Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

「論文の書き方」の教え方

2007-01-21 22:58:14 | Weblog
おかげさまで朝9時から夕方6時まで研究室で過ごすことができた。昨日同様,論文を読んだり,うとうとしたり。「ワイン」の計算結果を見直していると,「おっ,これは」という閃きが・・・だまし絵ではないが,急に「何か」が見える瞬間がある(あとで勘違いだったことに気づくこともしばしばだが)。しばらく寝かせて,これが「本物」だったら,いよいよ大団円だ。

夜6時に「前線」から帰還した同僚たちをお迎えし,7時から卒論「直前版」2篇をチェック・・・苛立つ自分に二重の意味で失望する。「論文の書き方」を教えるということは,それが可能だとして,具体的にはどういうことなのか。清水幾太郎の『論文の書き方』を読むと,大学生(あるいはその鏡像たる大学教員)の質が半世紀前と決定的に違うことがわかる。

すでに言い尽くされたことかもしれないが,ちゃんとした論文を書くには,まずちゃんとした論文をいくつも読む必要がある。卒論は日本語で書くのだから,日本語の良質な論文をたくさん読ませるべきだろう。もっと対症療法的には,パワポを作らせてから論文に進ませたほうが「構造的」になるかもしれない(最近の研究者は,実際みんなそうしているわけだし)。

幸か不幸か,来年度,当研究室への配属を希望する学生は激減しそうな雰囲気だ(4人→?)。エージェントベースしか指導しないと宣言したせいなのか,もっと本質的な理由なのか,いずれにしろ,論文指導の限界を感じている身として,それは悪い話ではない。実際,ぼくの何百倍もすごい研究者ですら,指導する学生の数が多くなりすぎると,指導が行き届かないことが起きる。

部屋に帰ってTVをつけると,そのまんま東が宮崎県知事選に勝ったというニュースが飛び込んできた。Nスペでグーグル特集,TXで草刈民代を取り上げたドキュメンタリーを見る。明日の朝は別の卒論2篇と修論の最終チェック・・・そして午後から東京へ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。