがフェアかもしれない。それにしても,主観性・恣意性がなくなるわけではない。表現の巧拙は間違いなく評価に反映する。それは重要なことだが,授業で学んだことというより,元々存在する本人の資質を評価しているともいえる。

入試も含め,大学教育は「評価」作業で満ちている。教員もまた,論文の査読を受け,授業を受講者から評価されている。お互いにこの評価は理不尽だと思うことが多いだろうが,それをバネに頑張ってもらうしかない(どういっても言い訳に過ぎないが)。

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