Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

経済変動の進化理論

2007-01-18 03:05:07 | Weblog
月曜の日経を見てびっくり。「経済教室」にRichard Nelsonが登場し,進化経済学について紹介している。さらにびっくりしたのが,Nelson and Winter (1982) Evolutionary Theory of Economic Change(経済変動の進化理論)の邦訳が春に刊行されるという。原書刊行以来四半世紀経って,ようやく・・・。

この本は,ぼくにとってあまりにも思い出深い。最初に知ったのは,小田切先生が東洋経済「近代経済学シリーズ」に書いていた,技術革新の経済学に関するサーベイを通じて。そして原典を読んでみて,まさに目からウロコだった。それが修論へ結びつき,博論にも少なくともそのスピリットだけは継承されていった(はず)。

四半世紀を経て,進化経済学はどれほど発展しただろうか。エージェントベース経済学は,進化経済学の一部ないし発展形として,その年月に相応しい成長を遂げただろうか。春に Nelson and Winter の翻訳が出ることは,それを考え直すよい機会になる。そして,JASMIN の部会で提案した,この分野の Must Read Papers を集める試みが実現すれば,ある程度見通しがつくだろう。

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